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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「眼光紙背:国民にお金を使わせよう」から

2016.7.29   日経産業新聞の記事「眼光紙背:国民にお金を使わせよう」から

経済の活性化は国民にお金をつかってもらうこと

コラムの著者は、少々極端だが政府の景気浮揚策以上の刺激的な妙案?を提案している。

◯個人の預貯金が1%使われたら、日本経済は1.7%成長

政府は10兆円規模の景気浮揚策を講じるという。だが毎度のことだが、政府のこの策は成果を上げていない。予算投下される産業分野は一時的に上昇しても、日本経済全体への効果はほとんどないという。

真の景気浮揚策は、国民にいかにしてお金を使わせるかである。ではどうするか?

仮に、個人の預貯金1833兆円が1%(8兆3千億円)使われたら、しかも即座に消費財の消費にまわれば、それだけで日本経済は1.7%成長するという。

もうこれといって買いたいものがない成熟経済のもとでは、鈍化するのが理屈であるが、ならば、文化・教育・芸術・スポーツ・技術・寄付・NPO・ボランティアといった方向での、国民が喜んでお金を使うような政策をすべきだと、コラムの著者は提案している。果たしてどうか?

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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:シーブリーズ、ターゲット変え成功」から

2016.7. 28   日経産業新聞の記事「西川英彦の目:シーブリーズ、ターゲット変え成功」から

ターゲットの変更で海から街へ

コラムの著者 西川英彦氏(法政大学経営学部教授)は、資生堂の化粧品「シーブリーズ」の売り上げ回復の背景について語っている。

○長期の時系列調査が功奏

 ターゲット顧客の変更で、売り上げの低迷している製品が息を吹き返す事例を、西川教授はこのシーブリーズで説明している。

この商品は、1902年米国東海岸で誕生。家族をターゲットに肌のトラブルを解消する家庭常備の消毒薬として始まった。その後1969年に日本に上陸し、コカ・コーラやマクドナルドとともに注目された。サーフィンなどのマリンスポーツファンの都会の若者から人気を博し、1982年に家族から若者にターゲットを変更した。夏や海を連想させるCMを大量投下し、夏の定番ブランドとして定着する。ところが、2000年に資生堂ブランドになり、継続してプロモーションを行ったが、売り上げは落ちていった。

そこで再度同社では、ターゲットの行動と嗜好を徹底調査し、これまで毎年定期的に実施していた時系列調査を改めに見直した。

調査から、80%以上の人がシーブリーズのイメージを海や夏と答える一方、若者の75%の人が海やプールに行く回数が減った、もしくは行かなくなったと回答。そこで、海から街に利用シーンを大きく変更することに決めた。

日焼けケアから汗ケアへコンセプトを変え、マリンスポーツを楽しむ男性の若者から高校生、とりわけ流行を生み出す女子高生へとコアターゲットを変えた。

CMもハワイロケや大物タレントの起用をやめ、高校生の日常に近い学校での撮影、共感を得やすい等身大モデルとした。

このようにターゲットを変更した上で、同社は家庭常備薬を訴求している既存のパッケージも残し、カラフルな高校生ターゲットのボトル、香りも増やした。その結果、売り上げは回復したという。

時系列調査は、短期ではなく長期のトレンドをつかむことで効果があったことも功を奏した。pchappy01