Previous month:
2023年9 月
Next month:
2023年11 月

2023年10 月

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「トレンド語り:技術流出問題、経済安保にも留意を」から 

2023.10.4  日経産業新聞の記事「トレンド語り:技術流出問題、経済安保にも留意を」から

経済のグローバル化やデジタル化で知財にもリスク管理が重要

コラムの著者 橋本 虎之助氏(橋本総合特許事務所所長、弁理士)によれば、企業も経済のグローバル化やデジタル化で多くのリスク管理を必要とするという。橋本氏は特に知的財産に関しては経済安全保障の側面で技術流出について語っている。

◯模倣品や関連訴訟以上に国家・国民の安全にも関わる事案も

 橋本氏によれば技術流出とは、公開していない企業の技術やノウハウなどが社外に漏れることを指す。法的にこのような技術情報は営業秘密に含まれ、不正競争防止法で無断で外部に伝えることを禁じている。営業秘密は以下の3条件を満たしたものとされている:

  1. 秘密に管理されている(秘密管理性)
  2. 事業などに有用(有用性)
  3. 公然と知られていない(非公知性)

最近営業秘密の侵害事件も増加している上に、技術流出の面で考えると、技術情報のみならず人や製品、データを通しても発生している。外部からのアプローチも、人材リクルートやスパイ活動、サイバー攻撃など多岐にわたる。これを受けて不正競争防止法も23年6月に強化された。

また、技術流出は企業競争のみならず、国家・国民の安全を脅かす場合も想定されることから2022年5月、経済安全保障推進法を公布している。企業側も経済安保を踏まえた攻守ともに知財戦略を検討しなければならない。📗📕💻📳🍂🥻👔💡🚕🥬🥕🍞🐱📶📺🦠😷🍲🍵🏢📶🏢💡⚡️🌏happy01📂🌍🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:日本の次の50年は演繹法で」から

2023.10.2  日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:日本の次の50年は演繹法で」から

変わるべきは社会を維持する根本原理の再考

コラムの著者 校條 浩氏(米NSVウルフ・キャピタルマネージングパートナー)は日経産業新聞50周年を記念して日本の50年後を予測し、変われねばならないのは、社会システムを維持する帰納法から演繹法への転換であると説く。

◯仮説検証を続ける演繹法への変革

 校條氏によれば、日本の良さは:

  • 誠実に約束を守る
  • サービスの質は高く、予定通りに動く
  • 食べ物は値段のよらず美味しい
  • 学校の規律は正しく、生徒は校則を守り、整然としている

このような社会の根本原理は帰納法である。つまり、多くの観測事実や前例事項から類似点をまとめ上げて結論を導く。ビジネスでは顧客の共通ニーズを理解し、業界の秩序を守りながら、商品・サービスの改善を進める。失敗は許されず、前例をとことん研究する。よって研究が進むと、改善が進み、素晴らしい製品・サービス・社会が維持されてきた。

新規の産業を興したり、イノベーションを進めるには演繹法の発想が必要であると言う。演繹法では仮説やルール、ビジョンからロジックに基づき必然的な結論を導く。それを実証する。帰納法では既存の枠組みや仕組みを守る意識が強い。演繹法では、前例にとらわれず、さまざまな仮説を実行し、修正しながら新しいパラダイムを探索・構築していく。確かに米国のスタートアップの半数以上は失敗してきている。だが失敗があるからこそ、数少ない成功は社会に変革をもたらす。日本も帰納法から演繹法への思考転換が必要であろう。🩻🩺🔍👚👔💬👩👦💵📶📈💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇰🇷🇺🇸🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「Smart Times:ダイバーシティー、心込めよ」から

2023.10.3  日経産業新聞の記事「Smart Times:ダイバーシティー、心込めよ」から

制度だけでは実効性がない

コラムの著者 石黒 不二代氏(ネットイヤーグループ取締役チーフエヴァンジェリスト)は、日経産業新聞50周年を記念して日本経済再起のヒントはないかと、ダイナシティーについて考察している。

○自らも体験した制度以上の人情

石黒氏は、約20年も前にシリコンバレーでラジオCMを聴いた。「スタンフォード大学です。ゲイ・レズビアンのみなさん、同校を受験ください」と軽快なイメージでLGBTQの人たちを歓迎するメッセージを流していたという。石黒氏の友人はセクシャルマイノリティーでテキサス州の片田舎で育った。それまで家族を含め周りから迫害されていた中で、このこのメッセージを聴きスタンフォード大学に入った。「みんながありのままの自分を認めてくれる、ここに来られてうれしい」といってさめざめと泣いた。スタンフォード大学がしたことは制度だけではなく、友人の心の安全を守った。

