利用例

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:ベトナムの電子決済、日本の先を行く可能性」から

2023.9.8   日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:ベトナムの電子決済、日本の先を行く可能性」から

キャッシュレス決済で「リープフロッグ(蛙跳び)」現象が起こる可能性

コラムの著者 三浦 俊彦氏(中央大学商学部教授)は8月末日本と同様に現金信仰が強いベトナムのを調査し、同国と日本のキャッシュレス化を考察している。

◯社会主義基盤である全国民の個人番号制度を利用

 三浦教授によればベトナムのスマートフォンなどによる電子決済は、みずほ銀行などが一部出資する「MoMo」が5割のシェアをもち、ついでLINEペイのような「ZaloPay」、東南アジア配車サービス最大手のグラブ系「GrabPay」などがあるという。とはいえ、日本と同様現金を使う人が圧倒的に多く、2019年の現金決済率は、MoMo資料から

  • 米国:30%
  • 中国:34%
  • 日本:78%
  • ベトナム:80%

となっている。さらに電子決済のアカウント開設に必要な銀行口座の保有率は2018年で

  • 日本:97〜98%
  • ベトナム:31%

と低い。販売チャネルでは露店や市場、屋台型飲食店などが多くキャッシュレス化が進んでいない。

このようなマイナス情報を見方を変えれば、キャッシュレス決済比率は日本とほとんど変わらない状態で今後の成長性を秘めている。さらに社会主義国なので、14歳以上の全国民に個人番号を割り振った「身分証明書」が発行されている。社会のデジタル化に不可欠な個人ID基盤がすでにある。ホーチミン市などではグラブの自動車やバイクも多く、移動に対するデジタル決済は日本の先を行っている。つまり、販売チャネルの整備、金融機関との連携がうまくいけば一気にキャッシュレスが進む環境にあるといえる。こうした既存の技術を飛び越して最新技術に跳躍する「リープフロッグ」現象が新興国ではよく見かけられるが、日本のように旧来の制度やシステムに固執している間に変革が遅れる事態がある。ベトナムのキャッシュレス文化はリープフロッグの可能性を秘めているという。🚗🏍️📱🏦💵👕🧼📖👚📰✏️🗒🍷💻🏢⚡️📖🎓🔎🌏happy01🇯🇵🇻🇳


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「WAVE:LLMで変わるデータ戦略」から

2023.9.7  日経産業新聞の記事「WAVE:LLMで変わるデータ戦略」から

プロンプト(LLMへの指示文)が参照データとして活用できるデータが必要

コラムの著者 辻中 仁士氏(ナウキャストCEO)は、話題のLLM(大規模言語モデル)が企業のデータ戦略に与える影響で3つの方向性を示している。

○LLMに対応したデータ戦略で差がつく企業の競争力

 辻中氏が示す3つの方向性とは、以下の通りである:

  1. 非構造化データのデータ蓄積と統合管理:これまでマーケティングなどでデータを利活用する際に購買データなど構造化データが対象であった。さらにこれらをどう統合管理するかが課題であった。テキストファイルや画像ファイルのような非構造化データを扱うには専門的な画像処理・自然言語処理といった開発コストのかかることで見送られてきた。LLMによってこうした処理にかかる時間が大きく削減でき、社内の議事録やFAQなどのテキストファイルを蓄積・管理できればLLMとの連携で、業務上のコンテクストが分かった上で様々なアプリケーションが開発できる。
  2. 少量データの業務活用:これまでデータ活用は「ビッグデータ」と呼ばれたように量の大きさが重要であった。時系列予測や傾向分析など、少量データでは意味のある予測や分析ができなかった。しかし、LLMは前提として大量データの学習(コンテキスト内学習)が事前に行われている。LLMに与えるデータが少量であってもコンテキスト内学習で十分な応答が得られる。
  3. 個別のユーザー・顧客の行動分析:これまでよりも飛躍的分析が容易になる。解像度もセグメントではなく個人レベルまで上げることができる。人間の認知能力や社内リソースの制限で、個別のユーザー・顧客を分析することよりもセグメントでの集計や分析よっていた。LLMには原理的に認知能力や社内リソースの制限がない。個別のユーザのデータさえ与えれば個々の行動を深く分析してくれる。

ここまででわかるように、企業のこれまでのデータ戦略を大きく変えねば、競争力に差が出ると、辻中氏は語っている。💲💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:社内提案、分野外も、革新生む異種の知識」から

2023.9.1  日経産業新聞の記事「西川英彦の目:社内提案、分野外も、革新生む異種の知識」から

提案書は現場社員とのコミニュケーションの1つの手段

コラムの著者 西川 英彦氏(法政大学経営学部教授)は、社内アイデアコンテストを始めたものの年々応募が減少しマンネリ化して苦労している企業も多いが、その継続のコツを三菱電機ビルソリューションズのケースにみている。

◯社内の創造性にとって大事な交流と位置付け

 三菱電機ビルソリューションズは、エレベーターや空気調整機などビルの設備の開発、製造、保守などを手掛けている。西川教授によれば、同社の社内提案制度は約1万3千人の社員は業務に関係なく何にでもアイデアを思いついたら、いつでも提案可能である。タイトルや問題点、改善案などを書いた提案書を所属長に提出する。この段階で報奨金がもらえるという。提案は年間1万件程度あるという。

