【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「眼光紙背:ウーバーの中国撤退に思う」から
2016/08/08
2016.8.3 日経産業新聞の記事「眼光紙背:ウーバーの中国撤退に思う」から
日本企業にここまで覚悟があるか
コラムの著者は、昨日に引き続きタクシーに関する話題だが、中国でのウーバーの戦略について考察している。
◯日本企業が新興国で自ら開発した事業を後発の地場のライバル企業に売却できるか?
ネットを利用したライドシェアのサービスは、世界中に広がりつつあるが、普及率は国によって様々である。ただ、コラムの著者が指摘しているのは、配車サービスが広がりつつあるのは、新規事業などで経済が活気を帯びているところだという。
今回の中国の配車サービス大手、滴滴出行(ディーディーチューシン)による米ウーバーの中国子会社の買収は象徴的だという。米中両国経済の強い部分の共通性を示しているからだという。
【先駆者が後発の地場企業に負けた】
中国では米ウーバーのビジネスモデルを模倣した地場企業に負けた。タクシー運転手や一般ドライバー、利用者の心理、ニーズの違いを地場企業は理解している点を強みにした。滴滴出行は見事に地の利を生かしウーバーを倒した。
【劣勢のウーバーが無理に事業を継続することなく敵方に売却した】
売却は、株式交換によって行われ、米ウーバーは、成長力のあるライバル滴滴出行の株式5.89%を手に入れた。覇権を握るためには敵とも手を握る戦略判断も米中の共通性である。
日本では、ウーバーはほとんど普及していない。地場の同業もほとんどない状態である。規制の網に絡め取られたままである。タクシー業界にとどまらず、日本企業が中国で自ら開発した事業を後発の地場のライバルに売却するなど判断できるだろうか?
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