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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:投資の『常識』を見直す」から

2022.12.28  日経産業新聞の記事「SmartTimes:投資の『常識』を見直す」から

かつての資金調達の状況で初心忘るべからず

コラムの著者 村松 竜氏(GMOペイメントゲートウェイ副社長兼GMOベンチャーパートーナーズ ファウンディングパートナー)は、資金調達を10年以上前の状況に戻すという。その背景について語っている。

○自己資本で始め、黒字化後資金調達して事業を展開するかつての資本政策

村松氏によれば、10年前の資金調達の常識は最初から黒字になるビジネスであったという。最小限の資本で黒字化する。そしてそのことに全神経、事業資源を集中させるというものであった。当時はこれが常識であって、今更と言って失笑を買っただろう。今の時代にこれを言うと馬鹿なといって失笑を買うかもしれない。

2000年以前は自分の貯金と親族からの借金で事業を立ち上げ、黒字になってからは銀行借り入れで事業を伸ばし、その後上場や外部資本の導入でさらに成長を加速した。こういった経緯で生まれた会社には製品や経営のユニークネスが非常に高い。20年くらい前からVCが増え始め、次第に赤字でも投資を得られるようになった。

10年前から上場して成功した起業家が投資家側になり、エンジェル投資家と呼ばれるようになる。投資家の厚みが増えていった。

5年くらい前から事業会社がどっとスタートアップ投資を開始した。売り上げ予想がしやすいSaaSの普及も手伝って、赤字でも上場できるようになる。これが日本の未上場資本市場の発展の歴史であると村上氏は述べる。

ところが、国内ではなく海外に目を転じると、特にアジアでは国内の歴史的な出来事が3倍速から10倍速で起こる時代となった。5年前から世界のマネーがどっとアジアに資本投入され、ユニコーンが日本以上に発生し、2年前から赤字のまま上場するデカコーン(時価総額100億ドル以上)が相次いだ。この背景には、ICTやスマホなどの情報機器の急速な普及と莫大な人口増で、経済成長のニーズもペインも増える一方となった。VCの常識もシリーズAの次はB、その次はCという増資前提でビジネスプランを立て資金調達を進めてきたが、それからも自由になるべき時かもしれないと言う。つまり、売上高、粗利益、入金サイクルを強く意識しすぐに黒字化して、たまたま良き投資家がいれば成長性に生かし、その後は自律して成長するといったモデルである。これであればVCや外部投資家に依存しない成長が見込めるからである。🛕🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:2022年の『サプライズ』」から

2022.12.27  日経産業新聞の記事「眼光紙背:2022年の『サプライズ』」から

2023年も底堅いドル体制が世界を席巻したことでサプライズが生まれる

コラムの著者は、2022年を振り返り、世界の金融市場のサプライズについて語っている。

○政治的サプライズ、イノベーションと高い流動性環境が新たなサプライズを生む

 コラムの著者によれば、昨年2022年は世界の政治・経済に大きな影響を与える出来事が相次いだという。政治的には、

  • ロシアによるウクライナ侵攻
  • 中国の習近平総書記の続投

といった世界を2分する対立構造が明確になったという。かつての東西冷戦時代を思わせるような情勢で不透明感が増している。

経済的には、金融市場でサプライズが2022年に起きてる。米国では予想もしなかった40年ぶりの9.1%のインフレーションが発生し、7回の累計400 bp(bases points)という急激な利上げが行われた。これに対して株価はコロナ禍前の高値に比べ1割以上も高水準に動き、底堅い金融市場を見せつけた。この源泉は、米国のイノベーションと高い流動性の金融環境にあるという。米当局は名目経済成長率8%に対して長期金利が4%に過ぎず、厳しい引き締めとはなっていない。かえってドル市場の活気で世界のマネーが熱気を帯びて米金利を押し下げようとしている。

強いドルでの米経済は、新興諸国に需要を供給し、中国が現在失速している分を穴埋めしている。米ドル体制下のグローバルな資金循環が動いている。22年はこの動きが継続し、市場は堅調で、経済は新たなサプライズを提供すると、コラムの著者は予想している。💵💰📈🚗🚀⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋happy01🌏💡🔎🇺🇸🇨🇳


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:日本のVC、進化が必須」から

2022.12.26  日経産業新聞の記事「SmartTimes:日本のVC、進化が必須」から

日本の機関投資家が国内のVCに投資してこなかった理由とは

新年あけましておめでとうございます。今年もこのコラムをお楽しみください。

昨年は日本のW杯での活躍で国内も世界も熱くなったが、コラムの著者 榊原 健太郎氏(サムライインキュベート代表取締役)の業界、VCでは未だ米国にも後追い状態で、少なくとも追いつきたいという。なぜ、米国と日本ではこれほど差があるのかについて語っている。

○米国の後追いから追いつきへ

榊原氏によれば、W杯のランキングと同様に世界の企業のラインキングは時価総額となるという。W杯の出場国枠と合わせて32位以内に2022年11月時点での日本企業が入っているかを調べると、残念ながら1社も入っていないという。1989年(平成元年)にはトップ500の7割を占めた日本企業が今は全く入っていないということに危機感を持たねばならないという。

2015年のスタンフォード大学とブリティッシュ・コロンビア大学の教授らによる調査によると、米国のVCと上場企業の関係が興味深いという:

  • 米国で1974年以降の上場企業の42%がVCから資金調達を実施
  • その調達額は、上場企業の時価総額累計の63%が該当
  • その雇用規模は35%に該当
  • 研究開発費では85%もの上場企業がVCからの出資

一方、榊原氏のVCも含めて日本のVCはこの規模にない。日本国内における時価総額ランニングをみてもトップ10すら、日本のVCから資金をどこも調達していないのが現状である。

資金調達額も米国の3760億「ドル」で日本の約8000億「円」(2021年)と桁違いである。この中で日本のVCが国内のスタートアップに投資したのは約3300億円である。

日本のVCファンドへの投資家は、

  • リターン目的ではなくシナジーを目的とした日本企業や既存の起業家
  • 2桁あるいは3桁億円の資金を提供できる機関投資家がいなかった

などで日本のVCが国内のスタートアップ投資する額は小さかった。

ではリターンを求める機関投資家が日本のVCに投資してこなかったのか。

  • 日本国内のVBは100億円前後でIPOすることが多く、グローバルマーケットを狙って進出するVBが少ないため、成長してもあまり大きな規模感がなく、投資規模のロットに合わずリターンが少ないというのが大きな要因。
  • 少子高齢化における国内市場自体、魅力に欠ける
  • VCや支援側のグローバル進出支援の対応に遅れがあり、グローバルな視点で見てもさまざまなVCとしてのスキルセットが追いついていない

という。ただ、米国ももともと日本と同様に事業会社が出資者の中心で、VCはマイナーであった。しかし、米国政府の制度改革や法整備で機関投資家がVCファンドへの出資を開始したことで、成功事例が積み上がられ、起業家を呼び込み、マーケットを拡大してきた。

後追い状態から追いつきにまで行くにはまだまだ制度改革や法整備とVCの進化が求められている。🛕🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇺🇸