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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:想定外に『折れない』安全対策を」から

2015. 8.4   日経産業新聞の記事「眼光紙背:想定外に『折れない』安全対策を」から

発想が異なる安全工学、レジリエンス工学

コラムの著者 は、レジリエンスの発想を取り入れ、これまでの過去の失敗原因を分析して再発防止をはかる安全工学とは発想の異なる、レジリエンスによる安全確保について触れている。

○レジリエンスとは

レジリエンスは、弾力性や復元力を表す言葉で、心理学者らを中心に「リスクや逆境に適応する能力」という意味で使われることもあるという。「折れない心」とも訳されている。

こういった動きに京都大学の杉本純教授はレジリエンスの発想を原発の安全対策に導入しようとしている。杉本教授はシビアアクシデント(過酷事故)対策の専門家で、まだまだ、震災後4年が経つが、過酷事故の研究は十分とは言えないという。予期しない事故に対応するような柔軟な対策が欠かせないという。現場における訓練の重要性を強調している。

これまでの安全工学が、失敗から原因を分析し、再発の防止に努めるといった過去事例の既知の対策である。未知で未経験な想定外の事態にどう対応するかはまだだという。

間も無く再稼動する九州電力川内原発も火山対策の脆弱性が指摘されている。レジリエンスもふくめ多角的な対策が欲しいところである。sweat01happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「マニュアルNOW:万年筆やさしく道案内」から

2015.8.4  日経産業新聞の記事「マニュアルNOW:万年筆やさしく道案内」から

取扱説明書がユーザに豊かな体験をする情報を提供

コラムの筆者 高橋 慈子氏(テクニカルライター)は、パイロットが税別1,000円と手頃な価格で2013年10月発売した万年筆「kakuno(カクノ)」の取扱説明書を取り上げ、製品の基本的な使用法から応用まで広げる情報を提供していることについて語っている。

○万年筆初心者がターゲット

最近のスマートフォンの流行で逆に手書きへの関心が高まっているという。同製品も、当初のターゲットは小学校高学年層だけでなく、手書きを楽しむ20代から30代へユーザーを広げているという。

『ジュニア世代向けながら、しっかりした機能を持つ商品。万年筆を道具として使ってもらうための入り口になるよう、すべてを丁寧に説明した』

と同社の営業企画部主任 斉藤真美子氏はその狙いを語っている。取扱説明書にあたる『やさしい万年筆kakunoの使い方』では、

  • キャップに開け方
  • カートリッジの差し込み方
  • 水洗いの方法

などをイラストではなく、写真を利用。

  • 好みの色が使える(色彩雫;Iro shizuku)
  • インク瓶からのインクの入れ方

も説明。万年筆をどう使うか、基本操作の方法を示して自分の好きな使い方を伝えている。ユーザの利用をより豊かにするために取扱説明書が利用されていることが注目である。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:記憶に残る野心的研究者」から

2015. 8.3   日経産業新聞の記事「眼光紙背:記憶に残る野心的研究者」から

レーザー発振を世界で初めて成功させたメイマン博士

コラムの著者 は、米ヒューズ・エアクラフト社の元研究主任、セオドア・H・メイマン博士の野心的な行動について触れている。

○不正ではないが不当な発表

 こう語るのは、日本でレーザー研究を創始した一人、霜田光一氏(東京大学名誉教授)である。94歳の高齢にも関わらず、東大駒場キャンパスでのセミナーで、当時の経緯を語った;

メイマン博士は成果を論文掲載までに記者会見で発表。信頼できる論文が出たのは1961年になってからで当時は懐疑論があったという。この遅れは米ヒューズ内部の問題とのこともあるが、「研究不正ではないが不当な発表だった」と振り返っている。

ただ、メイマン博士は、野心的で未踏の研究に挑んでいつことは当時から有名だったという。impacthappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:本質を見抜くには、要素洗い出し順位付け」から

2015.7.31  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:本質を見抜くには、要素洗い出し順位付け」から

物事は難しく考えるから難しくなる

コラムの著者 和田 昭允氏(東京大学名誉教授)は、本質を見抜いた研究者は難問題をやさしく解説できると語った。さて、その方法とは?

○米ハーバード大学での講義から

優れた研究者は問題の本質を見抜き、難題を易しく説くとという。和田教授もこのコツを米ハーバード大学で受けたピーター・デバイの講義で会得したという。デバイの研究は、固定の比熱に関するもので、デバイの比熱式、エックス線解析のデバイーシェラー法、デバイーヒュッケルの強電解質溶液理論など、その名のついた歴史的業績を次々と出し、36年ノーベル化学賞を受賞した化学物理学の巨人であるという。そのデバイが難問に対しての説明の時、「とても易しいことなどだよ!」と、重要な現象を真正面から取り込み、不要な点は遠慮なく切り捨て、その本質をズバリとつく明快な解釈を下すという。

それでは本質を見抜くにはどうしたら良いのか。本質は、当然考えている物事の諸要素の中にある。だから、すべての要素を洗い出し、その中で重要性の順位付けを行って見つけていくものである。このような方法にたければ、本質自身は難しいものではないという。sweat02impactsign01happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:シリコンバレー拠点置く意味」から

2015. 7.30   日経産業新聞の記事「眼光紙背:シリコンバレー拠点置く意味」から

国内での情報入手が容易に

コラムの著者 は、このところ、日本企業のシリコンバレーでの調査・開発拠点が拠点を見直し縮小しようという動きがあると語っている

○拠点の存在価値

現状も世界のICTの先端をいく起業家の集まりであるシリコンバレーだが、日本企業の拠点を見直していこうという動きの背景が2つあるという;

  • 容易になった情報収集
  • 米側の日本市場への関心の低さ

があるという。

多くの企業はネットで情報を開示しており、大半の情報は国内にいても入手できる。もっともシリコンバレー内のネットに掲載されないインサイダー情報は、日本人が入手するのは困難であるという。

米ベンチャーの日本市場に対する興味の低さである。考えれば欧州を含め英語圏の経済も持ち直し圧倒的であり、さらに、中国がそれに次ぐ勢いを持っている。日本よりも英語圏や中国をベンチャーが狙うのは当然であろう。

こうなると拠点の位置付けが以前より低くなっている。いま拠点は受信アンテナであるだけでなく、送信アンテナの意識も必要となっている。impacthappy01