【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「エコノミクストレンド:組織を変える越境学習人材」から
2024/08/15
2024.8.13 日本経済新聞の記事「エコノミクストレンド:組織を変える越境学習人材」から
日本企業の7割が部門間コミュニケーションに課題を抱えている
HR総合研究所の調査によると、日本企業の約7割が部門間のコミュニケーションに課題を抱えているという。コラムの著者 若林 直樹氏(京都大学教授)は、その解決のキーとして越境学習人材に注目し、国際的な視点で考察している。
○組織の壁を越えて自主的に学習し知識移転を進める「越境学習人材」の育成と活用が不可欠
若林教授によれば、組織の壁は3つの事情があるという:
- 働き方改革とオンラインコミュケーションの普及:社員のリアルな相互交流が停滞。
- 人材の流動性の拡大:長期的な社員間のつながりを弱めている
- 社内の管理の強化、手続き・規則の増加、組織構造の複雑化:部門間の壁が逆に強化
若林教授は、法政大学の石山 恒貴教授が説く「越境学習人材」の育成と活用に注目している。越境学種人材とは、組織の壁を越えて自主的に学習し、知識移転を進める人材を指す。最近の経営学では、「境界連結者(バウンダリー・スパナー)」と言われる、部門や組織の壁を越えて知識の共有と移転を進め、社内や組織間の協働を促す経営者や社員の役割が議論されているという。米ボストン大学のポール・カーリー教授によればバウンダリー・スパナーは、部門間や組織間で3つの活動を行うとされている:
- 情報を流通させる「回路」:社内である程度理解されている情報に対する行動
- 社内の理解に合わせて意味を「翻訳」:社内であまり馴染みがない知識に対する行動
- わかる形へ知識を「変換」:社員たちがわからない知識に対する行動
このようなバウンダリー・スパナーの果たす知識移転の働きの重要性は、国際的にも多くの研究が進んでいる。若林教授は、その中で経営者や社員の境界連結者(バウンダリー・スパナー)の活動を活性化するための要因を示している:
- 会社の内外の人材ネットワークの質と量:知識移転効果を左右。
- バウンダリー・スパナーは新たに獲得した知識と既存の知識との対立・矛盾を受け入れて調和する態度を持つ必要がある。
- バウンダリー・スパナーの動機付けの高さ:状況や時間の変化に抗して動機付けの高さが必要である。
- バウンダリー・スパナーの行動を正当化するパワーや権限の裏付けが必要である。
最後に若林教授は、日本企業の多くが、組織の壁が強化された時に、壁を乗り越えようとするバウンダリー・スパナーを排除するのではなく、むしろ動機付けや正当性パワーを高めるべきであると示唆している。🔧🛠️💬👦👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍🇯🇵
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