【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:青果物にQRコード、生産者と結ぶ」から

2021.9.1   日経産業新聞の記事「TechnoSalon:青果物にQRコード、生産者と結ぶ」から

ITを活用して農産物の流通に変革を起こす農業総合研究所

 コラムの著者 窪田 新之助氏(農業ジャーナリスト)は、関東や関西のスーパーマーケットの青果物売り場でちょっとした異変が起きているという。

◯産直卸事業を本格推進

 窪田氏によれば、この異変は野菜や果物の包装に描かれているQRコードであるという。スマートフォンでQRコードを読み取ると、生産者のウェブサイトにつながる仕組みである。そこには生産者の情報や料理のレシピなどを見たり、購買者が生産者に感想を伝えたりすることができる。生産者には購買者から「ありがとう」「また店に出荷するときは教えてください」といったメッセージが届くという。いずれの店舗でも販売率が平均して約5%上がっているという。

仕掛け人は、2007年創業の農業総合研究所で「ITを活用して農産物の流通に変革を起こす」ことを目指しているという。農総研の主要事業は、スーパーマーケットなどに店舗内店舗を置いて、会員の農家から集荷した農産物を委託販売する「農家の直売所」である。集荷場や流通網は自社で構築し、前日あるいは当日の朝に採れたての野菜を各店舗に並べる。通常の流通なら3、4日かかっていることに比べると驚異的である。

さらに同社は、産直卸事業を2020年10月から始めたQRコードを用いた事業である。すでにあるスーパーマーケットなど量販店の棚に会員生産者の農産物を卸すものである。通常の仕入れ販売と異なるのはブランド戦略で地方の卸売市場と連携しながら、魅力ある青果物を探索する。包装やPOPなどデザインを工夫し、JAや農家から青果物の価値を聞き取って販促を行う。

旧来の勢力に対峙するのではなく、相手を巻き込みながら農産物の流通を変革しようとしている。🍎🥬🍅💻✏️🏙🌾🍓😅🏃‍♀️🏠😷🦠❄️🍅📖🔎⚡🌍happy01🗻🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:『安い日本』の間違った解釈」から

2021.8.25  日経産業新聞の記事「眼光紙背:『安い日本』の間違った解釈」から

「安い日本」は日本経済復活の起動力にはなるが

コラムの著者は、日本での「ビックマック」の価格がスイスの約半分、韓国やブラジルよりも安いことから先進国中で最安値であるという。

○日本の賃金と物価が先進国中で最低

 コラムの著者によれば、このような賃金と物価の安さは、他国のものを高値で買うこととなり、「だから円高が必要なのだ」という論理は誤っているという。つまり、相対的に大きく低下した賃金・物価に対応して円高になれば、日本の国際的な購買力は維持できるというもので、これも誤りだという。日本のデフレは著しい円高で競争力を失った日本企業が賃金引き下げを余儀なく行ったことに起因している。さらに円高になれば、企業は競争力を維持するためにまたまた賃金を下げることになろう。または海外の工場での製造に踏み切ることになる。円高デフレの蟻地獄である。

しかし、今は賃金安・物価安でさらに円安で、日本企業の価格競争力は大きく上向いている。海外で生産している企業にとっては海外法人における利益の円換算額の増加という形で出てくる。企業の支払い能力の向上と技術労働者の逼迫から賃金も上昇するだろう。

国際競争力の向上はグローバル製造業と、数年後に戻るであろう観光業で顕在化するだろう。「安い日本」は日本経済復活の起動力になりうる。いまは、円安を維持するために金融緩和をできるだけ継続することにあると、コラムの著者は指摘している。📉📈📺🎥🖋🔑🚕🚗🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🗒📕happy01🌏🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「小野譲司の目:サービスの透明性、人の想い伝える機会にも」から 

2021.8.27  日経産業新聞の記事「小野譲司の目:サービスの透明性、人の想い伝える機会にも」から

透明性は機能・技術だけでなく価格や人間性までも伝える

 コラムの著者 小野 譲司氏(青山学院大学経営学部教授)は、コロナ禍で営業を続けるサービス業に対する顧客の関心は、期待するサービスの価値と感染対策を如何に行いながら価値提供をしているかという厳しい目があると語っている。

◯単に「安心安全です」では納得しないお客様

 小野教授は、事業者と顧客とのコミュニケーションで「うちは安心安全です」と訴求するだけでは十分ではないという。顧客の目がコロナ禍で安心安全を提供する具体的な情報を欲しているからだという。

例えば、非接触のサービス対応、設備・施設や従業員が取り組んでいる日常業務での衛生管理の様子、お客様自身に守ってもらうプロセスやルールまで、より徹底した情報提供が必要だという。

