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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:苦境続く東芝の原発事業」から

2014. 5.16  日経産業新聞の記事「眼光紙背:苦境続く東芝の原発事業」から

海外勢から逃げ遅れたか?

コラムの著者は、東芝の原発事業が福島原発事故後追加投資を中断したままで、海外の受注活動もとん挫しているものが増えてきている。

○『原発は商業的に成り立たない』と断言するGEのジェフ・イメルト会長

2013年3月期に東芝の原子力事業で約600億円の営業利益下げ押しが発生。東芝は新しい出資者を探しているが3年間見つからない状況である。

欧州では、東芝傘下のWH(ウェスチンハウス)の受注が有力視されていたチェコの原発増設計画が4月に暗礁に乗り上げた。英国では原発増設計画が進みはしているが、EUが英政府による高額の電力価格保証は公平な競争を阻害する「国家補助」に当たるとして審査を開始。これが違反とされれば、またまた計画が宙に浮くことになる。

独シーメンスも3年前に原発事業から撤退。GEも上記にあるように商業的な採算が合わないとしている。東芝はこういった状況で逃げ遅れたのではないかというのがコラムの著者の見方だ。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行を読む:東南ア進出、中小にも広がる」から

2014.5.16   日経産業新聞の記事「流行を読む:東南ア進出、中小にも広がる」から

進出先の人材教育を受託する企業

コラムの著者 面川真喜子氏(マーケットプランナー)は、中堅日系企業の進出が著しいタイで人材研修サービスを提供しているバリューイノベーション(東京・千代田区)を通じて、人材教育の重要性を示している。

○現地人とのコミュニケーション

タイ人従業員の教育は、経営者の悩みの種。中小企業の場合、国内でも、人材教育にまで手が回らない状況で、まして、海外では戸惑うことも多いという。

バリューイノベーションは、こういった悩みにこたえるもので、現地タイに法人を作り、日系企業での勤務警官が長いタイ人インストラクターが、日系企業で働くタイ人従業員向けにセミナーを行うもの。

日系で重視される「報告・連絡・相談」(ホウレンソウ)やビジネスマナーを現地向けにアレンジして研修を実施している。面白いことに、日本側でもホウレンソウをきちんと理解していない場合も多く、その理解を促すとともに、ホウレンソウによる個人の利点などをタイ人に理解してもらう。結果、円滑なコミュニケーションが徐々に出来上がることで、自社製品の品質向上などが図れるようになれる。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:大学の『改革偏差値』」から

2014. 5.15  日経産業新聞の記事「眼光紙背:大学の『改革偏差値』」から

自己改革力のレベルアップが決め手

国内の700を超える大学で国公立、私立に関係なく経営は苦しい状況にあるという。コラムの著者は、少子化する中で、社会と志願者のニーズに合わせて自己改革する力を大学が示す必要が出てきたことについて語っている。

○大学経営の厳しさ

大学経営の根本は志願者数である。志願者数が減れば受験料収入は減り、定員割れを起こせば収支は赤字に転落する。志願者倍率の低下は、偏差値の低下につながり、大学のブランド力の衰弱となる。

志願者減でも偏差値を保てればよいということは、企業で言えば売上減で利益率を保つに等しい。長期的リスクが高まる。各大学ともブランド力を維持するため、イメージ戦略などをとるが成功事例は少ないという。成功している大学は、「新規学部、既存学部の継続的な改変を常に行っている」という共通性があるという。

新生学部となれば少子化に対して無謀に聞こえるが、新生学部で志願者を増やし、既成学部をこれに応じて統廃合して改変しなれば、すぐに動けない、内部の反対勢力を抑えられないといった事情があるようだ。これまで日本の大学は受験偏差値で判断されてきたが、これからは自己改革のレベルを示す改革偏差値が重要となるかもしれない。buildinghappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:効率的なキッチン、観察が生む新市場」から

2014.5.15   日経産業新聞の記事「西川英彦の目:効率的なキッチン、観察が生む新市場」から

利用環境の観察が新市場を生む

コラムの著者 西川英彦氏(法政大学経営学部教授)は、TOTOのシステムキッチン『クラッソ』の開発秘話によって顧客の利用環境での観察が重要であることを説いている。

○調査で分かった「効率重視」のキッチン

2008年に行った利用者の調査で「テキパキと効率的に使えるキッチン」との声が強かったという。ここでの効率とは何かと開発チームに疑問が残った。

そこで訪問調査を実施。浮かび上がった理由が『時間を作りたい』といったものであった。さらに、利用環境、つまり食材を持参して調理から片付けまでを観察し、多くの無駄時間があることが見えてきた。そんな中で、ほとんど動かずに作業をしている神業のような顧客がいた。しかも、驚くことにその本人に効率的に作業を行っているすごさの自覚がなかった。これではアンケートでは浮かび上がってこないはずである。

こうした観察から、『スイスイ設計』というコンセプトが生まれ、具体的に、幅広のシャワー水詮で節水にも役立ち、汚れをさっと洗い流せる『水ほうき水詮』が生まれたという。同社の工夫はこれにとどまらず、観察を継続するために、ご愛用者アンケートの返信者で訪問調査の許可を得た顧客に、継続的な観察を行っているという。常に観察することで、ふとした発見につながり、新市場の開拓になる。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:戦艦大和とソニーの機能美」から

2014. 5.14  日経産業新聞の記事「眼光紙背:戦艦大和とソニーの機能美」から

製品も会社組織も機能美を作り続けることは難しい

コラムの著者は、先月、艦内で使われた黒板が見つかったという旧日本海軍の戦艦『大和』とソニーが4月に発表した「楔形」液晶テレビを通じて、両社が追いかけた機能美について触れている。

○戦艦大和の機能美

 艦内の黒板が見つかっただけでこれだけ話題になる大和。その理由は、コラムの著者によると、この軍事技術の塊が、優れた建築物や自動車、家電製品が備える機能美を醸し出しているからだという。

 『形態は機能に従う』(ルイス・サリヴァン氏:米国の建築家で石造建築に対して鉄骨の高層ビルを設計し名を上げた)。このフレーズの意味は、機能を重視すれば、それに相応しい姿が生まれるということだ。大和の場合、武装とデザインが混然一体となって大鑑巨砲主義の象徴となった。

機能美は現代の製品にも生きている。コラムの著者が示したようにソニーは新型液晶テレビにV字型の楔形を採用し、厚みのある部分に音質重視のスピーカーを搭載した。テレビ不振に悩む同社はデザインと機能を両立させたと訴えている。

ソニーを凌駕したのは米アップル。もともと同社は自由闊達な社風といわれてきただけに、組織も機能美をもって大企業病とはおさらばしたいところであろう。tvhappy01