石黒氏は、ネットイヤーグループの部門売却を米国の上場会社と交渉をしていた。話し合いは長時間となり、午後6時前、息子の保育所の出迎えが迫っていた。石黒氏は「申し訳ないですが、息子を迎えに行かないと」と申し出た。相手は取締役数人、議長は「申し訳ない。私は石黒さんの状況を知っていたにもかかわらず、当方から切り出さなかった。今すぐ、息子さんを迎えにいってくれ」と述べたという。これは制度ではなく心の作用である。制度があっても運用が追いつかないのであれば意味がない。💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇺🇸


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:がん治療の新しい手法」から

2023.9.29  日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:がん治療の新しい手法」から

毎年100万人の新規がん患者に対して腫瘍内科医は約1600人の不均衡

コラムの著者 フィル・ウィックハム氏(SOZOベンチャーズ創業者)が紹介しているシリコンバレー発のVBであるNeed社は、がん患者がどこで治療を受けるかに結果が左右されることを防ぐ挑戦を行っている。

◯がん保険の「金銭的支援」から「物理的支援」も提供する新型生命保険

 ウィックハム氏によれば、がんの治療方法は科学の発展とともに進歩しているが、治療方法の多岐化と複雑化で医療インフラへの負担、患者の経済的負担が増えているという。

  • 治療法の複雑化:常に最新の知見のアップデートが求められるが、がん治療に関わる専門医の不足もあって、病院や医師にとって大きな負担になっている。まさに新規がん患者に対して非常に少ない専門医が現状。これでは診断する機器があっても十分な能力が発揮できない。

Need社は情報共有プラットフォームを実現して、がん主治医と国内外のがん専門医をネットで繋ぎ、症例に関する最新の治療のガイドラインを提供したり、病理・放射線診断を再確認したり、治療計画について議論し、治療方針の決定に役立てる。

  • 新規のがん治療法は治療結果も向上:結果は良いが医療費が高額化し、治療期間も長くなる。その結果、患者への経済的負担は「経済毒性」と呼ばれ、治療成績や生活の質( QOL)に影響を及ぼしている。つまり、経済毒性で、患者が治療を継続できることが難しくなる。

このような課題に対して、Need社は保険会社と協業し、新たなカテゴリーのがん保険商品を開発している。従来の経済的負担に対する「金銭的支援」だけでなく、患者が最良の結果が得られるように「物理的支援」も同時提供するといったものである。

昨年、Need社はがん治療成績が世界最高水準と言われる韓国で大手のハンファ生命と提携して、「物理的支援」も行う商品サービスを開始している。🩻🩺🔍👚👔💬👩👦💵📶📈💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇰🇷🇺🇸🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「横山斉理の目:日英のスーパーマーケットの違い、英は店頭よりネットに軸足」から 

2023.9.29  日経産業新聞の記事「横山斉理の目:日英のスーパーマーケットの違い、英は店頭よりネットに軸足」から

店側の努力と顧客の期待の相互作用が店舗の充実を進める

コラムの著者 横山 斉理氏(法政大学経営学部教授・英スターリング大学訪問研究員)は、前回に引き続き海外と国内の小売、特に英国のスーパーマーケットの違いについて考察している。

○英国では宅配時間がきめ細かく指定できる

 横山教授によれば、日本と英国のスーパーマーケット事情を見ると、英国は欧州で最もEC(電子商取引)が浸透している。原因は、コロナ禍でロックダウンが進んでことで生活必需品をECでおこうことが奨励されたことがあり、それまでネットショッピングをやったことがない消費者が初体験したこともあるという。

横山教授の観察では、日英間で店頭に対する考え方が違うように映る。日米でのスーパーマーケットは、陳列やディスプレイなど華やかにするが、英国ではそのようなところはないと言う。日米の店頭の雰囲気をよくしようとする店舗側と、店頭に足を運んで買い物をしようとする顧客の努力は、鶏と卵の関係にあるという。

日本国内のスーパーマーケットでは、明るい照明、清潔なトイレ、快適な休憩場所、ストレスが少ないレジといった店内設備や、無駄のない品出しや手の込んだ商品ディスプレイなどが、店側の努力の、また顧客側の評価の対象となる。一方、英国では、生活時間にあった宅配時間がきめ細かく指定できるECサイトとなっている。

メーカーやマーケッターは自社の製品が、どこで売れたかの関心は薄い。ネットか店頭かは顧客のブランド感やエピソードを通うじて顧客の人生に関わるものであるといったことにも関わり、日本でも英国でも関心の対象になる可能である。📱🧺🛒🏪🎁🍌🧅🥬🌽🍅🛒🧺🦠🖋🔑🚕🚗🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🗒📕happy01🌏🇯🇵🇬🇧