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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:社名変更の意味、価値生むきっかけにも」から

2015.9.3  日経産業新聞の記事「西川英彦の目:社名変更の意味、価値生むきっかけにも」から

事業推進のみならず、名前は社会への貢献宣言

コラムの著者 西川英彦氏(法政大学経営学部教授)は、一旦は民事再生法の適用申請まで至った老舗のタオルメーカーが起死回生を図り、社名やブランド名を変えて顧客の共感を得たストーリーを示し、ブランドの創設や社毎の変更でも顧客価値を生むことを示している。

○他社製品のタオルハンカチのOEMメーカーからの脱却

徹底的にオーガニックにこだわり、3年以上農薬や化学肥料を使わない有機農法であること、遺伝子組換え種子でないこと、フェアトレードであることをあげ、北米などでもオリジナルブランドに挑戦して評価された。

ところが、売上の7割を依存していたハンカチ問屋が倒産し、同社の経営も悪化し民事再生法の適用を申請した。これをきっかけにOEM事業から脱却し、売上1%も満たない自社のブランドでの再生を目指した。そjの後も欧米の展示会に出展し、販路を拡大。専門家によるコーポレート・アイデンティティーを検討し、ブランド名を統一さらに社名までもこれに変更した。

製品も100%オーガニックとし、タグも化学繊維を使わず、社名変更でこれまでのタオルハンカチから寝具、キッチン用品までも領域を拡大する構想もあるという。

まさに名に恥じない深い信頼を商品を通じて実現し、社会へも貢献している。cloverhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「動画配信の『黒船』生かせるか」から

2015. 9.3  日経産業新聞の記事「動画配信の『黒船』生かせるか」から

日本発信のコンテンツでグローバルネットメディアを目指す

コラムの著者は、国内のコンテンツ業界が「黒船」と恐れるビデオ配信サービスの米ネットフリックスの日本上陸を取り上げ、日本のみならずグローバル展開する同社の戦略について触れている。

○予想を上回る月額加入料金

同社の設定は、¥650(税別)で、競合する有線放送やレンタルビデオ業界に衝撃が走った。また、同社は単にコンテンツを配信するだけでなく、独自ドラマにかける制作費もテレビ局の日本の民放のそれを大幅に超える。

また、コンテンツも日本への配信だけでなく、日本から世界の視聴者に発信するコンテンツも念頭に置いているという。同社は先ごろ芥川賞を受賞した原作なども映像化するという。

日本向けのローカルコンテンツに力を入れるが、同時にそれは、グローバル配信も考えるという一石二鳥の戦略だ。movietvslatehappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:脳科学に見る女性登用の壁」から

2015. 9.1   日経産業新聞の記事「眼光紙背:脳科学に見る女性登用の壁」から

確証バイアスが阻んでいる?

根拠のない先入観を頼りに情報を集め、特定の人の性質を決めつけてすまうような偏見を脳科学では「確証バイアス」というそうだが、コラムの著者は、女性の登用にも企業幹部にその意識があるのではないかと指摘している。

○鹿児島県知事の発言

問題の発言は、

”高校教育で女子に(三角関数の)サイン、コサイン、タンジェントを教えて何になるのか”

と述べたことだという。伊藤祐一郎知事はこれを県教育委員らが参加する会議で発言、女性蔑視と聞こえてしまう。

脳科学者によると、確証バイアスの偏見かもしれないが、偏見で済まされないのは、企業が女性登用を促す女性活躍推進法が成立し、女性管理職の割合などの数値目標と公表が義務付けられたことである。

しかし、多くの課題は経営幹部に女性と男性を分け隔てなく扱う意識の有無に由来する。確証バイアスをどう拭いさるかが企業での課題である。toilethappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「デザインNOW:栓抜き、フォルム新たに」から

2015.9.1   日経産業新聞の記事「デザインNOW:栓抜き、フォルム新たに」から

栓抜きに見えないが新規のデザイン

コラムの著者 柏木 博氏(デザイン評論家)は、2013年から2014年にかけて東京国立近代美術館で開催された「現代のプロダクトデザインーMade in Japanを生む」で紹介された「センヌキデザインプロジェクト」の作品を通じて、あまり使われなくなった道具も慣例的なフォルムを離れて見直すことができることを示している。

○大治 将典氏の棒状「枠」、「三日月」、「日食」

同プロジェクトで展示された大治氏の作品は、一見して栓抜きには見えない。素材は、真鍮で、クラフト風の柔らかい印象とともに、しっかりとした存在感があると、柏木氏は評する。

「枠」は栓抜きとしてだけでなく、壁のフック、ペーパーウェイトなどでも使えそうであるし、「三日月」や「日食」は、ビール瓶に掛けると、おしゃれな演出ができるという。

これまでの栓抜きの、缶切りとの共用や、小さな取っ手の先に楕円状のものがついたタイプといった典型的なフォルムがあったが、このところのペットボトルや缶入りの飲料が多くなったことで栓抜きがかえって、あまり使われないことになったことが幸いし、不思議なフォルムをうんだという。

常識を超えたデザインは意外と日常に潜んでいる。beerhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:メタンハイドレート、環境に優しい発電可能に」から

2015.9.3  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:メタンハイドレート、環境に優しい発電可能に」から

課題はあるが将来の日本固有の資源

コラムの著者 円山 重直氏(東北大学流体科学研究所教授)は、日本近海の海底にある大量のメタンハイドレートからメタンガスを取り出し、日本固有のエネルギー源となることについて語っている。

○高圧かつ低温で安定なメタンハイドレート

日本の海底下に大量のメタンハイドレートが眠っているという。頭部南海トラフ近くだけで、日本の天然ガス輸入量の約5年分の集積があるとも言われている。また、海洋メタンハイドレートからメタンガスを取り出す技術も成功している。メタンガスを取り出すには、熱を加えて温度を上げるか、海底の圧力を下げて地中のメタンハイドレートを分解しメタンガスを採集する。

円山教授らの研究グループでは、メタンハイドレート層からメタンガスを取り出し、海上で発電するシステムを研究しているという。発電の時にできる廃熱を再利用して、海水を加熱し、さらに排出された二酸化炭素を溶かし込んで海底のメタンハイドレート層に再度注入し、二酸化炭素を大気中に出さないシステムである。

将来有望な技術であるが、課題もある。メタンハイドレートは海底の砂層の間に小さな粒となって存在し、それを比較的薄い層に存在するため、石油のように井戸から大量のメタンガスを生産するには工夫が必要だという。

こういった課題が解決されれば、将来有望なエネルギー資源となるには間違いない。yachthappy01