【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:電子書籍を店頭販売」から
2015/03/07
2015.3.5 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:電子書籍を店頭販売」から
ネットも店舗も有効に使う生活者
コラムの著者 西川英彦氏(法政大学経営学部教授)は、鳥取、島根両県で地域最大級の20店以上を展開する今井書店グループ(鳥取県米子市)が電子書籍と紙の書籍の併売による実証実験を業界団体と推進、そこで見えてきたことについて解説している。
○電子書籍を「カード」として紙の書籍と併売
凸版印刷系のブックライブ(東京・台東)でカードに電子書籍を買うための情報を印刷し、同社か楽天のネット書籍販売店に誘導する。カード裏の番号を入力すると、電子書籍がダウンロードでき、端末で電子書籍が読めるという仕組みである。その際販売手数料が書店に入る。
今井書店では当初、見本として紙の書籍を置き、カードを並べた。それが、リアルな書籍も売れるとして意外な相乗効果が見えてきたという。
見本の書籍を置いたのは電子書籍のカードでは顧客には中身が分からず、隣に紙の本があれば中身が確かめられると同時に、両方の良さを比べた上で選んでいくという。実際の本が売れたのもこの比較が重要なポイントであった。
この仕組みが、シニアなど老眼で紙の本では読みにくく、結構な重さがあることを敬遠する世代には電子書籍を知り、文字も大きくでき、端末の重さで本が読めることから喜んでもらっているという。
読書から離れていた人に再度読書の世界に引き戻すことを今井書店では気付いたという。最初は書籍の代替と思われた電子書籍も読み手の比較選択で、違う市場が見え始めた。
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