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2011.9.1   日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:チャレンジャーの戦略」から

伝家の宝刀「同質化対応」に対抗するには相手の強みを弱みに変える

コラムの著者 中央大学商学部の三浦俊彦教授は、前回の「同質化対応」という圧倒的な経営資源を持つリーダ企業の戦略に対して、チャレンジャー企業が対抗する場合の戦略について触れる。

【リーダー企業の強みを弱みに変える】

通常の企業間競争では、相手の弱みを攻めるのが常套手段である。だが、リーダ企業には攻めるべき弱点が少ないというところが課題である。そこで発想の転換をして、弱みを攻めることをやめ、「強みを弱みに変えて攻める」。

強いが故の弱みとは、コラムによると、例えば、リーダー企業のユーザー数の多さである。ユーザーを裏切らないために、本来採るべき戦略に踏み切れない足かせがある。

【リーダー企業も変節する】

強みが弱みになるという発想を更に展開すると、リーダー企業も足かせが生じた時が、変節、つまり危機の始まりとなる可能性がある。メーカーであれば、流通チャネルの大きさや細かさが重要で、これによって業界をリードしていたとしたら、この流通チャネルを支えるコストが販売力を上回った瞬間、重荷になる。インターネット販売などは、足かせのないベンチャー企業などが参入しやすく、身軽であるがゆえに、大手のリーダー企業にはできない強みがでてくる。リーダ企業は、これまでの販売系列との調整が必要で動けない場合もあるわけだ。持つことの危険性がここにあると言える。

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