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2013年10 月

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:(西郷+大久保)÷2=『稲盛』」から

2013. 10.15  日経産業新聞の記事「眼光紙背:(西郷+大久保)÷2=『稲盛』」から

幕末の二傑に学んだ日航再生の英傑

コラムの著者は、1990年ごろに京セラの稲盛和夫会長(当時)に幕末の二傑である西郷隆盛と大久保利通から学んだという逸話に触れている。

○薩摩藩の二傑の評価

稲盛氏が学んだ幕末の二傑。ただ、人物評は、すこぶる大久保氏が悪い。地元でも今も西郷氏を尊敬はするが、大久保氏に対しては微妙だという。

要因は、西南戦争での大久保氏の処置が、怜悧であり非常だというイメージから来るという。だが、稲盛氏は、京都で起業した際に大久保氏の凄みを知ったという。政局に関わり、公家を巧みに操り、暗闘の中で、薩摩優位の政治情勢を作り上げた。西郷氏一人では近代国家たる日本は無かったかもしれない。

稲盛氏自身も日本航空の再生で、「公家集団」と称された日航幹部を見事に御したところなど大久保氏の思想があったかもしれない。

大久保氏は、徹底した合理主義者で、故郷のしがらみでさえ断ち切った。稲盛氏は、表では西郷氏の顔を押し出すが、要所要所で見せる顔は大久保氏のそれだったようだ。稲盛氏も二傑に勝るとも劣らない人材である。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:モノではなく人を創る」から

2013. 9.26  日経産業新聞の記事「眼光紙背:モノではなく人を創る」から

発祥の地から人を生む

コラムの著者は、コマツの発祥の地である小松工場跡地にできる「サイエンスヒルズこまつ ひととものづくり科学館」について語っている。

○JR小松駅前に出現した近未来的な建物

同科学館には、3Dシアターを備え、ものづくりを体験できるコーナーもあり、金沢大学や地元企業と協力して、子どもたちにものづくりの魅力を伝える施設である。起業家を支援するインキュベーション施設もあるという。

もともと、この施設の用地は、コマツの発祥の地で小松工場があった。自動車工場などで使うプレス機の主力工場であったが、リーマン・ショック後受注が激減し、2013年3月に閉鎖したものである。世界のコマツも発祥の地を守れなかったと見ると製造業の窮状を示すようだが、ここではもはやモノを創るのではなく、人を創るという目的に変わった。

更に工場跡地の「コマツウェイ総合研修センタ」を人材育成の拠点にしている。同科学館では、展示している企業の「現物」を見ながら子どもたちに夢を託す。子どもたちへの投資というわけである。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:かばんのエース」から

2013.10.10  日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:かばんのエース」から

鞄を軸に直営店

コラムの著者 高岡美佳氏(立教大学経営学部教授)は、今月10日に東京・原宿でニューヨーク生まれのトラベルコンセプトストア(FLIGHT001)を開く、かばんの大手エースのマーケティングについて語っている。

○米国人気ブランドを使う理由

高岡教授によると、同店舗は米国を中心に世界に20店舗あり、日本第1号店を原宿に開く。取り扱うアイテムは千点以上、その内容も旅行カバンの他、デザイン感度の高いネックピローなど航空機内で使うモノやスーツケース内の収納を助けるパッキンググッズなどもあるという。

旅行先や旅行の目的、滞在期間別におすすめグッズの組合せを提案できることはマーケティング的にも有益だという。原宿選定の理由は、発信力の高い人が集うところであることでブランドの認知を高めたいからだ。2014年中には約10店舗、2017年度末には40店舗をエースの直営店で開く予定で、かばんをコモディティ化しない手段である。

統計的にも旅行客数は増加傾向にあり、旅のスタイルも多様化している昨今の状況に対応、国内トップレベルのラゲッジメーカーのエースが、バッグなどに合わせて多種多様なグッズを直営店で手掛けるという。企画全体は米国であるが、バッグやラゲッジ類はエースの企画した商品を取り扱う。ノウハウの共有と米国での開発、日本で先行発売など技術を上手くマーケティングできそうだ。airplanehappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:問われる問題発覚時の初期対応」から

2013. 10.9  日経産業新聞の記事「眼光紙背:問われる問題発覚時の初期対応」から

コラムの著者が、最近 大手企業のトップがトラブルの認識や発覚後の初動が鈍いと批判している。

○イオンの中国産米混入問題

7日に中間決算の記者会見が開催されたが、肝心の国産米使用のお弁当やおにぎりに中国産米が混入した理由の説明がなかったという。経営状況の説明に終始し、何か記者側も原因やチェック体制の状況などの説明を待ち望んでいたが空振りだったようだ。

○カネボウ化粧品の白斑問題、ソフトバンクモバイルの信用情報誤登録、みずほ銀行の暴力団構成員への融資など続く不祥事

何れも経営トップの陳謝や事情説明は遅く、ネガティブなことを真正面から受け止められないトップとその取り巻きと、コラムの著者の批判は厳しい。明確な説明がないと反って、ネガティブな憶測が飛び交うようになる。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:ネットの学習コンテンツ、草の根から新世界広がる」から

2013.10.9  日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:ネットの学習コンテンツ、草の根から新世界広がる」から

 ネット上で広がる草の根教育

コラムの著者 岩崎博論氏(博報堂ブランドデザイン ステラテジックプランニングディレクター)は、草の根で始まったネット上の学習コンテンツが米国で発展し始めていると述べている。

○「カーン・アカデミー」

米国ボストン在住のサルマン・カーン氏がネットを使って遠隔地に住むいとこに数学を教えていたことが契機となり、発展したもの。当初はヤフーのお絵かきサービスで数式を書きながら教えていたという。他の親戚や友人に評判が良かったので、この手書き講義を録画してYouTubeで投稿した。その後アクセスが急増して、カーン氏は勤め先を辞めて、この講義ビデオを配信するためのNPOを創った。今では一大教育サイトとなっている。

○「コード・アカデミー」

JavaScript、PHPといったプログラム言語をチュートリアル形式で段階的に学べる。20~30分程度で終了する課題に取り組みながら、学習できる。

○「インストラクタブルズ」

ものづくりを学べるもので、チュートリアルはユーザの投稿で、電子工作、料理、スポーツ等あらゆる物事の「やり方」が紹介されている。投稿には他者のコメントも書き込め、感想も共有されている。米CADソフトの大手オートディスクに買収され、3Dプリンターなどのデータも充実しているという。

 

米国の草の根教育サイトは、無料から始められ、学習の単元が小さく分割されていること。好きな時間に好きなところから始められること。日本にはまだ数少ないが今後成長が期待される分野だ。happy01