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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:30歳になったJリーグの課題」から

2023.4.5  日経産業新聞の記事「眼光紙背:30歳になったJリーグの課題」から

リーグ創立の理念である地域密着を生かすチームの成長は?

多くの名門サッカーチームやクラブの躍進を支えているのは欧州では巨大企業や富豪などであるが、日本国内のJリーグはそういった手段は取れない。コラムの著者は、Jリーグ創立の理念であった地域密着に成長のヒントがあると考えている。

○30歳の「中年」になったJリーグの課題はその成長の源泉をどこに求めるか

 コラムの著者によると、サッカー日本代表、三笘薫選手の大活躍で注目されているイギリスプレミアムリーグのブライトンもかつてはスタンドは閑古鳥がなき、厳しい運営であったという。

近年の躍進を支えてきるのは1人の富豪、トニー・ブルーム氏で2009年同クラブを買収しオーナーとなった。このように欧州のクラブチームは大富豪が運営を支えているところが少なくないという。イギリスのチェルシー、マンチャスター・シティも同様だという。イタリアでも名門ユベントスやACミランなどは大企業の名家や起業家が私財を投じている。

しかし、この方法を日本のJリーグが取ることは難しい。楽天グループの三木谷浩史氏がヴィセル神戸にスター選手をかき集めた例はあるが結果は思わしいモノではない。

Jリーグの地域密着の理念に立ち戻れば、地元のファンに支えられるクラブという理念は捨てられないだろう。地域のこの「熱さ」をどう喚起し、クラブの成長に繋げるかが、中年Jリーグの使命となっている。⚽️💰💴💵📉📈👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵🇮🇹🇬🇧


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「WAVE:知られざる偉人」から

2023.4.6   日経産業新聞の記事「WAVE:知られざる偉人」から

バイオテクノロジー黎明期の金字塔を打ち立てた宮家隆次氏

コラムの著者 室田 浩司氏(京都大学産官学連携本部長)は、日本のイノベーションでノーベル賞受賞者意外にも現代の極めて重要な研究を行ってはいたものの一般には知られていない研究者について触れている。

○米バイオテック企業のアムジェンを成長に導いた研究成果とは

日本の大学の成果から生まれたイノベーションの多くはノーベル賞受賞者の研究が著名である:

  • 本庶佑教授(京都大学):免疫チェックポイント阻害因子の発見はがん治療のあり方を変えた。
  • 赤崎勇教授と天野浩教授ら(名古屋大学):青色発光ダイオードの発明は高輝度かつ省エネルギーな白色光源を生んだ。

室田氏はこれらのノーベル賞受賞者以外でほとんど一般に名前が知られず、大きな成果を世界に残した研究者を紹介している。熊本大学出身の宮家隆次氏である。

熊本大学医学部の研究者であった宮家氏は、体内に存在することと赤血球を増やすことはわかったが、当時、世界中の研究者が単独分離に成功していない「エリスロポエチン(EPO)」の研究であったという。

EPOは赤血球の不足によって産生されるために、宮家氏は重度の貧血である再生不良性貧血の患者の尿にEPOが豊富に含まれているのではないかという仮説を立てた。そこで、熊本大学病院や近隣病院の外来患者の尿を集め、特殊なフィルターで濾しEPOの濃縮に取り組み始めた。実験はまさに昼夜兼行で行ったが、大量の尿の悪臭と戦って得られたのが2.5トンの尿からわずか15mgのEPOの粗精製品を得たにすぎなかった。しかし、動物実験で赤血球増の効果が確認された。問題はEPOを純粋な物質に生成する実験装置も研究費もなかったことである。

この苦難を乗り越えるため、宮家氏はライバルである米シカゴ大学を頼ることにした。その後宮家氏は研究を続け、1976年7月、ついにEPOの精製に成功した。この成功で、EPOのアミノ酸配列がわかり、後にEPOをコードする遺伝子も発見された。シカゴ大学と共同研究でEPOを医薬品として開発したのが米バイオテック企業、アムジェンであった。

EPOを有効成分とする「エポジェン」は透析患者を対象とした臨床試験で極めて高い有効性を示した。エポジェンはアムジェンの大型成長製品となり巨大企業に成長する。まさに宮家隆次氏の業績はバイオテクノロジー黎明期の金字塔であったが、日本ではほとんど顧みられず、2018年亡くなった。😷🐱🐶📡🛰🏢🏥👩👨🚘🚗📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵🇺🇸


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:供給問題、モノからヒトへ」から

2023.4.3  日経産業新聞の記事「眼光紙背:供給問題、モノからヒトへ」から

モノは高度化することで凌げたがヒトは地域限定のリアルタイム管理で深刻化

ウィズコロナ時代へ移行する中で、製造業を悩ませてきた半導体などの原料、部品のサプライチェーン問題は徐々に緩和され、今問題になっているのは労働力の供給問題が浮上してきている。コラムの著者は、モノからヒトへ供給問題は移行していると指摘している。

