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2016.11.4  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:安全優先設計、異常事態の予見、人知試す」から

フェイルセーフの基本

コラムの著者 山﨑 弘郎氏(東京大学名誉教授)は、人の安全を維持するにも人知が重要であることについて説明している。

◯構成する部品の故障がシステム全体の機能に影響する度合いを把握

フェイルセーフとは、機械や装置などのシステムに故障や異常が起きた時に、機能の一部や全部が失われても、人の安全が維持される安全優先設計の基本思想である。

フェイルセーフの実現には、構成する部品の故障がシステム全体の機能にどのように影響するか把握しなければならない。また、発生確率を把握した上で、安全になるように設計する必要がある。

そのためには、個々の部品や機器の故障率が安全側でより高いか、故障の発生そのものが防げる構成をとる。多くの機械では、停止するのが安全側なので、故障した時は本来の機能を失っても停止するように設計する。ただ、旅客機のように、飛行中にエンジンが不調になった場合、停止すれば揚力を失うので、動作を継続しないで停止するが、複数のエンジンをもってこれを支えるという冗長性をもたせる。

フェイルセーフの設計にあたり、事故や故障の状況を想定するのは人であり、結果が安全かどうかを判断するのも人の洞察力である。そこには異常事態をどこまで想定し深く予見できるか、ということが試されている。pchappy01

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