ホテルチェーンや航空会社の中には利用者が直接見ることができない掃除業務や感染対策などの裏方の仕事を撮影し、どのようなポリシーで営業しているかを客室のテレビや機内モニターで説明している。つまり今までブラックボックスであったサービスの内容と過程の透明性を高めて、技術的な安全性をいうだけでなく心から安心させて信頼を構築するという考えであるという。

透明性は、機能的ないしは技術的な側面、原価や変動価格といった価格の側面、その製品・サービスにいかに人の手や思いが加わっているかという人間的な側面を伝えるチャンスとして捉えることもできる。🍣🍜🍺🍞🍽😷🦠📱💻📒🛒🎓💳⚡️🌍happy01💡📶🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:酒造会社❌医大の吟醸酒」から 

2021..8.20   日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:酒造会社❌医大の吟醸酒」から

福島の良さを製品を通じてアピール

 コラムの著者 高岡 美佳氏(立教大学経営学部教授)が今回取り上げるのは、福島県郡山市の笹の川酒造が福島県産の米を使用した吟醸酒で想定以上の売上となった要因について語っている。

◯美味しく健康なものを紹介

 高岡教授によれば、商品は3ヶ月熟成の「C10」と1年間熟成の「C8」の2種類で、福島県立医科大学の下村健寿教授、前島裕子特任教授、堀田彰一郎講師とともに研究開発を続け、ウイスキーの熟成に利用したオーク樽を使って日本酒を熟成させ、健康促進にもつながる成分を多く含む吟醸酒の開発に成功したという。

福島県産の風評被害に苦しむ多くの人に対して、農産物は安全であるとアピールを行なってはいるものの、安全性に加えて、健康に良い、美味しいという評判を作り出すことが重要だと、下村教授は、今回の吟醸酒を開発する契機になったと語っている。一方、共同開発を持ちっかけられた笹の川酒造社長 山口 晢藏氏は、日本酒の醸造とウイスキーの蒸留の両方を福島県内で手掛けているのは同社だけという自負とチャレンジする社風で、即座に引き受けたという。

  • 3ヶ月熟成「C10」:美肌成分のフェルラ酸を多く含有。
  • 1年間熟成「C8」:抗炎症成分のバニリン酸を多く含有。

これらを研究成果として順天堂大学 小林 弘幸教授の協力を得て商品化した。味についてもリピートが多いことから消費者から高い評価を得ているという。ウイスキーのような芳醇な味わいを楽しむ日本酒という新しいカテゴリーを開拓した事例と、高岡教授は評価している。🍶🗒🍱☕️🍮🖥🍶😷🦠🏢🗒🏪🏢💡🔎⚡️happy01🌏🏡👝📦🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:日本コカ・コーラのコーク・オン、自販機の新たな活用生む」から

2021.7.30  日経産業新聞の記事「西川英彦の目:日本コカ・コーラのコーク・オン、自販機の新たな活用生む」から

弱体化する資源を携帯アプリとの連携で価値を再生

 コラムの著者 西川 英彦氏(法政大学経営学部教授)は、携帯アプリとの連動が既存資源の新たな活用を見出した事例として、日本コカ・コーラの「コーク・オン」を紹介している。

◯市場の最大台数を持つ優位性を利用

 西川教授によれば、自動販売機は同社が市場の最大台数を持ち、自由に品揃えや低下販売できる重要な資源であるが、コンビニエンスストアの影響で伸び悩んでいたという。

同社では、近距離無線接続「Bluetooth」で自販機と繋ぐ携帯アプリを開発、提供した。

  • 2016年4月:電子版ポイントカードとして誕生。購入のたびにアプリ上でスタンプが押される。15個集まるともらえるチケットを自販機に向けてスワイプすれば欲しいドリンクがもらえる。
  • 2018年4月:日常的な利用を促すために飲料と親和性の高いウォーキングが選ばれた。1週間や累計の歩数目標を達成するとスタンプが獲得できる。目標は1日5000歩からの設定でき、変更も可能。
  • 2018年11月:決済機能を持たせ、アプリで商品を選択し、自販機に触れずに購入が可能となった。
  • 2021年4月:月額2700円で、対応自販機で1日1本が買えるサブスクリプション(定額サービス)を開始。期間限定で半額にし、先着10万人を達成した。これにはこれまでのアプリを軸にした会員基盤が募集を簡単にした。

今後は、携帯アプリと天気情報をリンクし、熱中症予防の提案としてスタンプ提供。こうすることで、同社側としては、個別の自販機の販売動向や欠品情報も把握でき、最適な品揃えや配送計画を作成できる。これによって、携帯アプリの対応した自販機の売上高は、非対応に比べて高いものとなっているという。

これまでは弱体化した自販機販売であったが、携帯アプリとの連携で企業に価値を生むことができた。☕︎🥫🩺💊🏥📷💻🍺🦠🎓🏢📈🔎⚡️🌍happy01📶👦👧💡🇯🇵