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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「横山斉理の目:スーパーマーケットにも訪日外国人、ブランド評価高める好機」から 

2023.6.16  日経産業新聞の記事「横山斉理の目:スーパーマーケットにも訪日外国人、ブランド評価高める好機」から

SNSなどで海外への情報発信も可能に

コラムの著者 横山 斉理氏(法政大学経営学部教授・英スターリング大学訪問研究員)がインバウンド需要で外国人が体験したいが、不便やリスクのある地元スーパーマーケットでの販売について考察している。

○訪日外国人が購買体験したいがリスクのある地元のスーパーマーケット

 横山教授によれば、日本は東京五輪・パラリンピックの招致をきっかけに世界に対して「おもてなしの国」を主張し、大部分において快適な状況にあると言えるという。訪日外国人が立ち寄る飲食店には写真付きのメニューや食品サンプルがあり、外国語のメニューもある。礼義正しい、対応が迅速かつ正確といった意味でおもてなしを超えて外国人の不便を解消しようとしている。

その一方で、外国人訪問者が不便を感じる場所もまだまだあるという。その1つが地元のスーパーマーケットである。これらのスーパーマーケットは基本的に近隣住民の日常生活で買い物する場所なので、日本語表記が基本である。販売している商品のメーカーも自社製品を日本語で表記している。

最近の外国人旅行者は、観光地だけでなく、日本人が日常生活を送る場所で同じことを体験することを求めている。それが異文化体験であるからである。だが、そこで困ったことがある。

  • 1つは身体に取り込む商品である食料品や化粧品のような商品の購入場面である。アレルギーなどの健康問題や宗教や主義による禁忌などが関わるから問題となる。多くは事前に情報を得て深刻な状況に陥らないように調べていく。
  • 一般の旅行者や外国人居住者では、ベストでない商品を購入しても深刻な事態には陥らないが、商品の選択を誤ると、不便や不満を感じることになる。そんなとき、ビジュアルな情報は貴重で、現物を確認しながら、外国語表記あるいは自国言語で表記されるサイトにQRなどで誘導することは有用だろう。

このような表示によるおもてなしは自社ブランドの評判を上げる可能性もある。SNSが海外でも有用であることから、対応の良し悪しがそのまま自社ブランドの評判になる。DXで各メーカーも外国語対応はさほどコストのかかることでないので、対応しない手はないと横山教授は示唆している。🎁🍌🧅🥬🌽🍅🛒🧺🦠🖋🔑🚕🚗🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🗒📕happy01🌏🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:大谷翔平選手の原動力」から

2023.6.14  日経産業新聞の記事「眼光紙背:大谷翔平選手の原動力」から

人生の最大幸福は職業の道楽化?!

コラムの著者は、米大リーグで投打の「二刀流」という孤高の道を歩む大谷翔平選手のビデオインタビューから職業観について考察している。

○成功までの緊張感が幸せの源泉

コラムの著者は、大谷選手のセイコーウオッチのインタビュー動画を以下のように引用している:

『つらいなと思ってやめたくなるのが人だと思うので、それでも頑張りたいなって思える何かがあるから、その時点でもう幸せじゃないかなと。僕にとってはそれがたまたま野球でしょうけど……』

好きな仕事ができる職業を選んだものの、なかなか成果が上がらない。自分にはこの職は向いていないかもしれない、などと悩む人からみれば、この引用はどう映るだろうか。「辛くても頑張り続ければ成功への道が開けます」と大谷選手は言うのかと思えば、成功する「前」の時点で幸せであるという。辛くても頑張れる仕事をしている自分に気付く。この「状況」が大谷翔平選手の原動力だという。

大谷選手以外にもこの「状況」を語っている人がいるとコラムの著者は語っている。「日本の公園の父」と呼ばれる本多静六林学博士が著作「私の財産告白」の中で、「状況」を語っているという:

『人生の最大幸福は職業の道楽化にある。富も、名誉も、美衣美食も、職業道楽の愉快さには比すべくもない』

頑張るのは富や名誉のためではなく、仕事そのものが面白くてたまらないからで、そのような職業道楽の境地に大谷選手も到達しているのだろう。まさに職業道楽の境地にいる人は無敵に見える。🚚⚾️🎓🔍✏️📖💡💡👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡happy01🌏💡🔎🇯🇵🇺🇸


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:洋上風車の電力、水素に変換」から

 2023.6.14  日経産業新聞の記事「TechnoSalon:洋上風車の電力、水素に変換」から

発電から送電/エネルギー輸送の過程がロスを生む

コラムの著者 円山重直氏(東北大学名誉教授)は、洋上風力発電の風車を用いた再生可能エネルギーの効率的な利用法について提案し考察している。

○エネルギー効率の課題はグリーン水素利用の共通課題

 円山教授によれば、漆器に使う漆の採取にヒントを得て、洋上風車を使ったエネルギー輸送システムを考えたという。

漆は職人が漆の木を傷つけて出た樹液である生漆を巡回して採取し、精製するという。つまり、風車で溜めた水素エネルギーを適時に採集して利用するというものである。

日本のような周囲が海洋であれば尚更注目されているのが、洋上風力発電所である。洋上電力の開発が進み、陸地から離れた沖合に浮かんだ構造物(浮体)の上に風車を設置する。通常、発電された電力は海中・海底ケーブルで送電される。

近距離送電では交流送電が優位であるが、長距離となると高圧の直流送電が必要となり、洋上で交直流変電設備が必要となる。また、海中や海底で長距離送電するのはエネルギー損失が大きいため、沿岸から遠距離の洋上発電所は送電設備とその維持が課題となる。

