宗教

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:文化と文明、バランス欠いた現代」から

2016.5.27  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:文化と文明、バランス欠いた現代」から

現代文明は健全か?

コ ラムの著者 和田 昭允氏(東京大学名誉教授)は、二つのよく似た言葉、文化と文明について比較することで違いを解説している。

◯フランスの哲学者ベルクソンが警告する現代文明のアンバランス

文化と文明に対する接頭語を並べて、和田教授は比較している。

【文化】:日本、縄文、飛鳥、江戸、平泉、農耕、稲作、町人、物質、若者、紅茶など

→人間が作り上げてきた国家・社会から日常生活にいたる幅広い局面での、芸術・科学・技術や道徳・宗教・政治といった物心両面での「成果」

→人間の精神的向上

→民族・言語・伝統と結びついて国境が見える

【文明】:イスラム、インカ、ギリシャ、中国、西欧、古代、現代、技術など

→文化の発達によって生活レベルが上がり、社会が組織化され、人権尊重や機会均等など人間にとっての基本原則が確立された社会の「状態」

→技術的発展のニュアンスが強い

→民族や国境を越えて広がる

以上のように和田教授は比較してみせた。

サイエンスとテクノロジーという文化が科学技術文明を形成し、急速な発展を遂げつつある現在、文化・文明の最高にして最善の関係が求められる。和田教授はここで、フランスの哲学者 ベルクソンなどをはじめとする多くの思想家が発する文化と文明のアンバランスについて言及している。それは、

「現代文明は人間の身体を人工的に拡張していった身体であって、魂を欠いた存在であるようにみえる」

という警告である。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:グローバルな視点、英語より『常に考える』」から

2015.10.1  日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:グローバルな視点、英語より『常に考える』」から

英語の習得よりもまずは優先すべきことは

コラムの著者 三浦俊彦教授(中央大学商学部)は、シンガポール、マレーシア、タイにギローバルブランドの調査に出かけ、日本が「ボーン・グローバル」、「グローバル」の視点が語学習得以前に重要であることを指摘している。

○ボーン・グローバル

生まれて時からグローバル、つまりボーン・グローバルとは、マッキンゼーが1993年の報告書で最初に使ったことばで、設立当初から海外売り上げ比率が高い企業をいう。北欧など自国市場が小さく、海外展開が不可欠の企業に多かったが、インターネットの普及により1990年代以降はグーグルなどICT系も増加しているという。

シンガポールはアジアでボーン・グローバルの典型の国であり、天然資源が少ないが、アジアの金融・ビジネスのハブとして発展し日本のGDPを超えている。マレーシアは、マレー系、中華系、インド系と、国内がすでに多様な民族構成であることからボーン・グローバルである。タイは同化が進んだものの、国内市場が大きくないためにボーン・グローバルの意識は生まれている。

一方、日本は、GDP第3位で国内市場だけでも十分にビジネスは行える。また、民族も大和民族が大半を占める。どうみてもボーン・グローバルにはなり得ない。となれば、物の見方をグローバルかする努力をする必要がある。

イオンではすでに関東の総合スーパー25店でハラル認証をとったPB食品を売り出す。ホテルやレストランが行うハラルメニューといった付け焼刃的ではなく、マレーシアを拠点にイスラム圏を対象としたグローバル戦略を練っている。

常にグローバルを考えることが、英語の取得以前に必要な姿勢であると三浦教授は示唆している。typhoonhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:日本国憲法と聖書」から

2015. 9.28  日経産業新聞の記事「眼光紙背:日本国憲法と聖書」から

殴られても殴り返さずに耐える聖書に似た精神

コ ラムの著者は、聖路加国際病院の103歳の医師、日野原 重明氏の体験から、集団的自衛権の行使を可能にする法案の可決について言及している。

○チャペルで聞いた玉音放送

病院には重傷を負った多くの人がつぎつぎに病院に運ばれ、チャペルの床や廊下に患者を寝かせたと、日野原医師は語っている。治療する道具も薬もなく、気休めに新聞紙を燃やした灰を振りかけたという。その中で患者はつぎつぎと死んでいき、無力感を感じたという。

二度と戦争を繰り返してはならない。10年前から全国の小学校で「いのちの授業」も続けている。

「日本国憲法には、殴られても殴り返さず耐えるという聖書によく似た精神が盛り込まれている」

と語る。その精神が70年間の平和をもたらした。今、その70年目に集団的自衛権の行使を可能にする法案が可決された。

「殴られたら殴り返すでは悪循環。憎いと思う相手を許すことが何よりも大切だ」

と同医師は強調した。まさにいのちと向き合ったきた言葉である。sign02happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:未年、リスク備えて耐える年」から

2015. 1.23  日経産業新聞の記事「眼光紙背:未年、リスク備えて耐える年」から

相場の格言『未辛抱』に学ぶ

コラムの著者は、未(ひつじ)年は相場の世界の格言で『未辛抱』といわれ、耐える年だということにふれ、対処法を語る。

○日本経済の回復に対するリスク

構造改革半ばの日本経済に対するリスクとして、コラムの著者は未年の海外情勢を取り上げている

  • 1967年:第3次中東戦争、イスラエルがガザ地区とヨルダン川西岸地区を支配、シナイ半島とゴラン高原を軍事占領。
  • 1979年:イラン革命、親米政権が倒れイスラム教指導者による反米政策が始まった
  • 1991年:湾岸戦争
  • 2003年:イラク戦争でフセイン政権が倒れ、その後治安の安定化が進まず、米軍撤退で過激な「イスラム国」が台頭

といった項目が挙げられる。

国家も個人もリスクに備え、資金や資源などを多めにもつべきだという。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:イスラム圏取り込み、ハラル認証対応重要に」から

2014.9.18   日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:イスラム圏取り込み、ハラル認証対応重要に」から

ハラル認証を先進国への道と考えるマレーシア

コ ラムの著者 三浦俊彦教授(中央大学商学部)は、イスラム教の戒律に沿ったことを証明する「ハラル(合法)認証」について調査を行うためにマレーシアを訪れた。

○イスラム教国にはハラル認証制度がある

イスラム教では豚とアルコールはハラム(非合法)で厳格に守られている。ただ、最終商品にこれらを素材としたものが含まれていないとは限らない。そこで、こういった認証制度がイスラム教国にある。

マレーシアは世界で政府によるハラル認証を唯一行っている国で国家戦略として推進している。その背景に、中所得国の罠がある。一人当たりのGDPが1万ドルの中所得国で経済成長を進める前に発展が進まなくなるという罠があるという。1980年代の韓国とメキシコの例のように、韓国は電子立国として発展、一方メキシコは伸び悩んだ。低賃金労働力で1万ドルは行くものの、そこから先の牽引力がないと、成長が止まってしまうという。

 マレーシア政府はそこで「ハラル・ハブ」構想での国家戦略を推進した。世界人口16億人以上のイスラム教の信者を相手に世界標準を考えるものだ。政府によるハラル認証体制を整え、厳格な基準で信頼を得たという。日本企業もイスラム教国への商品を考えるときハラル認証が重要となってくる。happy01