【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline: イノベーションの捉え方、技術偏重の日本、米に学べ」から
2016/12/20
2016.12.16 日経産業新聞の記事「TechnoOnline: イノベーションの捉え方、技術偏重の日本、米に学べ」から
日本は技術主導、米国は市場性主導
コラムの著者 志村 幸雄氏(技術評論家)は、1958年の経済白書でイノベーションを「技術革新」と訳出しそれが定着したが、米国ではさらに販路の開拓や新組織の実現も含めて市場性を重視することを指摘し、そこに日本のイノベーションの発展のヒントがあるのではと示唆している。
◯イノベーションに対する捉え方の違い
志村氏は後藤晃教授(政策研究大学院大学)の調査を示し、日米のイノベーションに対する意識の違いを説明している。
調査では30件近くの事例を出し、それがイノベーションであると回答する日米の割合を見ている。例えば、アンチウイルスソフトウェア会社が配信した新種のコンピューターウイルスに対応するウイルス定義ファイルの設問では、米国の32.2%に対して、日本は9.9%にとどまった。
調査から後藤教授も示唆しているように、製品自体に技術的にかなり突出していないとイノベーションとは認めない。一方、米国は、逆に技術的に大きな飛躍がなくても、製品自体に利便性や価格性能比が高くなればそれもイノベーションという。まさに日本が技術主導で米国は市場性主導と言える。
一方問題は、イノベーションの起こし方で、日本は、垂直統合化した大企業で展開し、研究開発から製品化、市場化までが一元管理される。そこに、自社のこだわりが強く、その反作用としてマーケティングや市場戦略が軽視される。米国では、80年代以降、研究開発の主体がVBや中小企業、大学、公的研究機関にシフトして、大企業はその果実を対価を払ってイノベーションする。研究開発と製品化・市場化を分離したかたちで、米国のイノベーションの足腰が強い要因にもなっている。
和洋折衷ではないが、日米のよきところを生かすこともイノベーション改革の焦点である。💡
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