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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「いいモノ語り:韓国のマニュアル会社、企業の海外展開支える」から

2023.4.19  日経産業新聞の記事「いいモノ語り:韓国のマニュアル会社、企業の海外展開支える」から

印刷から内蔵、ネット経由の使用説明へ変化

コラムの著者 高橋 慈子氏(テクニカルライター)は、サムスン電子の本社がある韓国・水原(スウォン)のマニュアル制作会社ハンセム・グローバルを訪ね取材し、マニュアル制作と企業の海外展開の関連などについて語っている。

○現在は利用者だけでなく販売員向けのマーケティング資料の制作も

 高橋氏によれば、現在の取扱説明書や使用説明の動向について同社社長キム・ヤンスク氏は、印刷物の取扱説明書のページが減り、機器に組み込まれたり、ウェブで見たり電子的な使用説明が主になっていると語ったという。同社では英語の資料をもとに50カ国以上の言語で使用説明を制作しているという。

社内の体制は、

  • 制作:英文で制作できるテクニッカルライター
  • 現地言語化(ローカライズ):専門チームが制作
  • 翻訳レビュー:主要言語に対応できる校正者

で、正確かつスピーディーに制作できることが同社の強みだという。

近年同社が力を入れているのが、販売員などに向けたマーケティング資料の制作だという。新製品の魅力を利用者視点で伝え、他社製品との相違などからお客様から受ける想定した情報を明快に整理して各種資料として提供している。まずは、販売員が当該製品のファンになることが販売力の強化につながる。特徴が一目でわかるような動画資料も制作している。日本国内も高い技術を持ちながら成長に苦慮するところは同じ課題である📚📗🖥👧👦🛌🏢🕛📈🏢💡⚡️🌍happy01🌳🇰🇷


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:地域独占が招いた送電網の遅れ」から

2023.4.14  日経産業新聞の記事「眼光紙背:地域独占が招いた送電網の遅れ」から

公正な競争環境導入から再エネの出力変動抑制に目的をスライド!?

脱炭素社会に不可欠な再生可能エネルギーの普及のネックが送電線の整備で、出力変動が大きい特性を全国的な電気の融通で抑えることで解決しようという議論がある。コラムの著者は、この議論の前提に本来電力自由化であったことがすり換えられていないかと危惧している。

○地域独占が電力会社の既存のビジネスモデルであるためか

 コラムの著者によると、送電網整備に6兆〜7兆円の投資が今後30年間かかると電力広域的運営推進機関が試算している。しかし、全国的な送電網の整備の前提は、電力自由化を進める際に、電力会社間の公正な競争を促進するのが目的であったはずである。

北海道と本州間で電力のやりとりできる送電容量は、現在の6倍以上の600万キロワットに拡大すると電力広域的運営推進機関が試算している。この容量があれば風力発電所の適地とされる北海道から本州へ電力を送ることができ、条件次第で、逆に本州から北海道全域に電力を賄うことも可能だという。自由化と同時に整備を進めていれば、強烈な競争を促進できた可能性もあるという。

どこに送電網の整備に対して阻害要因があったのか。コラムの著者がある電力会社の幹部に話を聞いたところ、「地域独占を前提に成り立っていた業界秩序が壊れることを嫌がっているというのが本音」と語ったという。送電網の全国的整備さえなければ、自由化しても地域独占を事実上維持できると考えている背景がある。欧州など海外では、国境を超えた電力網が張り巡らされているが、日本ではそれ以前に東日本と西日本で電力の周波数が異なるなど国内ですら送電網は整っていない。

全国的な送電網が整備されていれば、中部電力などが実施した再生可能エネルギーの出力調整は不要であったし、大手電力会社のカルテル問題もなかったかもしれない。地域独占のツケが送電網の整備の遅れにつながっているのが透けて見える。☀️⚡️💡🗼💰💴💵📉📈👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:労働力の多様性と活力」から

2023.4.14  日経産業新聞の記事「SmartTimes:労働力の多様性と活力」から

世界最大のピッチコンテストの審査委員は全員女性

コラムの著者  石黒 不二代氏(ネットイヤーグループ取締役チーフエヴァンジェリスト)が、シリコンバレーにあるテック企業に特化したVC支援で感じたことは、労働市場の多様性とダイナミズムだという。

○男性社会から大きく変貌したVC業界

 石黒氏は自分のパーパス(存在意義)を考え、日本の技術を復活させたいという思いから、自分でできる活動として米シリコンバレーのテック企業に特化したVCの支援を始めたという。

支援が深まるとシリコンバレーや米国の労働市場の多様性とダイナミズムに驚くという。支援の具体的な内容は、石黒氏が米国のスタートアップのピッチコンテストでファイアチャット10呼ばれる著名なVB創業者や大企業の幹部のインタビューがあり、その1人と務めたという。

ここで石黒氏は3Dプリンタで上場でユニコーンのスタートアップとして有名なカーボン社を紹介している。彼女は同社の創業者ジョー・ディシモン氏にインタビューした。ディシモン氏は現在スタンフォード大学の先端医療と化学工学の教授で、ノースキャロライナ大学教授を経てセコイヤキャピタルから依頼されてカーボン社を創業した。

