【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:ニッチ市場を攻めるには、諦めずに多様な手を打つ」から
2022/11/16
2022.11.11 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:ニッチ市場を攻めるには、諦めずに多様な手を打つ」から
販路拡大に単純な広告宣伝では効果なし
コラムの著者 西川 英彦氏(法政大学経営学部教授)は、前回に引き続きSNSやクラウドファンディングの活用についてニッチ市場での攻め方の事例を示している。
◯西川教授のゼミ生が挑戦
西川教授によれば、打開策の多さが、ニッチな市場を立ち上げるといい、その事例を自分の研究ゼミの大学生が挑戦した商品企画で示している。
商品企画の挑戦は、企業からのテーマをもとに全国の大学生が商品企画を競う「Sカレ」への応募であった。ゼミ生が応募した商品企画は「ぺらっぷ」である。
ぺらっぷは、ピアノ演奏経験者の94%が抱える「楽譜めくりが大変」という悩みに応える商品であるという。対象が狭い上に電子楽譜の普及という逆風の市場を狙っている。このアイデアは、メーカーから提示された「クリアシート便利グッズ」を受けて学生自らの経験から発想したという。さらに、専門家などの意見を集め、楽器小売り大手の島村楽器(東京都江戸川区)の商品開発者や楽器インストラクターと接触して助言をもらい、めくりやすく改善しながらターゲットをピアノ演奏者に絞った。試作品の評価も好評で、店頭価格300円を提示して、商品化が決定したら同社が仕入れるとの確約を得た。こうした成果から、Sカレでは2021年12月の大会でぷらっぷの商品企画は優勝し、見事商品化の権利を得た。
ところが、最終試作品を元にメーカーが試算すると初期費用がかかり、小ロットでは店頭価格が880円かかり、商品化は遠のいた。さらに、メディアに取材をしてもらい販路拡大を狙ったが、ニッチな悩みに対応したためか共感が得られず、反応もない状態となった。
そこでゼミ生らは自らのSNSで発信しつつ、初期費用を得るためにクラウドファンディングを利用した。クラウドファンディングでの購入や支援の募集で初期費用を得て、結果的に店頭価格を500円まで下げることができた。島村楽器でぺらっぷの正式販売が決定し、2022年9月より首都圏の店舗とオンラインストアで販売を開始した。ニッチな市場でもいろんな手段を使えば、学生でも商品化が可能であると、西川教授は応援している。🎹🥤💡♬📱🍟🏥📷💻🍺🦠🎓🏢📈🔎⚡️🌍📶👦👧💡🇯🇵
コメント