円山教授は、漆の採集と同様、洋上風車で得られるエネルギーを回収船で輸送することを提案している。風車に水の電気分解装置を内蔵させ、生産された電力で水から水素と酸素に電気分解して水素を得て、浮体を水素の貯蔵タンクとして利用する。水素貯蔵タンクが満杯になったら、回収船が水素ガスを回収する。陸地では燃料電池やアンモニア製造にこの水素ガスを利用してエネルギーとする。風車と地上を結ぶ送電線や変電所は不要となる。円山教授は、実際このシステムが稼働するかどうか試算している:

  • 風車の形状:直径82.4mの定格出力電力2.3MWの浮体式洋上風車
  • 浮体:直径6m、長さ100mの高圧タンク

で風車が定格出力で稼働したとすると、タンク内が50気圧になるまでに13日かかる。さらに、資源エネルギー庁の2020年電力統計では、風車は定格の23%しか稼働しない。結局、水素回収船は約2ヶ月に1度この風車を訪れる計算となる。回収時期は、水素貯留率をモニターしながら水素を回収する。

建設費やその回収効率といった経済性を除いてもこのシステムには欠点があると、円山教授は指摘している。それは、エネルギー効率の課題である。

電力の水分解で水素を作るエネルギー効率は約70%で、燃料電池の発電効率は高くても60%程度、水素でアンモニアを作り火力発電所で電気を作ると効率はさらに下がる。つまり、電気で水素を作り、それを再び電気に変換するシステムは生産される電気エネルギーの半分以上を環境に捨てていることになる。これは、今回の洋上風車の例だけでなく、再生可能エネルギーを使ったグリーン水素の根本問題で未解決である。🌪️🚣‍♀️🎓🔍✏️📖💡💡👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️⏰🔧💻🖥📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:非ファブレスの強み」から

2023.6.13  日経産業新聞の記事「眼光紙背:非ファブレスの強み」から

利益率の高いファブレスにも弱点が

コラムの著者は、世界シェアで欧州の2社の後塵を拝してきたジャパンエンジンであったが、5月に4年ぶりに愛媛県今治市で開催された国際海事展「バリシップ」でそのエンジンの評判が高かったという。非ファブレスである同社の強みとは何か。

○大型船舶用エンジンを開発する会社は日欧の3社のみ

コラムの著者によれば、世界で大型船舶用ディーゼルエンジンを開発しているのは日欧の3社のみだという。独国のMANエナジー・ソリューションズ、スイスのウインターツール・ガス・アンド・ディーゼル(WinGD)、そして日本のジャパン・エンジンコーポレーションの3社である。

欧州2社は設計・開発のみ行うファブレスでエンジンメーカーにライセンスを供与している。一方、ジャパン・エンジンは三菱重工業の船舶用ディーゼルエンジン事業と神戸発動機を統合し2017年に発足した。ライセンス供与も行うが、自らもエンジンを生産しているところもあり非ファブレスであるところが特徴である。

確かに欧米のファブレス方式は利益率が高いことから、日本の製造業は遅れをとっていると言われてきたが、必ずしもそうでもないのがこのジャパン・エンジンの事例だという。バリシップで好評を得た新型エンジンは、燃費性能が素晴らしく、中国の内航コンテナ船で採用が相次いだという。その背景に、ジャパン・エンジンの幹部の言葉を引用して「ライセンスの供与によるブラックボックスがない上に、自社生産であるため改善点をすぐに反映できる」ことが強みのようだ。日本の製造業は後れているとは言われるが必ずしもそうでないことを示している。🧑‍🔧🚢🎓🔍✏️📖💡💡👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡happy01🌏💡🔎🇯🇵🇨🇭🇩🇪


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:『もう一つの谷』の物語」から

2023.6.13  日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:『もう一つの谷』の物語」から

シリコンの谷ではない農業の谷の物語

コラムの著者 フィル・キーズ氏(米インタートラストテクノロジーズ ディレクター)は、地球温暖化の影響か、米カリフォルニア州では天候不順で旱魃や大型台風による洪水で被害を受けることが多くなったという。あおりは、シリコンバレーのお隣で南方のSalinasという谷間の地域で深刻な農業被害に見舞われているという。

◯テック業界が立ち上がる前は、シリコンバレーも農産地だった

 キーズ氏によれば、カリフォルニア州は10月から4月が雨季であるが、ここ数年間、雨不足による旱魃被害や台風の大雨と強風で洪水やビルの窓ガラス被害などが起きているという。地球温暖化が目に見える形で現実となっているという。

嵐は、シリコンバレーの南のSalinas地域に大きな被害をもたらし、特に全米にレタスとイチゴの重要な産地であるという。シリコンバレーもテック企業が進出する前は、農産地であったが、テック企業が密集し始めると農業の中心地は、Salinas地域に移動した。

今回の台風の被害は深刻で、農産物の被害以前に堤防の決壊による洪水で町全体が水没してしまった。約2800人の住民の避難が必要で、農業従事者が多い。農業被害は、収入減につながり、今後の収穫にも影響を与えてしまう。

さらに、Salinas市の中心にあるHartnel College はアグリテック中心の起業プログラムを推進している。農業被害は、支援にも響き、さらに対象となる農業自体が厳しい中でのスタートアップとなればさらに状況は厳しいと言える。🚜🥬🍓📶📈💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇺🇸