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2022年12 月

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「関沢英彦の目:平屋とタワーマンション、豊かさモデルの両極」から 

2022.12.16  日経産業新聞の記事「関沢英彦の目:平屋とタワーマンション、豊かさモデルの両極」から

住生活の底に伏流水のように流れる価値観の違いが存在

 コラムの著者 関沢 英彦氏(発想コンサルタント)によれば、書店では平屋建て住宅の本が注目されている一方で、タワーマンションと呼ばれる超高層の集合住宅も人気が続いている。さて、平屋とタワーマンションという対照的な住まいは現代における「豊かさモデル」の両極を示しているという。

◯将来はどちらも満足する住まいも登場か

 関沢氏は、住まいに表れる「豊かさモデル」を下表のように分析している:

平屋モデル タワーマンションモデル
自然 技術
生活 経済
地域 個人
  • 「自然」VS.「技術」:平屋を好む人は樹木や草花が間近にあることを好み、タワーマンション派は眺望の良さを誇る。つまり、自然との共生か、技術力で可能となった環境をとるかになる。
  • 「生活」VS.「経済」:平屋派は庭仕事や家の手入れなどの生活に向き合う局面が多い。タワーマンション派は規模が大きいので、売主・建設会社・管理会社の実績や評価を慎重に調査する。住まいの資産価値に影響を与えるので、経済の変動にも敏感である。
  • 「地域」VS.「個人」:対人関係についての違い。平屋派は、庭越しの挨拶やゴミ出しの当番など、地域の人々と親密な関係となる。タワーマンション派は個人間に距離を置く人が多い。

このように豊かさの「平屋モデル」では「自然・生活・地域」が重視され、「タワーマンションモデル」では「技術・経済・個人」の比重が高い。もっとも近い将来、VR技術などで外の景色は変えられるであろうし、両方のモデルを満足させるような住まいも登場するであろうと、関沢氏は予想している。このように住生活の底に伏流水のように流れる価値観の差異が、マーケティングでは良き洞察となると思われる。🏢🏘🏡💭💬📖🖋🏫🎩📕👩✋⛑🕠💪🏃‍♀️📺📶💺💻🏠👧👩😷🦠❤️🌍happy01🌎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:民営化35周年、国鉄はどう変わったか」から

2022.12.19  日経産業新聞の記事「TechnoSalon:民営化35周年、国鉄はどう変わったか」から

難しい課題は残るが総じて収益性・サービスの質・安全性は向上

今年2022年が1987年に旧日本国有鉄道(旧国鉄)がJR7社に分割民営化されてから35周年になるという。コラムの著者 山﨑 弘郎氏(東京大学名誉教授)は、35年間で巨額の赤字を抱えていた旧国鉄の事業収益性がどのように変わり、モビリティーサービスもどのように変わったかをみている。

◯首都圏と地方の格差は解消されず

 山﨑教授によれば、財務面では:

  • JR東日本:1993年で完全民営化
  • JR西日本:1996年に完全民営化
  • JR東海:1997年に完全民営化
  • JR九州:2016年に完全民営化、流通や不動産などの非鉄道事業が鉄道事業の売上高を超えた
  • JR北海道:完全民営化は未達、札幌駅まで新幹線を延伸するまでは厳しい
  • JR四国:完全民営化は未達、収益の柱になる新幹線を持たない
  • JR貨物:2030年に完全民営化を目指している

となっている。JR旅客6社は分割前と比べ乗客数は32%、JR貨物は貨物輸送量が6%増えた。また鉄道事故も分割前に比べ6割減少した。また、サービスの質は定量的なデータはないが確実に向上したと言われている。利用者に迷惑をかけるストライキも無くなった。

だが、多くの課題が残っている。その1つが首都圏と地方の格差であるという。田中角栄が当時通産大臣であった50年前に著書「日本列島改造論」で主張したのは、新幹線網と高速道路網を整備し太平洋側と日本海沿岸の地域格差、都市と農村の経済格差を解消するのが狙いであった。実際に日本海側への新幹線網は整備されたが、農村から都市への人口移動、特に東京への一極集中の解消には至っていない。これと同時に、地方の鉄道は人口減少で乗客数が減り、赤字体質が定着。列車本数が減ってさらに過疎化を加速させた。

分割で先行きが懸念されたJR貨物だが、人件費が旅客よりもコストが優位で在来線の線路を借用して財務体質を改善し、トラック輸送などに比べて脱炭素対策として貨物は圧倒的に優位であることから見直されている。

総じてJR各社への分割は難しい課題は残っているが、収益性は改善し、モビリティーサービスの質、安全性は向上した🚆🚅📊⚡️💡😷🌍🤖💻🧠🍞🎓✏️🏙🌾🍓😅🏃‍♀️🏠😷🦠❄️🍅📖🔎⚡🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「いいモノ語り:外遊び用の保護帽、安全性と見た目を両立」から

2022.12.14  日経産業新聞の記事「いいモノ語り:外遊び用の保護帽、安全性と見た目を両立」から

児童用だけでなく高齢者向け、障害者向けなども必需品になる可能性

コラムの著者 栗坂 秀夫氏(パシフィックデザインアソシエーツ代表)は、特殊衣料(札幌市)が2000年産学連携で開発が開始された保護帽「アボネット」シリーズについてふれている。

