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2011.5.30 日経産業新聞の特集記事「Google覇者のジレンマ、ネット企業の興亡(下)」から

かつてのMS、今はグーグル

前回のコラムでは、米グーグルが大企業病にかかったのではないかといった社内の課題について語っていたが、今回のコラムでは、市場と当局の風圧が強い社外からの課題だ。

創業者自らが大きな議決権を持つことで有名なグーグル。上場時に株主による経営への介入を嫌った結果だ。グーグルの共同創業者ラリー・ペイジ氏は、上場前にその消極性でも有名であった。このシリコンバレー流ともとれる考えが、市場関係者との摩擦を生む。また、技術先行型の同社は政府の規制に対しても神経を高ぶらせている。同社のサービスの著作権とプライバシー問題で、当局の批判の矢面に立たされ、企業買収を仕掛ければ独禁法当局のモノ言いがつくという。かつての米マイクロソフトを思い出す。

事業の拡大期には費用が先行するといった体質や未知の分野に踏み出す際に規制当局と摩擦を生むことは、IT企業の宿命のようだ。ただ、グーグルの規模は上場前の姿ではなく、企業としてのビジョンが経営トップに必要とされるところにまで来ている。その自覚がないまま成長してきたともいえそうだ。

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