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2012.2.24  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:再発明の意義、21世紀型の技術革新促す」から

再発明が産業史を塗り替えてきた事実

コラムの著者 志村幸雄氏(技術評論家)は、最近よく耳にする『再発明』について言及し、イノベーションの一形態であることを示している。

【イノベーションは革新的な新規の発明だけではない】

  • 志村氏が示す歴史的な事実:
  • 蒸気機関の発明者はジェームズ・ワットとされているが、実際は、英国のトーマス・ニューコメンが発明した機関に復水器を取り付け、熱効率の改善を図ったものであるという。
  • 『再発明』が蒸気機関の実用化に決定的な役割を果たしたからという。
  • 電気自動車からiPhoneまで
    • 19世紀に電気自動車はすでに発明されていたが、鉛蓄電池に課題があり、普及にまで行かなかった
    • 鉛蓄電池の短所を補うリチウムイオン電池の時代を迎えて、一気に開花した再発明である。
    • 米アップル社はソニーのウォークマンをiPodに変換し、iPhoneまで再発明した。
  • 志村氏の再発明の定義
    • 『先行発明では実現し得なかった製品構造や機能に、新しい技術や設計思想を付与し、製品の完成度を高めたもの』
    • 再発明が話題になるのは、革新的な新発想が生まれにくいという事実がある。志村氏の調べでは、G・R・テイラーの指摘では、発明の世紀と言われた20世紀においても、大発明の多発期は50年代までで、60年代以降は急速に減少している。新規発明が生まれないなら、改良型の再発明に頼ることになる。
    • 産業史や技術革新は必ずしも未知の領域から生まれるものではない。
    • 筆者が以前述べた「温故知新」に改善や既存技術の組み合わせから生まれてくるメカニズムがある。

再発明も実は革新型以上に生み出すのは難しい。しかし、再発明は多くが現場での知見が多いにネタになっている。モノづくりの原点はやはり現場に在り、世界でも屈指のモノづくりはやはり日本だと言いたい。happy01

 

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