ウェブ・技術

【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「私見卓見:実践的な英語学習を導入せよ」から

2024.12.13  日本経済新聞の記事「私見卓見:実践的な英語学習を導入せよ」から

英語能力が低いことは日本の国際競争力やイノベーションに深刻な影響を与える

コラムの著者 若山 典生氏(尚美学園大学准教授)によれば、日本の英語能力は、「EF EPI英語能力指数」ランキングで92位と低迷しており、先進国の中で最下位であるという。この結果は、英語能力を基本とした国際競争力を下げ、イノベーションに深刻な影響を与えるという。反面、日本では英語能力テスト「TOEIC」受験者数が毎年度200万人いると言う。これは、他国と比較しても英語学習への関心が非常に高い一方で、結果的には能力が低い事態となっている。その要因について若山准教授は探っている。

○英語学習への関心は他国より高いが、能力に課題がある日本

若山准教授によれば、日本のTOEIC受験者数は他国に比較して群を抜いており、特にビジネスや就職活動において、TOEICスコアが評価の対象になるからである。こういったスコア重視の傾向が試験対策に偏った学習を促し、本当に実践的な英語によるコミュニケーション能力の向上にはつながっていない。また、日本社会では未だに英語などを使う機会が少ないし、日本語だけで十分と言う若年層の学習意欲を削ぐ。

一方、欧州諸国やシンガポールでは、英語を第2外国語として教育システムや日常生活に浸透しており、試験対策に偏ることなく、実践的な英語力が身に付く環境が整っている。また日常で英語を使う機会が多く、グローバルなキャリアを求める学生やビジネスパーソンの間では、英語を使用することが必須である。

さらに公的機関での英語力の低さも日本独特の課題だという。インバウンド需要が旺盛なときに観光案内や国際支援の立場で公務員の英語力はビジネスパーソンよりも一般的に低い。

これらの課題を克服するには、

  • 教育現場での実践的な英語学習の導入
  • AIやオンラインツールを活用した英会話の訓練
  • 異文化の理解を促進するカリキュラムの導入

などが必須であると、若山准教授は指摘している。👩🤝👨💡🐡⛰️🌾🏣❤️👦👧💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇸🇬🇪🇺


【ヒット商品のネタ出しの会】日本経済新聞の記事「社説:米TikTok規制が問う安保リスク」から

2024.12.12  日本経済新聞の記事「社説:米TikTok規制が問う安保リスク」から

日本国内でもリスクを理解し、対策を講じる必要あり

米国で中国発の動画アプリ「TikTok」の利用を規制する法律の施行が近づいている。社説によれば、安全保障上の脅威を排除する視点が必要で、日本国内でも安全保障上のリスクを理解して、対策を立てねばならない。米連邦控訴裁判所は、12月6日、中国資本からの分離か、米国内でのサービスを停止するかの二者択一を迫る法律が、合憲と判断した。表現の自由の訴えを退け、米国民の権利を守るものと結論づけたという。

○規制法が成立すれば、米国で1億7000万人が使っているサービスに米中対立の影響が及ぶ

一方、中国政府は国家情報法を2017年に施行し、国内のすべての個人と組織に情報活動への協力を義務付けている。中国企業であれば中国政府の命令に従わねばならない。言い換えれば、中国企業の海外展開はこの法律で縛られていることになる。

動画を表示する順番を決めるアルゴリズムが世論工作に悪用されかねないと言う。運営会社のバイトダンスは否定しているが、TikTokでは香港の民主化などの中国当局に不都合な内容の動画が少ないとの調査結果もあるという。またSNSの選挙などへの影響が注目される昨今、警戒を強めることは当然であろう。日本政府や地方自治体、日本企業は未だ、このようなSNSサービスのリスクに対する認識が低い。🛜✒️📕📗💻💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌏 happy01🇯🇵🇺🇸


【ヒット商品のネタ出しの会】日本経済新聞の記事「社説:仮想通貨のリスク踏まえ有効なルールを」から

2024.12.11  日本経済新聞の記事「社説:仮想通貨のリスク踏まえ有効なルールを」から

熱気の裏に潜む危うさを含む暗号資産

米新政権の暗号資産(仮想通貨)に対する規制強化からの転換期待から、ビットコインに代表される暗号資産価格が急騰している。社説によれば、規制緩和を見込んだ資金流入が続いている。デジタル空間に当然ながら国境はなく、日本国内の投資家の一部も活発な売買をしている。暗号資産の基盤、ブロックチェーンはDXやフィンテックで高い潜在力を持っておりイノベーションの芽が育つ可能性もある。また代替資産として米国では注目され、ビットコインに対する上場投資信託(ETC)まで登場し始めた。このような熱気の裏で、脱税やマネーロンダリングなどの犯罪とも繋がりやすい。社説では、国内外を問わず、実情にそった有効なルールづくりが必要だと提言している。

○資金決済法から金融商品取引法の対象も視野に

社説では、米国の規制緩和の動きは、ネットを介して日本国内にも大きな影響を及ぼし得ると言う。株や債券に比べて投機性の高い仮想通貨は、バブルと破裂を繰り返してきた。杜撰な資産管理の末に破綻した世界最大級の交換業者FTXトレーディングの例もある。

また犯罪との結びつきは根深い問題である。脱税やマネーロンダリングの温床とされ、ハッキングによって北朝鮮やイランなどの強権国家の違法行為の資金源となっているとの指摘が多い。

日本では社会問題となる度に金融庁が後追いで規制を強めてきた。それでも今年5月に480億円相当のビットコインが不正に流出し、業者の廃業が決まったばかりである。現行での資金決済法による規制から、より厳しい情報開示を課せる金融商品取引法の対象とすることも検討すべきだと言う。