同社の人材はテスラの元副社長を採用し、テスラから50人もの従業員も移籍した。創業者の化学の専門性とソフトウェアの融合がカーボンを3Dプリンティング業界のトップに押し上げた。また、3Dプリンターの完全自動化を実現し、ビジネスモデルもサブスクリプションが採れるようになった。これがカーボンがユニコーン企業になる要因の1つであった。

アカデミアとスタートアップ、異なる技術の融合を起こす労働の流動、そのダイナミズムに石黒氏は驚いたという。米シリコンバレーでの人材の多様性は、世界最大のピッチコンテストの審査員が全て女性であることからもわかるようにこれまでのVC業界が男性社会であったことを変えている。日本では労働市場の流動化が再三叫ばれているが、世界的にはスタートラインに立ったばかりの状況である。シリコンバレーでのイノベーションは、労働力の流動化と多様性のダイナミズムに由来している。日本でも学んでいかねばならない。💰💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇺🇸


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:ニップンの期間限定冷食、リピート率高め市場拡大」から 

2023.4.14  日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:ニップンの期間限定冷食、リピート率高め市場拡大」から

消費者の手に入れやすい期間限定商品

コラムの著者 高岡 美佳氏(立教大学経営学部教授)が今回取り上げるのはニップンの準高価格帯の個食向け冷凍パスタ「オーマイプレミアム うま塩レモン」のマーケティング戦略である。スーパーマーケットやコンビニエンスストアの定番の味とはことなった商品開発について考察している。

◯20周年を記念した商品

 高岡教授が紹介している同商品は3月上旬に市場投入して以来、想定の1.5倍ペースで出荷量が伸び好調だという。

同社の冷凍パスタ市場に参入した経緯は以下の通りである:

  • 1994年:冷凍パスタ市場に参入。当初は白麺タイプと冷凍ソースをそれぞれ単品で発売。
  • 1998年:過熱後にそのまま食べられるトレー入り商品の発売
  • 2001年:環境負荷を考慮して紙トレーを採用。
  • 2003年〜:オーマイプレミアムシリーズを開始。

冷凍食品市場は約4295億円で冷凍パスタは343億円と最も大きなシェアを占める(インテージ調べ)という。さらに、冷凍パスタで個食に目を向けると、トレー入りパスタの成長は著しいという。このカテゴリーでメジャーは、今回紹介しているオーマイプレミアムである。同社が期間限定商品として発売するのは初めてで、市場的に大きな意味があるという。

これまではスーパーマーケットやコンビニエンスストアで並ぶ冷凍個食パスタはボロネーゼやペペロンチーノといった定番が多いという。定番商品は一定の需要と販売が見込めるため、食品メーカーや小売店バイヤーにとってもメリットがある。ただ、定番では選択がなく、リピート率が下がる。

既存顧客のリピート率を上げるため同社は味のバリエーションを増やす戦略をとった。同社の企画開発部によれば、今回の商品開発の1番の狙いは、顧客に冷凍パスタを選ぶ楽しみを提供し、春夏に向けて、爽やかな味わいを届けたかったという。20周年を迎えて、トップブランド自ら新たな市場開拓に挑戦している。🍝🍴🍽👧👦📗🔉🚚☕️🍮🖥🍶😷🦠🏢🗒🏪🏢💡🔎⚡️happy01🌏🏡👝📦🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:宇宙の日米協力と防衛産業の衰退」から

2023.4.12  日経産業新聞の記事「眼光紙背:宇宙の日米協力と防衛産業の衰退」から

必要な日本国内の産業育成と安全保障のバランス

コラムの著者は、日米協力でかつての国内の防衛産業が衰退した轍を宇宙産業でも踏んではならないと示唆している。

○輸入に頼ることは自国内の産業の芽を摘む可能性がある

 コラムの著者によると、1月に宇宙分野に関する協力協定に岸田文雄首相が署名した。声明では「これまでになく強固な日米同盟の協力分野が一層広がることを強く期待する」であったという。協定に先行して外務・防衛担当閣僚級協議(2プラス2)で宇宙空間を米国による対日防衛義務の対象とすることも確認した。

この協定に議論がないわけではない。日米協力で、安倍晋三政権の時代に一気に進んだが、協力の名の下に戦闘機を始め米国からの輸入が大幅に進んだ。結果として防衛予算は増えても国内の防衛産業には予算が回らず、衰退の危機に面していた。

宇宙産業も同様で一方的な米国への協力は、育ちつつある国内産業の芽を摘むことになりかねない。すでに人工衛星分野で、防衛協定ではないが、日米貿易摩擦が激しいころの1990年代米国との間で技術開発や安全保障以外の人工衛星は輸入となり、育ちつつあった国内メーカーがその後の市場開拓で苦戦をした経験がある。

日本政府も宇宙ビジネスは日本経済を牽引する成長産業と見ているのに日米協力では腰が引けた感がある。防衛産業の轍を踏まないためにも国内産業育成と安全保障のバランスを考えるべきだという。🚀🌖🌟💰💴💵📉📈👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵🇺🇸