その後所属長と提案者が対話し、内容をさらに磨く。これが1次評価となり、効果あるものは支社で展開。提案のうち6%は、全社展開可能として、本社の技術や管理などの主管部門に提案される。さらに優れたものは支社審査により特級アイデアとして認定される。こうした評価を参考に、本社の主管部門が、社内での標準化するかを検討し、提案者に回答する。採用できないときはその理由をフィードバックする。年に1回、主管部門より優秀提案賞と優秀改善賞が表彰され、特許取得にまで至るという。

同社はこのアイデアコンテストで50年以上継続しており、効果を発揮しているという。この制度の優れている点は、西川教授によれば、

  • 提案のハードルが低く、応募しやすい
  • 分野外の提案もできる。異種の知識を関連付けて革新的なアイデアを生み出す
  • 回答や賞などのフィードバックがある。モチベーションの向上や学習効果が働く

さらに、同社は提案書を現場社員とのコミュニケーションと捉えて、創造性の醸成に必要な異種の交流があることである。🥇🏆🛗💡🔧🛠️📱🍟🏥📷💻🍺🦠🎓🏢📈🔎⚡️🌍happy01📶👦👧💡🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:テスラの『隠し玉』」から

2023.8.25  日経産業新聞の記事「眼光紙背:テスラの『隠し玉』」から

隠し玉の1つはAI応用?!

コラムの著者よれば、EVの値下げ競争でテスラが攻勢を強めているという。その背景に主戦場である中国でEVの販売競争が激しくなり、魅力的なデザインのEVスポーツカーが各メーカーから登場し差異化が難しくなってきたことにある。さて「隠し玉」の正体は?

○イーロン・マスクCEOの新結合によるイノベーション

コラムの著者によれば、値下げ攻勢をかけたテスラは2023年4〜6月期の販売台数が1年前の1.8倍で売上高は過去最高を更新し最終増益であったという。値下げによる利益率低下を販売増加で補い、マスク氏も企業価値はまだまだ上がると自信を示した。

テスラの値下げは競合他社である既存の自動車メーカーから魅力的なデザインのEVスポーツカーが各メーカーから登場してきており、差異化が難しいとの判断だという。

だが、いつまでも値下げを続けるかというと、マスク氏のこれまでの「新結合」によるイノベーションを振り返ると、新しい組み合わせとして、AI技術があるという。新結合とは20世紀を代表する経済学者のシュンペーターがいう「これまで組み合わせことのない要素を結んで新たな価値を創造すること」だという。マスク氏は電子送金のペイパル、航空宇宙のスペースXなど既存技術の組み合わせで新しい価値を生み出してきた。AIとビッグデータ、自動運転を組みわせて新しいサービスを生み出す可能性があるという。🚀🚕🍋🚗📈📉🔍✏️📖💡💡👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡happy01🌏💡🔎🇯🇵🇨🇳🇺🇸


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:働く服装のカジュアル化」から

2023.8.22  日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:働く服装のカジュアル化」から

アスリートとレジャーによる造語アスレジャーがシリコンバレーを席巻

コラムの著者 小松原 威氏(WiLパートナー)によれば、日本に比べてシリコンバレーで働く服装はカジュアルであるという。1年を通して良い気候であるのが大きな理由だがそれ以外に、予定調和を好まない偶然性を楽しむ気風があるのではと同氏は推察している。

◯カジュアルな服装で論議を招くサム・バンクマンとサム・アルトマン

 会社のロゴ入りTシャツにデニム、スニーカーといったカジュアルな服装がシリコンバレーでは一般的である。年間を通して穏やかな気候であるのがその理由だが、それ以外に同地のアントレプレナーたちは自由な服装を楽しんでいるようだという。

カジュアルなファッションで話題となった二人の「サム」がいる。サム・バンクマン(仮想通貨交換業大手FTX創業者)とサム・アルトマン(オープンAIのCEO)である。バンクマン氏はボサボサ髪に短パンTシャツで公な場に出ていたがFTXの破綻をきっかけにIT企業の行き過ぎたカジュアル化の歯止めが議論となった。アルトマン氏もカジュアルなファッションが好きでロンドンの高級ホテルからドレスコードに引っかかり追い出せれたという逸話がある。ただAIの法規制で多くの首脳との面会ではネクタイとスーツで臨み、しっかりと服装を使い分けている。

コロナ禍でシリコンバレーでは、アスレジャーというアスリートとレジャーを組み合わせた造語がキーワードになった。ヨガで着るようなレギンスとタンクトップを普段使いにするスタイルである。アスレジャーの代表的なブランドがルルレモンである。高級で機能性の高いレギンスを出して女性から熱狂的な支持を集めた。時価総額も450億ドルを超え、2022年売り上げも80億ドルとこの2年で倍近い成長を遂げた。

カジュアルの語源は小松原氏によるとラテン語で「偶然の」を意味するという。確かに仕事でもカジュアルな服装であれば柔軟な対応がしやすい雰囲気になり、予定調和でない偶然が起こりやすい。まさに新風を好むシリコンバレーの合致した服装である。💃🥻👚👔💬👩👦💵📶📈💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇺🇸🇯🇵