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2022.11.10   日経産業新聞の記事「WAVE:ミトコンドリアに学ぶ」から

太古の地球に酸素を生み出した藍藻類とミトコンドリアの類似性

コラムの著者 成田 宏紀氏(DCIパートナーズ社長)は、いつものVB投資やビジネスの話から離れて、我々の生物に不可欠な共生について触れている。

○多くの疾病要因となるミトコンドリア異常

 成田氏はコロナ禍で祭りに恵まれず、自宅に飼っていた金魚が死んでいったために金魚鉢が藍藻類で汚れることが気に入らない。だが、藍藻類は光合成によって太古の地球に大量の酸素を供給した、生物の恩人である。藍藻類は、植物の始祖によって細胞内に取り込まれ、光合成を担う葉緑体となり今も細胞内で共生している。植物にとっては太陽光を自らの生命エネルギーに変える重要な生物内の生物であろう。

他の生物の細胞内で共生していて人類の細胞にも存在するものがミトコンドリアである。ミトコンドリアは細胞内で酸素を使ってエネルギーを産生する重要な機能を持つ。つまり生物の語源である「息をするもの」はミトコンドリアが酸素をエネルギーに産生してくれているからである。

厄介なのは酸素で、反応性が高く危険な物質であり、ミトコンドリアがなければ劇物指定の物質である。ミトコンドリアに異常が起こると、エネルギー産生以前に、放射能漏れの如く、活性酸素が細胞を傷つけ、機能不全を起こすことも多い。これが、人類では疾病になり、心血管系、内分泌系、感覚器系、中枢系疾患の原因となる。ミトコンドリア自体が巨大な複合体であるために、病気の原因箇所の特定が難しい。細胞膜の内側でさらに堅牢な膜で覆われており、薬剤も届きにくい。治療薬の開発が難しい標的と言える。

近年そのミトコンドリア自体を治療しようという試みが行われているという。患者自身の健常組織から取り出したミトコンドリアを移植することで治療する試みである。この試みを推進しているスタートアップがルカ・サイエンス社(東京都中央区)である。同社は外部からミトコンドリアを取り込ませ、細胞内のエネルギー産生を改善させる戦略である。広く医薬品として利用できる可能性があるという。💊🌻🌵🌱🐡🐟🩺🏥👩👨🚘🚗📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎

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