○仕事を求めて移動した労働者はコロナ禍で移動リスクがあり生活費の高騰で動けず

 コラムの著者によると、中国では「時給9元(約175円)」が話題になっているという。過去十数年で賃金が高騰しており、上海市、江蘇省、広東省などで工場の労働者の時給が24元(約470円)前後に到達し、四川省などの一部の地域では時給9元の募集に人が殺到したという。その背景に、外資系の電子機器メーカーの組み立て工場などが撤退し始め、局所的な辞任余剰が発生している。だが、これまでと違い、労働者が動かないという。1つは新型コロナウイルスの感染防止施策として中国政府がロックダウンなど厳しい規制を行い、移動制限リスクを警戒したり、生活費の高い都市に移動すると、出稼ぎの割が合わないことになる。

しかし、中国の近隣各国で中国から流出した労働力需要が急増するが対応できず、労働者の奪い合いや賃金高騰が起こっている。

半導体などの原料、部品のサプライチェーン問題は在庫の積み増しや調達先の複線化で凌げたが、マンパワーは地域限定でリアルタイムでの供給が基本で、離れた拠点を容易く移動できない。ここに供給問題はモノからヒトに移行し始めている。💰💴💵📉📈👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵🇨🇳🇻🇳🇮🇳


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「いいモノ語り:このこのごはん、「ペット」と呼ばないで」から

2023.4.5  日経産業新聞の記事「いいモノ語り:このこのごはん、「ペット」と呼ばないで」から

空前のペットブームの背景にあるものは

コラムの著者 岩永 嘉弘氏(日本ネーミング協会会長)は、いつもの柔らかい口調で最近のトレンドのネーミングについて語っている。

○家族化するペットに対する意識も変化

 近隣の奥様の怒りはどこからなのか。「『その犬、なんていうお名前?』なんて聞くのよ。失礼よね。うちの子をなんと思ってるのかしら、まったく」といった言葉。つまり、この子は「犬」ではなく、彼女にとっては家族で、「ペット」といっても叱られるとのこと。犬の立場や地位がぐんぐん上がってきて、飼い主と対等に近くなった。つまり、家族の一員である。

岩永氏によれば、空前のペットブームで、その背景に、核家族化、孤独なシニアの増加、若者の晩婚と非婚の傾向が、彼ら(ペット)との同居を促したのではないかと思っている。

岩永氏は「このこのごはん」という自然食材で厳選して作った愛情いっぱいのペットフードに注目した。家族化した彼らに対する私たちの呼び方も激変したという。「うちの犬」や「うちの猫」とかは言わなくなった。つまり「このこ」なのである。

このネーミングには「あなたの「この子」のために愛を込めて作りました」というメッセージが込められている。健康を大切に考え、このこへの愛情いっぱいという。ブランド名「コノコトトモニ」も岩永氏のお気に入りである。🐈🐱🐕🐶🍖🍽👜🏯📗🖥👧👦🛌🏢🕛📈🏢💡⚡️🌍happy01🌳🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:『預金はうつしたか?』」から

2023.4.4  日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:『預金はうつしたか?』」から

今後のスタートアップ支援や金融のあり方についての教訓

コラムの著者 伊佐山 元氏(WiL共同創業者兼CEO)によれば、SVB(シリコンバレー銀行)の経営破綻と米連邦預金保険公社(FDIC)の管理下に入ったその日、何が起こったか詳細はわからず迎えたという。

 ○情報伝搬の速さが約28兆円の資産を48時間以内にゼロにした

 伊佐山氏によれば、日曜日の午後FRBが預金の全面保護を発表するまで、週末も混乱が続き、資金を引き出せなかったスタートアップやVCからは悲鳴の声と、給与の支払いをどうすれば良いかの相談が相次いだという。特に米カリフォルニア州刑法では、給与が支払えなことを知りつつ、従業員を働かせた場合は重罪として経営者は起訴される可能性も出てくることが頭を悩ませた。

破綻の要因はいくつかある:

  • 金利上昇:世界中の金融機関の債権ポートフォリオを傷つけ含み損が発生していた。
  • 高速に広がる情報:今回の取り付け騒ぎは、携帯のテキストやSNSでの投稿が1日で5兆円を超える預金の引き出しとなった。このような引き出しに耐えられる銀行は世界中にないだろう。
  • オンライン口座の閉鎖なし:著名人やVCが噂を広めたことで、真偽を確かめる前にオンライン口座に向かって出金手続きをした。オンライン口座などのフィンテックがこのようなアキレス腱であること誰しも気づいた。もしオンライン口座を閉鎖していたなら、リアルの支店に出向く形の取り付け騒ぎとなり、アナログ的に出金のスピードもコントロールできて、SVBの破綻も防げたかもしれない。

この事件を2008年のリーマンショックをきっかけにフィンテックが進化したように、SVBの破綻が、今回よりも安全で信頼できる金融サービスが生まれるきっかけにもなろう。日本国内も他山の石として、今後のスタートアップ支援や、スタートアップへの金融のあり方を議論するチャンスだと伊佐山氏は示唆している。🏦📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵🇺🇸