【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:徘徊感知センサー、保険付きで不安解消」から
2016/12/05
2016.12.1 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:徘徊感知センサー、保険付きで不安解消」から
ユーザーの行動の背景にある意識構造を見る
コラムの著者 高岡 美佳氏(立教大学経営学部教授)は、フランスベッドが昨年12月に発売した徘徊感知器「認知症外出通報システム おでかけキャッチ WS−01」の開発の背景について語っている。
○従来の不便さを解消
この感知センサーは、認知症の人の徘徊を感知し、家族や介護者に音と光と画面で知らせる。玄関などに設置した本体セットの前を認証キーを持たない認知症の人が通過すると人感センサーが反応し、リビングやキッチンにいる家族らに伝わる仕掛けである。
特徴的なのは、従来のようなICタグなどを対象者につけない点で、何も身につけなくてもよく、ストレスがないという大きなメリットがある。この逆転の発想で、発売から1年間で累計出荷台数は約1千台になったという。
さらに、この製品に個人賠償責任保険附帯サービスを実施した。これには、
- 高齢化の進展と認知症者数の増大
- 徘徊による事故
などが引き金となり、
- 行方不明にならないかという不安
- 法律上の損害賠償責任を負う可能性
の2つの不安があることを「発見」したことだ。これをマーケティングの世界では、インサイトという。ユーザーの行動の背景にある意識構造を見抜くことで、消費のツボを見出したわけだ。この2つの不安を見事に1つの商品・サービスで解決した好例だと、高岡教授はその開発の背景を分析している。
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