2015. 2.24  日経産業新聞の記事「眼光紙背：情報通信、負の面にも備えよ」から

大丈夫か？IoT時代の情報セキュリティー

コラムの著者は、あらゆるものがインターネットにつながるというIoT（Internet of Things）が提唱されて、この流れは変わらないだろうというものの、礼賛一色でなくその陰である情報セキュリティーについて触れている。

○ICTの発展はもろ刃の剣

IoTの基本思想は、TRONプロジェクトを1984年に始めた坂村健氏（東京大学教授）と同じで、技術が実現間近になり、社会に大きな影響を与えることは必至であろうという。

ただ、礼賛一色な報道の陰に、ハッキングなどサイバー攻撃に対する弱さは、日常生活に浸透する上で絶対の克服しなければならない課題だという。

東大がまとめたリスクを総合的に分析した調査では、「サイバー攻撃やサイバー情報への不当なアクセス」が「大地震の発生」について技術的な脅威の２番目に挙げられているという。

情報セキュリティーの専門家によると、自動車のナビゲーションシステムを操作して運転を乗っ取ることも可能だという。遠隔で操作する通信技術がナビゲーションシステムとIoTで統合されると、２つの技術はつながり、外部から自動車の運転を勝手に操作して、「カージャック」が簡単にできるという。ICTの利便性追求と同様に負の課題の克服が重要なことがこの事例でもわかる。