【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「核心:100年後へ『賢い縮小』とは」から
2024/08/14
2024.8.12 日本経済新聞の記事「核心:100年後へ『賢い縮小』とは」から
人口減少で1人あたりの幸福度が高まるかが課題
日本も世界も出生率の低下で急激に人口が縮むという。拡大一辺倒だった経済社会のありようも大きく変わるはずである。コラムの著者 原田 亮介氏(日本経済新聞社 論説フェロー)は、100年という人生が当たり前となったとき、これまでの経済や社会の構造が大きく変わることを説いている。
○過疎地で始まった経済社会の縮小が日本全体に広がる
原田氏によれば、日本の近代化は農村から都市への社会移動が進み、地方都市や大都市圏の居住域を広げる拡大の歴史だという。だがこれからは、過疎地で始まった経済社会の縮小が日本全体に広がることになろう。
国立社会保障・人口問題研究所による将来推計人口では100年後、2120年の日本の人口は約5千万人と推計しており、出生率が反転上昇しない低位推計では3600万人まで減少するという。規模的には、明治初期から末期までの人口規模となるという。さらにこの推計をもとに森知也教授(京都大学経済研究所)は6大都市圏の人口の試算をまとめている。
- 東京圏:1860万人(現在の半分近い)
- 大阪圏・名古屋圏は5割まで落ち込む
一方、2020年を100とした2120年の地価の予測は、
- 全国平均:77
- 東京・大阪圏:63
- 名古屋圏:70
- 福岡圏:68
となるという。これは日本にとどまらず地球規模で少子化がメガトレンドとなってきている。さらにこの春、米ワシントン大学の保険指標評価研究所が英医学誌ランセットに発表した論文でも、世界各国の急激な出生率の低下を予測している。日本の出生率は2050年に1.26、2100年には1.21まで低下する。出生奨励シナリオでも0.2%押し上げるのみだという。地球規模の出生率の低下は、経済発展に伴い、多産多死→多産少死→少産少死の段階を踏む。さらに貧困諸国でも小家族が増え平均寿命が長くなりつつあると指摘している。
少子化による労働力不足はロボットなどで補い、居住環境も自治体が見越して推奨地域をゾーニングするのも一案となるという。地方は農業など第1次産業や観光の振興が従来以上に重要となろう。自治体の庁舎も住民の買い物や医療・介護サービスなどで立ち寄りやすい民間施設に移転する方法もある。
大都市圏については、森教授は住宅の低層化・低密度化を進めるべきで、自動運転や物流の自動化を進め、防災対策にもなる。すでに2020年7月から神戸市は、中心部でタワーマンションの立地を認めない規制を導入している。人口減少のトップランナーである日本は、世界の模範としてスマートシュリンクを考えるべき時だと原田氏は示唆している。💬👦👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍🇯🇵
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