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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:『おもてなし』も国際化を」から

2015. 9.11  日経産業新聞の記事「眼光紙背:『おもてなし』も国際化を」から

日本流のサービス、エチケットは必ずしも世界標準ではない

コ ラムの著者は、五輪準備で訪日客への受け入れ準備が進んでいるが、日本のサービスやエチケットは世界最高水準にあると言われつつも、世界標準ではないことを知っておくべきだという。

○ニューヨークでのエレベーターやスーパーでの「おもてなし」の失敗

エレベーターで、品の良い女性と乗り合わせ、ドアを押さえていたところ、その女性は降りる際に、逆に睨み付けるように出て行ったという。日本ならお礼をいうような態度だが、米国ではレディーファーストはもはや過去の遺物だという。むしろ、彼女は「自分は弱い人間」と差別され、偏見で見られたと思ったらしいという。

ニューヨークのスーパーのレジでは、店員が笑顔を振りまき、身の上話しや世間話をこれでもかと続けるとという。日本では、手際が悪く顧客対応が悪いと言われそうだが、ニューヨークでは、客に親しみを感じてもらうことが最高のサービスと理解されているという。客を尊重し仏頂面でも黙って手際よく処理することを良しとする日本とはかなり異なる。

確かに日本のサービスやエチケットは世界的に高レベルであろうが、それがどこでもだれにでも通用するものではない。やはり、それぞれのお国柄や時流を知った上で、細かい対応が必要なようだ。rougedenimhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行を読む:どこでも動画日常に、映像作り学ぶ場増やして」から

2015.9.11   日経産業新聞の記事「流行を読む:どこでも動画日常に、映像作り学ぶ場増やして」から

識字率から識像率へ

コラムの著者 関沢 英彦氏(博報堂生活者アカデミー顧問・東京経済大学教授)は、世界最大手の動画配信企業ネットフリックスの上陸を機に、動画と日常生活の接近、さらに制作教育などについて語っている。

○携帯電話でのメディアの変遷

初期の携帯電話は、音声だけ、その後メールなどの文章、やがて、静止画像が見れるようになった。そしてスマートフォンでは、どこでも動画をみることができるようになった。

動く動画は、現実に近い体験をもたらしてくれる。現実の世界とは別に、ニュース、ドキュメンタリー、フィクションなど多様な映像の世界にどっぷりとつかれるようになった。通勤途上でも、電車という現実空間にいながら、こころは「映画館」、「ゲームセンター」というもうひとつの「自分空間」に存在する。

動画の効果は、現実に近いことや、見逃してしまいそうな瞬間を取り込むところにもある。こうした動画の力や映像の作り方について学校教育で学ぶ機会は乏しい。小職が務めるデジタルハリウッド大学では専門学校、大学、大学院とこの分野に教育を担っているが、まだまだ教育の普及といった点では、先進諸国には劣っている。

国語で文字を習い、美術で絵画を学ぶように、正課で映像作りを学ぶ時代に突入してきている。識字率から識像率へ時代は変わりつつある。slatebuildinghappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:『王様』に引退はない」から

2015. 9.10  日経産業新聞の記事「眼光紙背:『王様』に引退はない」から

無敗のボクシング・チャンピオン、フロイド・メイウェザーはメディアでも王様

コ ラムの著者は、無敗のチャンピオンが最後のリングに今週末あがるという。引退試合で、王様の年収は3億ドルに上るという。そんな王様はボクシング界だけでなく、メディアの王様でもあることにふれている。

○49戦48勝の実績では大金持ちになれない

フロイド選手の異名は「マネー(金の亡者)」といわれているという。米誌フォーブスがまとめた2015年版のスポーツ選手長者番付では、王様の年収は3億ドル。だが、それは試合に勝つだけでなく、番組を視聴するごとに課金する「ペイ・パー・ビュー(PPV)」の存在が大きい。

米国の視聴者にとってPPVは、当たり前で、日本の「テレビはタダ」という感覚とは程遠い。王様の「世紀の一戦」ではPPVの売上高記録を塗り替えたという。そう、王様はボクシング界のみならずメディア界でも王様であった。つまり、メディアはコンテンツ次第ということである。

米最大手の動画配信サービス「ネットフリックス」が日本でもサービスを開始した。有料配信である。視聴者の意識が変われば、この事業は順調だが、果たしてどうか?tvdollarhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:ブルー・オーシャン戦略、時間の流れ工夫、市場開く」から

2015.9.10   日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:ブルー・オーシャン戦略、時間の流れ工夫、市場開く」から

サービス業や小売業での注意点

コラムの著者 三浦俊彦教授(中央大学商学部)は、2005年、欧州経営大学院(INSEAD)教授のW・チャン・キム氏とレネ・モボル氏の共著で著名になった経営戦略理論「ブルー・オーシャン戦略」をサービス業や小売業に応用する際の注意点について触れている。

○レッド・オーシャンからの脱出には4つの代替案が必要

ブルー・オーシャンに対してレッド・オーシャンとは、血で血を洗う競争が繰り広げられている市場を指し、ブルー・オーシャンは、未開拓市場を指す。自社の強み、弱みを分析し、提供する商品の機能について、

  • 取り除く
  • 減らす
  • 増やす
  • 付け加える

ことで代替案を出すべきだとの主張である。

三浦教授は、さらにサービス業や小売業については、

  • 提供するサービスの共時的なコンテキスト
  • 提供するサービスの通時的なコンテキスト

を考えるべきだという。コンテキストとは、文脈であり、1つのまとまり、コンセプトとも言える。製造業とは違い、サービス業や小売業では、時間的な流れをどう使うかが重要だという。

QBハウスでは、予約・先発.ひげそりなどを「取り除き」、整髪料や雑誌を「減らし」、カットのスピード・清潔さ・値ごろ感を「増やし」、エアーウォッシャーを「付け加えて」、1つのコンテキスト(10分1000円)で共時的なコンテキストを創った。サービスの時間、購買する時間に長さもあるおで通時的な視点も重要である。その上で、上記の4つの代替案を考えることを三浦教授は推奨している。watchhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:争点ぼやける科学技術政策」から

2015. 9.8   日経産業新聞の記事「眼光紙背:争点ぼやける科学技術政策」から

日本の大学はオープンサイエンスに対応できていない?!

コラムの著者は、通信とコンピューター、様々な情報源を活用するオープンサイエンスの台頭が海外で進んでいる中で、第5期科学技術基本計画の争点がぼやけ、2016年度多くの大学で3年目の中期計画の初年度を迎えるなど節目の年になるのに既存課題の克服で手一杯と指摘している。

○ICTを駆使するオープンサイエンス

イノベーション推進を唱えた米国の「パルミサーノ・リポート」も10年が経過し、ようやく日本の科学技術政策にもイノベーション目標が加わった。しかし、世界は、ICTを活用し様々な情報源によるオープンサイエンスを推進している。日本の科学技術政策は、これまでの課題克服で手一杯で、その争点まで達していないようだとコラムの筆者は懸念している。

国立大学の独立法人化と6年ごとに策定する中期計画・中期目標も3期目の初年度で正念場である。大学運営の原資ともなる運営費交付金と教官らが公募と審査をへて研究費を獲得する競争的資金を効果的に進めることは確かに大きな課題だが、オープンサイエンスによって各大学の特色を出すまでにはまだ至っていない。魅力のある研究環境の整備が今後の中期計画では重要だろう。sweat02impactbuildinghappy01