【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「眼光紙背:出光問題、本当のリスク」から
2016/07/21
2016.7.14 日経産業新聞の記事「眼光紙背:出光問題、本当のリスク」から
中東問題が絡む同社の合併
コラムの著者は、昭和シェル石油との合併をめぐる出光興産の経営陣と創業家との対立には一企業の合併問題とは異なり、日本の資源戦略が絡んでいることを示唆している。
◯サウジアラビアとイランとの関係
創業家の代理人の発言がペルシャ湾岸の英字紙に掲載された。内容は;
「サウジアラビアとの関係の深い昭和シェル石油との合併は地雷原に足を踏み入れるようなもの」
といったものだという。
過去の経緯から創業家はイランとの関係を重視している。だが、出光興産の輸入原油の4割はサウジアラビアから調達しており、日本全体でも輸入量の3割は同国からの輸入で最大である。
このような微妙な状態で創業家の発言は、出光問題だけでなく日本の資源戦略に大きな影響を与える。サウジアラビアの実権を握るムハンマド副皇太子が主導する外交・安全保障政策が中東地域での軋轢を生んでいる。一方、サウジアラビア国内では大胆な経済・社会改革にも期待が集まっている。幸い副皇太子は親日派と言われ、その改革を支援することが、日本の商機にもつながる。
日本は欧米と異なり、イラン、サウジアラビアとも双方に良好な関係を維持してきた。この歴史的な関係をどうするか、出光問題だけにとどまらない。
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