利用例

【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「私見卓見:救急車利用の適正化を議論せよ」から

2024.10.1   日本経済新聞の記事「私見卓見:救急車利用の適正化を議論せよ」から

救急医療が必要な患者に適切な医療を届ける施策は必須

コラムの著者 伊藤 雅史氏(慈生会等潤病院 理事長・院長)によれば、医療現場では、高齢者の患者は、家庭の事情や重症でなくても体力的に自立度が低いため病院に「滞留」するよう状態になりやすく、救急搬送を受け入れにくい悪循環が起こっているという。さらに、救急車の不適切な利用で、本来の緊急医療が必要な患者に、適切な医療を届けられない状況になっているという。

○諸外国では救急車を有料化

伊藤氏によれば、総務省消防庁によれば、2023年の救急出動件数(速報値)は前年に比べて5.6%増の763万7967件、搬送人数は同じく6.8%増で過去最多を記録したという。中でも65歳以上の利用が搬送全体の6割を超え、高齢者の割合が増えている。つまり、高齢化の進展で、救急のニーズが高まっている。

さらに不適切な救急車の利用が問題となっている:

  • 救急車をタクシー代わりに利用
  • 軽症患者が病院の待ち時間を嫌って救急要請する
  • 酔った勢いで救急車を要請

伊藤氏はこのような状態を放置すれば、病院側の受け入れも有限で、しかも、高齢者の患者の「滞留」などで、本当に救急の助けが必要な人に適切な医療を提供できなくなる。

10年前に、救急車有料化の議論が盛り上がったことがあるという。財政制度等審議会(財務相の諮問機関)がまとめた意見書で、「真に緊急を要する疾病者への対応が遅れ、救命に影響が出かねない」として、諸外国で救急車を有料化している例を引き出しながら、一部有料化案を提起したという。ただ、当時はまだ議論が尽くせたとは言い難い状況であった。

今、一部の地方自治体や公的病院では、救急搬送された患者で入院に至らなかった場合に病院が別料金を徴収するといった試みが始まっているという。一気に有料化とはいかないが、適切な施策が必要なことは現場も患者も分かっているが、議論が進んでいない。🚑🩺👦👧☀️🌪️🌀☁️☔️💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「FINANCIAL TIMES:高齢者の現役続行は悪い?」から

2024.9.30  日本経済新聞の記事「FINANCIAL TIMES:高齢者の現役続行は悪い?」から

高齢者は仕事にしがみついているとみられ、職場で年齢差別が蔓延

コラムの著者 ピリタ・クラーク氏(FINANCIAL TIMES ビジネス・コラムニスト)が注目しているのは、日々雑多な話題が飛び交い騒がしいSNSの中でも比較的穏やかなビジネス向けSNSであるLinked-Inで騒然となる事態があったことである。

○職業人生の段階を示す図がSNSで問題に

クラーク氏によれば、米求人サイトIndeedのページに、職業人生の段階を示す図が投稿されたことが騒動の始まりであったという。図では、

  • 21〜25歳は「模索期」
  • 45〜55歳は「キャリア後期」
  • 55〜65歳は「衰退期」

に突入すると書かれていた。Linked-Inの利用者は衝撃を受け、「ゾッとした」「ショックだ」「なんてこと!」と投稿したという。Indeedは慌てて問題の図を引っ込め、公開したことや、作成したこと自体が間違いだったと認めた。さらに取材に応じたIndeedは各段階で担う役割を否定するような内容を掲載したことを謝罪した。また、「働く高齢者は重要な存在で、指導者のほかメンターとしての価値も非常に高く、職場に大きく貢献している」と続けたが、クラーク氏によれば、これは誤りだという。いつまでも高齢者は仕事にしがみついていると見られ、職場では年齢差別が蔓延しているという。さらに英国では、50歳を過ぎて解雇された場合、新しい仕事を見つけるのは2倍以上困難だと言われ、英慈善団体センター・フォー・エイジング・ベターは英国の全成人のうち、貧困率が最も高いのは60〜64歳だと指摘している。👩‍🦯🏢💬👦👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇬🇧


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「私見卓見:投稿監視は国際人権法を原則に」から

2024.9.30  日本経済新聞の記事「私見卓見:投稿監視は国際人権法を原則に」から

ネット事業者もグローバルかつ中立的な原則やルールに魅力を感じる

いじめ、なりすまし広告、詐欺、ヘイトスピーチなどインターネット上で社会的な問題が多く生じている。これらをデジタルプラットフォームを運営する事業者の社会的責任と役割が注目され、国際的にも規制や監視を強化するための政策の議論や具体的な立法措置が進んできている。コラムの著者 谷川 幹氏(国際教養大学教授(メディア・ジャーナリズム研究))によれば、ここで軸となっているのが国際人権法で、SNSなどのデジタルプラットフォームの投稿監視・削除を同法の原則に則ろうとする動きがあるという。

○情報による危害と表現の自由のバランスから解を導く考え方

谷川教授によれば、SNS企業はネット上の対応に対してバッシングを受ける中で、その場凌ぎの対応ではなく、国際人権法のもつグローバルかつ中立的な原則やルールに方針を集約できる魅力を感じているという。米メタも社内で利用規約に従って下した判断に対して、同社が設置した監督委員会は、その判断の正当性を評価しながらも、国際人権法に照らして不当だとして、その判断を覆した事例もあるという。

