Previous month:
2011年9 月
Next month:
2011年11 月

2011年10 月

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:スマホ修理店、米で今日成長」から

2011.10.7   日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:スマホ修理店、米で今日成長」から

速い、安い、うまいの手堅いVB

コラムの著者アークメディア社長の竹内道氏によると、スマートフォンが個人の生活必需品になることで、すぐ直してほしい、といった要望に応えた米国のVB、UBREAKIFIX(You break, I fix; あなたがこわしたら私が直しますという会社名)が成長しているという(▶ 参考):

【業務のフロー】

  • 店舗またはインターネット経由での修理依頼(店舗での修理がインターネットより20倍多い)
  • 診断(0.99ドル)
  • 修理(30分~2時間)
  • 修理費(10~149ドル)
  • 対象機種:iPhone、韓国LG、台湾HTCのスマートフォン

【起業】

  • 動機:2009年、ジャスティン・ウェザーリル(CEO)氏がiPhone 3Gを落として画面を割ってしまう。修理を自分で始めたのがきっかけ。
  • スマートフォンの場合、自分の使いやすい状態を復元するのに時間がかかることや写真、映像などの大切なコンテンツを失うこともあることから、即修理の希望が多い
  • オーランド(フロリダ州)を一号店として、シカゴ、ロサンゼルスなど約2店舗。
  • 売上: 09/ 50万ドル、10/ 600万ドル(借入金ゼロ)

日本の商店街に必ず電気屋さんがあってTVや家電の修理をしていたが、今度は情報家電の時代かhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:ビッグデータにビッグな商機」から

2011.10.5   日経産業新聞の記事「眼光紙背:ビッグデータにビッグな商機」から

大量データも本当に宝の山か?

コラムの著者は、ソーシャルメディアやクラウドサービスに起因する大量のデータ、ビッグデータを取扱い付加価値を付けるビジネスに、ビッグな商機を感じるという。

確かに、マーケティングで重要な顧客のニーズの把握は、ソーシャルメディアの「傾聴」から分析し、そこから得たヒントで、商品開発やPRをひねり出すことになろう。社内の基幹情報である人事や取引先、財務情報もクラウド化で巨大なデータベースに蓄積、再利用されるだろう。

分析はこれまでミクロ的であったが、今後はマクロ的な傾向や志向といったレゾナンスを得る必要がでてくる。コラムではデータマインイングを取り上げているが、テキストマイニングや複雑ネットワークの技術を駆使した「経済物理」も今まで以上に脚光を浴びることになる。

話は変わるが、ビッグデータも都市鉱山も良く似た視点が背景にある。掘り起こせば見つかる宝(情報、レアアース、レアメタル)。ただ、その前にエコや情報セキュリティーの前提があることを忘れてはならない。ビッグデータのほとんどが活用されず、機密情報の漏洩源となっては、元も子もない。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「グローバル人材、育成モデル④」から

2011.10.6 日経産業新聞の記事「グローバル人材、育成モデル④」から

モノづくりからヒトづくりに賭けるサムソン電子

コラムの著者 プライスウォーターハウスクーパーズマネージャー 北崎茂氏が取り上げる企業は、今やソニー、パナソニック、東芝、日立製作所といった日本の大手メーカーの実績を合算しても及ばない韓国サムソン電子である。 同氏は、悠長な話と一蹴する人財育成プログラム「地域専門家制度」に焦点を当てている。

1900年代に始まった同制度。対象は入社3年目以上の課長代理クラス。1年という期限付きではあるが、外国で自由に生活しながら語学を学び、地域を調べ、人脈作りに努める。このクラスは日本企業では若手の実力者候補で、海外に出すなんて考えられないし、悠長に見える。サムソンは、これを継続。60カ国、700以上の都市をカバー、延べ4千人以上を派遣。また、その投資も生活費も含めると年間約八百万円。単純計算では、サムスンは、「悠長な話」に320億円以上の身銭を切った。結果、失われた10年という日本企業を尻目に、近年の急成長を成し遂げている。

この制度で、多くの調査レポートはもちろん、生の現地情報を聴ける人脈を獲得し、現地通駐在員として制度が終わった社員が再び派遣されるという。新興国でのビジネスの勝敗は、その国の文化や生活を知りつくしていることにある。まさに、受け身の人事とは異なって、「モノづくり」から「ヒトづくり」に賭けていると言える。果たして、我が国はどうか?happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:ネット使い学生が商品企画」から

2011.10.6 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:ネット使い学生が商品企画」から

競争は創造性に有効かを検証する学生参加の商品企画実験

コラムの著者 法政大学経営学部教授 西川英彦氏が、紹介するのは、商品企画学生選手権「Sカレ」の事例だ。(▶参考)インターネットを利用して商品を企画する。ユニークなのは:

  • 企画提案がゴールではなく、商品化が目標である
  • 最終報告会までの商品企画の段階で公開され、ライバルの提案も分かり、消費者との対話も可能である。

つまり、商品企画の段階で意図的に競争を行い、創造性を駆使して、どのような結果(商品)を出すかが勝負となる。

この活動の効果は、ダイナミックな相互学習ができる点だ。例えば、サイトや画像・動画の制作、試作品の製作の技術開発、SNSの使い方、観察法やアンケートの取り方が実践で学べる点にあるという。

西川教授が指摘するのは、このような手法を企業でも応用できないかということである。ゴールでの顕彰も重要だがプロセスを見せることでの刺激は大きい!


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「マネジメントの肖像⑲ジャック・ウェルチ」から

2011.10.5 日経産業新聞の記事「マネジメントの肖像⑲ジャック・ウェルチ」から

約100年企業の米GEで事業再編と現場改善の両立を成功に導く

コラムの著者 ブース・アンド・カンパニー ディレクター岸本義之氏が示す今回の人物は、100年企業の米ゼネラル・エレクトリック(GE)で社内昇格の9人CEOの一人、ジャック・ウェルチ(▶参考)である。

Jack
彼を含め、GEの歴代社長は社内の生え抜きであり、100年の優良企業として稀有なGEは、ジャック・ウェルチがCEOに就任したころ、大企業病と言われる停滞感に見舞われ続けていた。

45歳の若さで抜擢されたウェルチは、停滞感の打破のために、多くのM&Aを断行する。事業の構造をダイナミックに変化させることと、徹底的な人員削減(ダウンサイジングといった)を行い「破壊者」の異名をとった。

それだけではなくウェルチの優れていたところは、ワークアウト活動の導入、シックス・シグマ手法の導入がある。この2つで、ウェルチは、「破壊者」から「創造者」に変身したという。

【ワークアウト活動】

・タウン・ミーティング:現場改善

  • 職場ごとに全員(100名単位)を一か所に集め、職場の問題点を詳細に討議する。その際職場の責任者は不在。
  • まとまったところで、責任者を登場させ、以下を選択させる:
  • 従業員の意見を取り入れる
  • 拒否する
  • 詳しい情報収集を行う⇒この場合は、チームメンバーと期限を明示する
  • 効果:
    • 中間管理者の仕事の無駄を取り除く
    • 現場の問題を解決する
    • 従業員のキヅナを強める

【シックス・シグマ】

・日本のQC活動を模範として、統計的管理手法を導入、米モトローラが開発し、GEが広めた

・品質のばらつきを100万回の作業で不良品のでる確率を3~4個に抑制する(標準偏差σの6倍の範囲より外に出る個数、6σ)

思い切った事業再編と同時に全社で努力して現場力を向上させた点であり、日米欧でもGEのような事例はないという。