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【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「エコノミクス_トレンド:『認知能力』が企業成長の源」から

2024.12.10  日本経済新聞の記事「エコノミクス_トレンド:『認知能力』が企業成長の源」から

内部留保が新しい成長への投資に向いているか

コラムの著者 若林 直樹氏(京都大学教授)は、経営環境や市場、技術、事業の変化を適切に注目し、「認知能力」を発揮すると、競争力を高め、業績を上げることができるという「アテンション・ベースト・ビュー(ABV)」という理論を紹介し、日本企業が立ち遅れている「認知能力」について考察している。

○ここの企業の認知能力には一定の制約があるため、その能力を適切に振り向けないと意思決定の質が低下する

若林教授によれば、日本企業は、2023年末、600兆9857億円へと内部留保を増やしたという。新規の成長への投資をすべき時なのに迷いがあると言う。どうやら、若林教授は、日本企業が、経営環境や市場、技術、事業の変化をうまく捉えられていないのではないかと見ている。

そこで、ABVを企業の行動から読み解くと、経営環境や市場、技術、事業の変化への「選択的」注意を適切に振り向けると、意思決定の質が上がり、行動や業績がよくなると考えている。例えば経営陣に固定的で同質的なメンバが多いと、従来の事業の存続に注意が集中し、新しい変化や技術への注目が減り、その範囲も狭まると言う。つまり事業革新に消極的になってしまう。

ABVではこのような企業の「注意が状況に影響される」問題を、理論的に分析していく。

  • 企業の注意の振り向け方がその置かれている状況に影響される。
    • 置かれている経営環境の特徴
      • 産業、経営環境、企業の個別環境の特性
    • 組織内部の認知の仕組み
      • 組織構造、経営者の特徴、外部関係者など
    • 企業の個別状況
      • 個別に抱える経営課題、設備や管理システムの状況
  • 企業が行う選択的注意
    • その集中度
    • 振り向け方の幅の広さ
  • 認知の結果は組織としての意思決定の質に関わる
    • 組織的な行動に影響
    • 業績に影響

これに対して、米カリフォルニア大学のジョン・ジョゼフ教授らは、企業の多角化において、2つの種類の組織的な認知が働くと、事業が成長するという:

  • 組織の横方向での動き
    • 部門ごとに外部に注意する活動を振り分けながら、他方、経営トップを中心にして組織全体の観点で各部門が認知したことを、全体戦略のもとに整理統合する
  • 組織の縦方向での動き
    • 部門ごとに外部に注意する活動を振り分けながら、他方、経営トップがそれをまとめて企業全体の認知枠組みを構築し、社内で共有する

このような認知能力を成長戦略で悩んでいる日本企業で応用してみることも意義があるという。日本企業の取締役会は女性や外国人の比率が低い上に高齢者が多いので、多様性に乏しい。これが組織の認知能力の幅の狭さや深さ不足を招き、新規事業のチャンスや有望な成長分野を認知しづらくし、戦略的な意思決定の質を下げる面があるという。🍓🍅🥦🎓💡♪💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇺🇸

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