Previous month:
2015年12 月
Next month:
2016年2 月

2016年1 月

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:プラグマティズム、『未熟でも早く』発展のカギ」から

2016.1.15   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:プラグマティズム、『未熟でも早く』発展のカギ」から

技術の総合的、戦略的なシステム化が勝利を導く

コラムの著者 和田 昭允氏(東京大学名誉教授)は、実用主義と訳されるプラグマティズムの事例を第2次世界大戦下の英国とドイツのレーダー技術研究に求め、その背景について語っている。

◯科学技術の発展には不可欠

科学技術のレベルは国の興亡を左右する場合があるという。顕著な事例が第2次世界大戦でのレーダー技術で、特にドーバー海峡を挟み、英国の空軍とドイル空軍の航空戦であるという。

レーダーは、侵攻してくるドイル空軍機に対する英国の大切な目であった。国家存亡の瀬戸際にあって、レーダーの研究は、「技術の高度化」と「緊急実用化」の妥協・最適化が求められた。

ここで英国人特有の現実感が見事に発揮されたという。レーダーの技術開発にあたって

  • 科学者達は「完璧さを追求しない」
  • 最良で完璧な物あ決して実現できない
  • 2番目のものは実現できるが間に合わない
  • 3番目のものを採用し、できるだけその実現を図るべし

とした。そこで、対ドイツ空軍機に対して、未熟段階のレーダーでも沿岸地域に組織的に配備し、複数のレーダーからの情報を組織的に解析して迎撃機を発進させる警戒システムを開発・運用したことである。このようなシステム化、総合化で、当時ドイツの方が技術的に上であったレーダー技術を凌駕した。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行を読む;スキルシェアの場広がる」から

2016.1.15  日経産業新聞の記事「流行を読む;スキルシェアの場広がる」から

手頃な料金とスキルシェア

コラムの著者 川崎 由香利氏(ジャーナリスト)は、趣味を超え実用的でありながら、低料金な講座に流行について語っている。

○スキルをシェアすることで価値

川崎氏は、ネット時代にはスキルを持った人を検索し、自らもスキルを発信して、スキルを共有、交換する、スキルシェアが流行しそうだという。また、ネットだけでなく、リアルな対面講座でもうまくスキルシェアを活用しているところがあるという。ストリートアカデミー(東京・文京)もその1つ。

サイトの講師と受講生をつなぐ講座支援サービスで、入会金のかからないこと、1講座3千円〜5千円の手頃な料金設定、同じスキルを学ぶ仲間との出会い、刺激を受けることがさらに集客の効果を上げているという。(これまでに4万人の実績)得意分野があれば誰でも講師登録できるが、過去の活動歴や商品販売のみの講座でないかなどの審査で信頼度を上げているという。具体的には、英会話、ウェブデザイン、スピーチなどのビジネス系から、料理やヨガ、バック転の指導まで4400。

人気な講座は、現実にキャリアを積んだ専門家が実利に直結するスキルを教える講座が集客力を持つという。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:タイで人材確保、日系志望者、給与と安定重視」から

2016.1.12   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:タイで人材確保、日系志望者、給与と安定重視」から

意外に低い失業率と日系志望

コラムの著者 近藤 正幸氏(横浜国立大学教授)は、工場や研究所の人気な立地先のタイについて国際通貨基金のデータから分析している。

◯タイでの現地採用の苦労

近藤教授は、国際通貨基金の2015年10月時点での通年の推計失業率は0.80%で非常に低い。このデータをもとに

  1. 日系企業をどのような学生が志望するのか。
  2. 日系志望の学生はタイ企業や外資系企業を志望する学生とは何がちがうのか

を調べた。

調査は設立時から日本との関係が深い某工科系大学の卒業1年目の学部卒業生を対象に同大学の教員と共同で就職意識へのアンケートを行った。結果は、

  • 日系企業志望の学生は60.7%と極めて高い
  • タイ企業は29.2%
  • 日系以外の外資は10.1%

しかし、実際に日系企業に就職しているのは、59.3%で、タイ企業に34.3%、外資系6.5%となり、就職後の満足度は、日系は93.8%で最も高い。

日系志望者の就職動機は、仕事との相性がトップで、規模・安定性、給与となるが、タイ企業志望者は将来性、外資系は仕事との相性となったという。このように日系企業は「給与」と「安定性」で、企業側の「安定性」のみの重視とは温度差がある。今後日系企業には報酬面が重要になろうが、タイの学生の日系企業人気はしばらく続きそうだ。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:大学発VB、応援する風土育め」から

2016. 1.13   日経産業新聞の記事「眼光紙背:大学発VB、応援する風土育め」から

日本でも成果じわり

コラムの著者は、大学発VBでバイオ分野での成果がじわりと出てきているが、成功に導くためにも応援する風土の必要性を説いている。

○陥りやすい落とし穴

 環状になった特殊なペプチドを使った医薬品候補の作成やミドリムシを使った食品やバイオ燃料、蜘蛛の糸を工業的に合成して高い強度の繊維をえるなど、いずれも大学での研究をVBとして商品化に結びつけようとする活動である。

これまでの大学発VBの陥りやすい落とし穴は、新薬実用までの臨床などの試験が長く、収入がなくて頓挫したり、事業の柱が単品に頼るが故に最新技術にかえって追いつかなくて経営の打ち止めとなったところがあった。新手のVBは、創業間もないことから稼ぎを考える経営を目指して単年度黒字を出しているところもあるという。

次の課題は、意欲に燃えるみずみずしい感性である経営者や起業家を応援する環境作りである。まだまだ欧米並みには行かない点はこの部分だ。 pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:両利きの経営、日本流のやり方模索を」から

2016.1.14  日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:両利きの経営、日本流のやり方模索を」から

新製品開発と既存製品の改良を両方追求

コラムの著者 三浦 俊彦教授(中央大学商学部)は、近年米国の経営学会で話題となっている「 Ambidexterity (両手利き)」に触れ、日本企業の経営の将来について触れている。

○プロダクトとプロセスの両面でのイノベーションを追求すること

特に製造業に当てはまる。「知の探索(新製品開発など)」と「知の深化(既存製品の改良など)の2つが企業のイノベーションには必要であり、その組織が最強だという考え方である。

日本企業は、プロセス・イノベーションは優れているが、プロダクト・イノベーションは不得意だと三浦教授はいう。これは欧米が逆に、プロダクト・イノベーションが優れ、プロセス・イノベーションが得意でないところは興味深い。(三浦教授のコラムには、馬場正孝中央大学名誉教授(技術論)の調査をあげて、この傾向を示している)
両利きの経営とは、これを同時に行うわけだが、得意分野が異なる欧米企業と日本企業では経営そのものも異なるはずで、そろそろ、日本流のやり方を考案する時期であろう。pchappy01