国際人権法の原則では、情報による危害と表現の自由のバランスから解を導くアプローチが採用される。複雑で多様な当事者の利害が交錯する投稿管理の問題が、一定の外的原理に基づいて整理される可能性が出てきたことになる。

日本国内では、誤情報や偽広告の対策が問題になっているが、一方的な社会的な善悪だけで対症療法的な規制による取り締まりを行うと、他の同種の問題への対応策と整合性が取れなくなる危険性がある。また、正当な表現者の権利を見落とす政策が生まれる可能性もある。

谷川教授は、当事者である被害者と加害者とネット事業者、そして一般的な利用者と公益を総合的に勘案する国際人権法のフレームワークを利用することを勧めている。🛜💬👦👧☀️🌪️🌀☁️☔️💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇪🇺🇺🇸


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「私見卓見:AIに必要な人間中心の視点」から

2024.9.27  日本経済新聞の記事「私見卓見:AIに必要な人間中心の視点」から

欧米と日本は異なる視点からのアプローチで倫理と安全性を確保

私たちの日常生活にもAIが深く浸透し、社会や経済に変化ももたらしている。これに伴ってAIの倫理や安全管理に関する対応が世界中で進んでいる。コラムの著者 森 正弥氏(博報堂DYホールディングス 執行役員 CAIO)によれば、特に欧米と日本ではそれぞれ違ったアプローチが取られ注目されているという。

○共通点は「AIは人間のためにある」こと

森氏によれば、歴史的に個人の権利意識が高い欧州連合(EU)では、人権の尊重を重視したアプローチでAI導入を推進している。世界初の包括的なAI規制である欧州AI法案を可決し、AIシステムのリスクレベルに応じた使用の禁止や厳格な管理を求める方式である。AIの導入を進めながらも、倫理的で信頼できる利用により個人の権利を確保することを目指している。

一方、米国は、イノベーションと経済成長を重視し、一般企業のAI開発を後押ししてきた。しかし、近年安全性に関する懸念が広がり、2023年10月、米バイデン政権はAIの安全な開発と利用に関する大統領令を発出した。AI利用に伴うリスクを管理しながらも、官民双方に説明責任を求める内容で、これを踏まえたAIの管理と活用に関するロードマップも発表された。

日本政府は、2019年に内閣府が「人間中心のAI社会原則」を公表した。人間がAIを使い幸せを追求できることが重要であるとしてイノベーションを推進している。今年4月には技術の急激な変化に対応すべく、経済産業省と総務省がAIの安全で安心な利用を促す「AI事業者ガイドライン」を発表した。法的拘束力はないが、AI開発者以外に提供者や利用者も対象にしている。

各国でこのように異なったアプローチが進められているが、共通点は、「AIは人間のためにある」という認識だという。AIは適切に管理されないと、安全性や権利を侵す危険がある。AI開発会社はもちろん、AIの利用企業も責任と影響力を自覚しなければならない。そのために倫理的なAIの安全管理に取り組む必要があると森氏は示唆している。💬👦👧☀️🌪️🌀☁️☔️💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇪🇺🇺🇸


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「中外時評:『異種の競技』と理解せよ」から

2024.9.25  日本経済新聞の記事「中外時評:『異種の競技』と理解せよ」から

能動的サイバー防衛は思い込みを捨て攻撃側のモチベーションと手法の把握から始まる

コラムの著者 土屋 大洋氏(日本経済新聞社 客員論説委員)は米国の初代サイバー軍司令官でありNSA長官であったキース・アレグザンダー陸軍大将が提唱したチームスポーツ同様の連携の必要性を示すが、現実の攻撃はスポーツはおろかルールのない予測不能なものであることを解説している。

○現実のサイバー攻撃はスポーツのようなルールはない

土屋氏によれば、アレグザンダー氏は、サイバー防衛にはサイバー軍とNSAだけでなく、国防総省の関連組織、その他の政府組織や民間企業とも協力が必要だと説いた。

確かに米国ではチームスポーツとしてアメリカンフットボール、野球、バスケットボールなどがポピュラーだが、米国がサイバー攻撃の発信源として名指しにするのは、中国、ロシア、北朝鮮、イランの4カ国で、これらの国からの攻撃が、米国でポピュラーなスポーツをイメージするような動きやルールにとらわれてはいないはずである。確かに、サイバー防御をチームで対応すれば結束を図る努力がなされるだろう。実際の敵との交戦では、チームスポーツのようなルールは無用の状況である。攻撃側は身元を隠し、国旗を見せるといったこともない。

国連総会でもかつて政府専門家会合を数回開き、サイバー攻撃戦の国際規範を作ろうとしたが、ロシアのウクライナ戦争で頓挫した。現在のサイバー戦は、異種格闘技ならぬ異種チームスポーツ戦の様相であるという。防御側はチーム内で連携して対抗するが、敵チームはどんなスポーツ、ルールを採用しているかもわからない。必要なことは、攻撃側の意図やモチベーション、攻撃手法を把握することであるという。これも能動的サイバー防御の1つであるという。💴🏢🏠💬👦👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇰🇵🇨🇳🇷🇺🇺🇸🇷🇺🇮🇷