○障害者などが利用している保護帽の概念を転換

 栗坂氏によれば、子どもが外遊びで怪我をすることを防ぎつつ、仰々しいものを避けておしゃれな防具を選びたいというニーズに応えるのが保護帽「アボネット」であるという。同商品は「普通の帽子でありながら、衝撃を和らげる機能的な帽子」がコンセプト。安全性とファッション性を兼ね備えた帽子として20年前から販売。子どもから大人まで様々なタイプを扱っている。今回の商品は、子ども向けの「緩衝材入り紅白帽」の緩衝材の組み合わせを見直し、新色を追加したリニューアル商品である。

緩衝材には高密度で微細かつ均一なセル(気泡)構造のウレタンフォームとハニカム状の穴の空いたメッシュの2種類を使用で、よりしっかりと頭部を守れるようにした。さらに製品安全協会(東京・台東)が認定する「安全商品マーク(SGマーク)」をカラー帽として始めて取得した。

同社は、障害者などが使っていた保護帽の概念を転換。障害者に限らず多くの人がおしゃれ感覚で使えるユニバーサルデザインの保護帽として商品化している。高齢化が進むに日本ではこのような帽子が必需品となる可能性があるといえる。🧢🛠🍖🍽👜🏯📗🖥👧👦🛌👧🏢🕛📈🏢💡⚡️🌍happy01🌳🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:経営者保証なしの融資は朗報か」から

2022.12.9  日経産業新聞の記事「眼光紙背:経営者保証なしの融資は朗報か」から

融資先の経営環境に影響し賛否両面の議論がある

中小企業庁は「経営者保証」をつけない融資を金融機関に促す仕組みを20234月に導入する見込みである。コラムの著者は、この融資に対し、賛否両面の議論があることに触れている。

○中小企業や融資を行う金融機関の人材についても影響

 コラムの著者によれば、今回の中小企業庁の経営者保証なし融資を促進する策は、経営者や起業しようとする人にとっては朗報であるが、問題がないとは言えないという。

一般的に中小企業への融資では、経営者が自社の債務を保証する。返済が滞ると、経営者が会社の借金を肩代わりする。その際に生活に困るだけでなく、最悪の場合は生命保険の保険金で返済しようと経営者が自殺を選んでしまう場合もあるという。つまり、経営者保証なし融資の良い面はこのような悲劇を防ぎ、起業に挑戦する人や中小企業の後継者の後押しにもなるという。

一方、経営者保証なし融資の悪い面はもある。経営者保証なし融資では企業が経営の透明性を確保する必要がある。つまり、中小企業で、財務や経理に通じた人材が必要であるが、このような人材が不足している。人手不足で透明性をどこまで確保できるのかが課題となる。会社のお金を私的に使おうとする経営者をどう阻止できるのかも課題になる。

節税目的で会社の決算を赤字スレスレにする一方で経営者の報酬は確保する事例もあり、このような企業に融資するのはいかがなものか。

また、経営者保証なし融資では、企業の事業計画を評価し、そのリスクに応じた金利を設定することになるが、このような評価を行える能力を持つ人材が、金融機関で確保できるのか。さらに経営者保証なし融資では金利が上がるので、経営者はその金利を受け入れられるのか。このように経営者保証なし融資にはお金の流れを停滞させる可能性を持っている。📈🚗🚀⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:受け継がれる起業遺伝子」から

2022.12.14   日経産業新聞の記事「SmartTimes:受け継がれる起業遺伝子」から

日本の労働生産性の向上に貢献するリクルートの遺伝子を受け継いだ起業家

コラムの著者 吉井 信隆氏(インターウォーズ社長)によれば、リクルートから独立し大型資金調達を達成したスタートアップ、アンドパッドの社長 稲田武夫氏の企業理念がリクルートのDeNAが引き継がれているという。

○リクルート創業者江副浩正氏の行動指針を継ぐ

吉井氏によれば、アンドパッドが122億円の資金調達を達成し、累計209億円という大型資金調達となったという。同社は建設現場の効率化から経営改善まで一元管理をすることができる施工管理アプリ、ANDPADを提供している。2016年にサービスイン、現在14万5000社の利用社数を超え、38万人の業界関係者に利用されている。さらにオープンAPIで外部サービスとの連携を実現し、国内62兆円市場といわれる建設業界全体のDXを推進するプラットフォーマーを目指している。

吉井氏が稲田社長と出会ったのは2012年で当時リクルートの社員であったという。稲田社長は吉井氏のイントレプレー塾に参加しての出会いであった。

稲田社長の起業は、リクルートのDNAを感じると吉井氏は述べている。リクルート創業者である江副浩正氏の行動指針「理念とモットー」に沿っているという:

  • 「誰もしていないことをする主義」:これまでになかった新たなサービスを提供し、時代の要請に応え、持続可能となる収益を上げていく。既存の分野である場合は別の手法での事業展開に限定し、他社の単純な追従はしない。継続して社会に受け入れられれば、いずれ産業として市民権を得ることになる。
  • 「分からないことはお客様に聞く主義」:新規事業には先生が必要である。先生とは新規顧客と潜在的顧客である。先生に聞きながら創意工夫を重ね、仕事の改善を継続的に続けていく。このとき重要なことは、顧客である先生に対して自分の意見を持って傾聴する姿勢である。
  • 「ナンバーワン主義」:同業者が出現すればそれを「歓迎」する。同業間の競争がない事業は産業として認められない。後発企業の良いところを真似ても良いし、恥ずかしいことではない。協調的競争を展開してナンバーワンであり続ける。

稲田社長は、この理念を引き継ぎ建設現場の職人や現場監督と親しくなり、2年にわたって建設現場の「不」を徹底して傾聴し、課題解決するサービスを開発した。このような挑戦が先進国中で最も低い労働生産性を上げることにつながることを吉井氏は期待している。🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