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2017年12 月

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:音楽は知的活動の基礎要素、科学者の研究、後押しか」から

2017.12.8  日経産業新聞の記事「TechnoSalon:音楽は知的活動の基礎要素、科学者の研究、後押しか」から

発話が先か歌が先か

 コラムの著者 筒井 泉氏(高エネルギー加速器研究機構・准教授)は、人間の情緒に影響を与え行動を規定する音楽が個人差はあるものの言語と並んで人間の知的活動の要素として取り上げている。

◯人間の知的活動の根底に音楽がある?

 音楽は人を楽しませ、気分を高揚させたり落ち着かせたりする。集団で行動する場合も音楽が使われる。このように音楽は人間の情緒に影響を与え、行動を規定する機能があると言われている。言葉と並んで人間の最も基礎的な知的活動の要素である。言語の基礎は会話であり、音楽の場合は歌となると、筒井准教授は考えている。

さらに面白いのは、実のところ音楽は科学とも密接に関連している。周知のようにリズムや個性、作曲技法から楽器製作に至るまで、音楽は科学的要素が多いという。著名な科学者が研究の合間に、リフレッシュやインスピレーションの発露に使う事例も多くあるという。筒井准教授は人間の知的活動の根底には音楽があり、それが科学研究において何らかの意味で後押ししているかもしれないと考えている。🎓🎹🎵⚡️happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:『不思議の国』からの帰還」から

 2017.12.7  日経産業新聞の記事「眼光紙背:『不思議の国』からの帰還」から

世界最長の16連続平均株価上昇

コラムの著者は、バブル後の下落幅を半値戻した好景気のメカニズムについて語っている。

◯資本が下流から上流に流れる不思議な国を返上?

 こう語る理由のは、この数十年間の日本は、水(資本)が下流から上流に向かって流れる「不思議な国」であったからだという。平野は灌漑されて肥沃なはずなのに枯れ野になり、利用されていない水は上流のダムに満々と溜まっているという状況だった。人々は枯れ野の生活にくたびれはて、宿命の不毛の地だと思っていた。国民の金融資産の7割が利息ゼロの現預金として退蔵されていた。

ダムに貯水されていた膨大な水が堰を切ったように流れ出し、下流を潤す正常化が始まる。米国並みの株式・投信が7割、現預金が2割という正常な国に戻るまで大資本移動を繰り返し、株式の需給が大きく変わると、コラムの著者は見ている。

地政学リスクや新技術による産業革命など世界の新環境に適合するビジネスモデルを完成させ、日本企業は空前の収益力を得た。アジアの中産階級は挙って日本を訪れ、労働需給は逼迫している。不思議の国のデフレ継続と総悲観論がそろそろ終わろうとしているというのは楽観か?🔎💴💰📈🏢⚡️🌍happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:中国人はどこまでシェアするか」から

 2017.12.6  日経産業新聞の記事「眼光紙背:中国人はどこまでシェアするか」から

シェアリング先進国中国

コラムの著者は、中国での自転車のシェアリングサービスからどこまで対象が広がっていくのかをみている。

◯「シェアリングの本質は『所有』と『使用』分離」

 こう語るのは、シェア経済で進む中国で自転車のシェアリング事業を手がける「モバイク」の王暁峰CEOである。中国人は平均4回、自転車を盗まれた経験があるという。それでも自転車を買うのは、買わなかったら乗れないという事実からだという。だが、スマートフォンの普及で「使用=所有」の常識を覆すようなサービスが可能となった。しかも、「シェアリングは世界的な趨勢だ」とも語る。

上海の地下鉄駅でも駅の傘のシェアリングサービスがあるという。この料金がなかなかうまく考えられていて、前金を払うと24時間は無料、その後1位置2元で借りられる。7日経つと、前金は戻ってこなくなり、買ったことになる。

中国の消費者はどこまでシェアリングを許すか。その分岐点は自動車であるという。空き時間にシェアリングさせて小遣い稼ぎすることが前提となる「シェア機能」を標準装備した中国の自動車メーカーまでも出てきているという。さて、この先行きが気になるところである。🔎🚗🚴🌂🇨🇳🏢⚡️happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「トレンド語り:魚のパッケージ、フランスでは躍動感表現」から 

2017.12.06   日経産業新聞の記事「トレンド語り:魚のパッケージ、フランスでは躍動感表現」から

圧倒的なビジュアル効果

コラムの著者 竹原 あき子氏(工業デザイナー)は、フランスで売られているスライス燻製シャケのパッケージに触れ、そのマーケティングについて考察している。

○企業の精神をそのシンプルさで提示

  これまで缶詰などは保存期間を誇っても魚の姿と美味しさを表現するものではなかった。包装フィルムの性能が上がるにつれて、魚のパッケージも食欲をそそる魅力を持ち始めたという。

竹原氏が取り上げたのは、燻製シャケの切り身のパッケージである。4枚の切り身が入っている「フィヨルド・キング」のパッケージに注目した。

創業から25年と比較的新しい企業で、製品は手作業でカットし、乾燥・燻製するという、現代の消費者が求める安心の手作り感を大事にしている。このパッケージは、一見して大きな魚の尻尾の透明の窓、そして、銀のウロコ模様がうっすらと描かれている濃い青い地色に、尻尾が海面に飛び跳ねているようにみえる。窓からは切り身が見えて面白い。

売り場に行くと、ビジュアルなインパクトがあり、波の色を微妙に変えて、産地を区別している。この窓以外に特別な仕掛けはないが、商品説明などは四角い紙に印刷し、シャケが入っているというシンプルさである。パッケージで、企業の精神を表現している。🍴🐡🐟💡⚡️🌍happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:層流と乱流の決まり方」から

2017.12.5  日経産業新聞の記事「TechnoSalon:層流と乱流の決まり方」から

基本に立つと物事が普遍的に理解できる

 コラムの著者 和田 昭允氏(東京大学名誉教授)は、身の回りにある空気や水のような流体が固体の表面に沿って流れるときにできる「層流」と「乱流」の考察から人間の心理にも似たようなバランスがあると語っている。

◯整った流れが「層流」、乱れた状態が「乱流」

 和田教授が解説するのは、物の流れに「層流」と「乱流」しかないことである。身近な例でいえば、層流は静かな水面を切って進む船の船腹を綺麗に流れる。乱流はそれが船尾から離れるときに生じる、かき乱された泡だったカオスだという。

この2つは、生活にも結びついているという。層流は表明との摩擦熱だけで、エネルギーをほとんど失わないのに対して、乱流は渦という余計な運動体を作るために大きなエナルギーを損失する。だから、流体中を動く、船舶や飛行機は乱流を起こさないように流線形にする。

流れの状態は、流体密度の慣性力と粘度による粘性力の兼ね合いによって決まるという。層流は面から離れるにつれて速度は遅くなるが、粘性が粘りを与えて遠方まで伝わる。渦は、速度が速くなることを抑えるために生じ、乱流ができる。つまり、層流になるか乱流になるかは、流体の密度と粘性の2つの性質の比で決まるという。

基本的な視点で物事を普遍的にみて理解すると、世の中の流れが層流になるか乱流になるかも人間の似たような心理のバランスで決まると言えそうだ。🔎🎓🌊✈️⛵️⚡️🌍happy01