国内の口座数は110万を超え、携帯アプリを通じ投機性の高い海外業者にも資金が流れている。社説では、今こそ実効性のある国際ルールづくりを米国の規制緩和の如何に拘らず、進めなばならないと提言している。🛜✒️📕📗💻💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌏 happy01🇯🇵🇺🇸


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「私見卓見:COPはスリム化が必要」から

2024.12.11  日本経済新聞の記事「私見卓見:COPはスリム化が必要」から

多くのステークホルダーが参加する形式から外交的なイベントに再構築すべき

コラムの著者 ティム・ダイス氏(エネルギー市場アナリスト)は、2024年11月にアゼルバイジャンで開催された第29回国連気候変動枠組み条約締結国会議(COP29)を境に、この会議自身の改革や再構築を進めねば、気候変動を引き起こしている先進国とその影響を最も深刻に受ける発展途上国の溝は埋まらないと主張している。

○ポピュリズムの元首は途上国の気候変動による損失を支援する責任をほとんど感じていない

ダイス氏によれば、ポピュリストである政治家の多くは、ドナルド・トランプ次期米大統領の主張からも分かるように、開発途上国の気候変動による損失を支援する責任をほとんど感じていない。と考えると、多くの先進国ではポピュリスト的な政治家が元首となると、損失を被っている開発途上国の戦略はより外交的なアプローチが必要となる。このことからもCOPが現状のままでは機能しないことがわかるという。

COP 29で主催者側は効率的で友好的な出席者はほとんどいない会議を想定していたという。気候変動を引き起こしている先進国とその影響を最も深刻に受ける発展途上国の溝を埋めるという期待もあったが、結果的に実現はしていない。

ただ国連が管理する炭素市場への道を開く基準には、一定の進展があった。だが、旱魃、洪水、海面上昇、猛暑など、気候変動による災害への適応を支援するための資金総額やクリーンエネルギー源への資金提供の協議では険悪な状況であったという。最終的には温暖化対策で先進国から発展途上国向けに拠出する「気候資金」は2035年までに少なくとも年3000億ドルに増すことでは合意した。

COPのシステムが崩壊していて、修復が必要であるという認識だけは参加者で共有したという。また、2015年のパリ協定での合意に基づき裕福な諸国は脆弱な国を支援する義務を負っている、前述のポピュリズムの動きが大きくなり、途上国の戦略も変更せざるを得ない事態である。

今回の会議は小規模なものが期待されたのに、参加者や特別な利益圧力団体の参加が多く、このようなフリーな参加ではなく、外交的なイベントとして再構築する必要があるとダイス氏は主張している。👩🤝👨💡🐡⛰️🌾🏣❤️👦👧💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇦🇿🇺🇸


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「エコノミクス_トレンド:『認知能力』が企業成長の源」から

2024.12.10  日本経済新聞の記事「エコノミクス_トレンド:『認知能力』が企業成長の源」から

内部留保が新しい成長への投資に向いているか

コラムの著者 若林 直樹氏(京都大学教授)は、経営環境や市場、技術、事業の変化を適切に注目し、「認知能力」を発揮すると、競争力を高め、業績を上げることができるという「アテンション・ベースト・ビュー(ABV)」という理論を紹介し、日本企業が立ち遅れている「認知能力」について考察している。

○ここの企業の認知能力には一定の制約があるため、その能力を適切に振り向けないと意思決定の質が低下する

若林教授によれば、日本企業は、2023年末、600兆9857億円へと内部留保を増やしたという。新規の成長への投資をすべき時なのに迷いがあると言う。どうやら、若林教授は、日本企業が、経営環境や市場、技術、事業の変化をうまく捉えられていないのではないかと見ている。

そこで、ABVを企業の行動から読み解くと、経営環境や市場、技術、事業の変化への「選択的」注意を適切に振り向けると、意思決定の質が上がり、行動や業績がよくなると考えている。例えば経営陣に固定的で同質的なメンバが多いと、従来の事業の存続に注意が集中し、新しい変化や技術への注目が減り、その範囲も狭まると言う。つまり事業革新に消極的になってしまう。

ABVではこのような企業の「注意が状況に影響される」問題を、理論的に分析していく。

  • 企業の注意の振り向け方がその置かれている状況に影響される。
    • 置かれている経営環境の特徴
      • 産業、経営環境、企業の個別環境の特性
    • 組織内部の認知の仕組み
      • 組織構造、経営者の特徴、外部関係者など
    • 企業の個別状況
      • 個別に抱える経営課題、設備や管理システムの状況
  • 企業が行う選択的注意
    • その集中度
    • 振り向け方の幅の広さ
  • 認知の結果は組織としての意思決定の質に関わる
    • 組織的な行動に影響
    • 業績に影響

これに対して、米カリフォルニア大学のジョン・ジョゼフ教授らは、企業の多角化において、2つの種類の組織的な認知が働くと、事業が成長するという:

  • 組織の横方向での動き
    • 部門ごとに外部に注意する活動を振り分けながら、他方、経営トップを中心にして組織全体の観点で各部門が認知したことを、全体戦略のもとに整理統合する
  • 組織の縦方向での動き
    • 部門ごとに外部に注意する活動を振り分けながら、他方、経営トップがそれをまとめて企業全体の認知枠組みを構築し、社内で共有する

このような認知能力を成長戦略で悩んでいる日本企業で応用してみることも意義があるという。日本企業の取締役会は女性や外国人の比率が低い上に高齢者が多いので、多様性に乏しい。これが組織の認知能力の幅の狭さや深さ不足を招き、新規事業のチャンスや有望な成長分野を認知しづらくし、戦略的な意思決定の質を下げる面があるという。🍓🍅🥦🎓💡♪💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇺🇸