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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:グローバルな視点、英語より『常に考える』」から

2015.10.1  日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:グローバルな視点、英語より『常に考える』」から

英語の習得よりもまずは優先すべきことは

コラムの著者 三浦俊彦教授(中央大学商学部)は、シンガポール、マレーシア、タイにギローバルブランドの調査に出かけ、日本が「ボーン・グローバル」、「グローバル」の視点が語学習得以前に重要であることを指摘している。

○ボーン・グローバル

生まれて時からグローバル、つまりボーン・グローバルとは、マッキンゼーが1993年の報告書で最初に使ったことばで、設立当初から海外売り上げ比率が高い企業をいう。北欧など自国市場が小さく、海外展開が不可欠の企業に多かったが、インターネットの普及により1990年代以降はグーグルなどICT系も増加しているという。

シンガポールはアジアでボーン・グローバルの典型の国であり、天然資源が少ないが、アジアの金融・ビジネスのハブとして発展し日本のGDPを超えている。マレーシアは、マレー系、中華系、インド系と、国内がすでに多様な民族構成であることからボーン・グローバルである。タイは同化が進んだものの、国内市場が大きくないためにボーン・グローバルの意識は生まれている。

一方、日本は、GDP第3位で国内市場だけでも十分にビジネスは行える。また、民族も大和民族が大半を占める。どうみてもボーン・グローバルにはなり得ない。となれば、物の見方をグローバルかする努力をする必要がある。

イオンではすでに関東の総合スーパー25店でハラル認証をとったPB食品を売り出す。ホテルやレストランが行うハラルメニューといった付け焼刃的ではなく、マレーシアを拠点にイスラム圏を対象としたグローバル戦略を練っている。

常にグローバルを考えることが、英語の取得以前に必要な姿勢であると三浦教授は示唆している。typhoonhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:グランピング葉山、PR戦略消費者つかむ」から 

2015.8.27   日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:グランピング葉山、PR戦略消費者つかむ」から

Glamorous+Camping = Glamping

コラムの著者 高岡 美佳氏(立教大学経営学部教授)は、海外発のグランピングの広がりとともに、人気となっているグランピング葉山の広報戦略について語っている。

○ぜいたくなテントなどの施設や食事などのサービス

目的は、自然を楽しむキャンプ。海外では高級ホテルのアマンリゾートが手がけており、国内では星野リゾートなどが開業予定するといったことでもその勢いはとどまるところを知らない。

こうした中今月8日、2015年の夏秋限定で神奈川県の葉山に「グランピング葉山」がオープン。リゾート仕様で、施設は海岸の目の前、北欧の老舗アウトドアブランド「ノルディック」のテントを使い、ゆったりと時間をすごすことを企画している。1日限定1組で、料金は1泊1人3万5千円で、ヨガやエステも楽しめる。決して安くない価格設定であるが、多くのメディアに取り上げられ、オープンからわずか1週間で10月半ばまで予約が埋まったという。

広告費を一切かけず、PR戦略のみで展開しており、コンテンツをしっかり押さえさえすれば、PRツールがこれを補うというマーケティング戦略である。社会的なトレンドであるグランピングと都内から1時間で体験でき、葉山というブランドをうまく使ったPR戦略である。yachthappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:ジャパンエキスポ、日本の魅力多方向から」から

2015.7.23   日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:ジャパンエキスポ、日本の魅力多方向から」から

車や家電に代わる日本のグローバル戦略

コラムの著者 三浦俊彦教授(中央大学商学部)は、パリのジャパンエキスポに参加し、そこでの様子からかつての日本発の商材が変わってきていることを示唆している。

○日本のワンピースやナルトはミッキーマウスやハリーポッターの感覚

アニメ・ゲームなどの日本のポップカルチャーと武道・芸術・和食などの伝統文化をパリでフランス人の有志が2000年に3千人規模で始めたのがジャパンエキスポである。今年で16回開催で4日間に24万人まで成長しているという。

三浦教授の感想は、会場が巨大な夜店という印象だという。ワンピースやナルトなどのマンガ、ファイナルファンタジーなどのゲームのキャラクターグッズ。来場者もほとんどが白人でコスプレ姿もみられる。複数のホールでもイベントが開催され、各国代表のコスプレチームによる大会やコンサート、インタビューなどが行われている。

一方、和食も力が入っており、タイガー魔法瓶の炊飯器による炊き込み御飯の試食会、ぐるなびによる和食の実演と充実。さらにくまモンなどの地域振興イベントも参加しているという。

会場では、人気のキャラクターの前で自分撮りするフランス女性をみると、ディズニーランドでミッキーと写りたがる日本女性と変わらないという。ワンピースやナルトは、日本にとってのミッキーマウスやハリーポッターと位置付けだ。ここに新たなグローバル戦略の方向性がありそうだ。heart01happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:宿泊割引券ラッシュの違和感」から

2015. 6.30   日経産業新聞の記事「眼光紙背:宿泊割引券ラッシュの違和感」から

かえって関連企業の慢心を産まないか?

コラムの著者 は、東京都が東日本大震災の起きた2011年に被災した福島を応援しようと、東北3県の宿泊施設を割安に利用できる助成制度を設けたのが始まりで、今度は国の地方創生交付金を原資し自治体がこぞって宿泊割引券を発行しようとしていることに危惧を抱いている。

○地元に観光客を呼び込む施策

コラムの筆者も地域再興の呼び水としては意味を認めている。しかし、どこも一過性で終わらないための努力をしているかどうかが気になるという。

地域活性化のために観光にテコ入れするのであれば、地元の魅力をわかりやすく内外に情報発信したり、これまでの団体客用から個人客に変化したニーズに応じるために、サービスを改善し施設の改修などが必要となる。宿泊割引券が関連業界の慢心をおこさないことが、一過性の補助金頼みから抜け出す方法であろう。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:訪日客対策『出口戦略』を」から

2015. 6.11   日経産業新聞の記事「眼光紙背:訪日客対策『出口戦略』を」から

呼び込み、入り口戦略だけでなく、出国時の出口戦略が鍵

コラムの著者は、好調な訪日客の消費額増加で施策が入口戦略に偏っており、出国時の出口戦略がおろそかではないかと危惧している。

○マクロ的には入口戦略は有効だが、ミクロ的には出口戦略が必要

呼び込み施策として、免税店数を増やし、免税手続きの一括カウンターを設置する「免税商店街」の実現、ビザ要件の緩和といった施策はマクロ的には成功している。しかし、訪日客がどこで買い物をしてくれるかといったミクロ的な施策が必要だという。

海外旅行で土産物やブランド品をたくさん買い物をするタイミングはいつなのか。それは、帰国、出国直前である。手持ちの日本円を使い切ろうと、買い物袋を持ち歩いて日本各地を移動するとは考え難い。出国する空港や港がどこになるかでその周辺の商業施設が潤うかどうかで決まる。入国する場所よりも出国する場所での出口戦略が重要だと指摘している。airplaneshiphappy01