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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:性善説と性悪説、第三者委の利益相反議論を」から

2015.1.13   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:性善説と性悪説、第三者委の利益相反議論を」から

 欧米では利益相反の確認は常識

コラムの著者 中村雅美氏(科学・技術ジャーナリスト)は、昨今話題になった理化学研究所のSTAP細胞に関する調査に第三者委員会が設置されたが、欧米と利益相反の考え方に温度差がある要因を語っている。

○専門性、客観性、独立性は差異なし

欧米との差異は科学者に対する性善説と性悪説のいずれをとるかによるのだという。国内の第三者委員会の記者会見で、欧米系の記者は、「先生(委員長)は、当該会社とは無関係ですね?また、当然、同社の株を持っていないですよね?」と尋ねるシーンがあったという。第三者委員会での調査報告などで欧米では利益相反の確認はもはや常識という。

これに対して日本はそれほど厳しくない。そこに「科学者は悪いことをしない」という前提があるのではないかと、中村氏は指摘する。所謂、性善説に立っている。一方、欧米では、「科学者も人間、良いこともすれば都合の悪いこともする」という性悪説に立っているから、関係者を事前に徹底調査するという。

今後はこの二元論ではなく、実際的な利益相反について議論すべきではないかというのが中村氏の主張である。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:イノベーション戦略の矛盾」から

2015. 1.14  日経産業新聞の記事「眼光紙背:イノベーション戦略の矛盾」から

100%達成を期待する計画にイノベーションはあるのか?

コラムの著者は、首相の諮問機関である、総合科学技術・イノベーション会議での委員の期待と改革の内容に矛盾はないかという指摘である。

○大胆な企業人参画で実用化を目指す

コラムの著者が指摘するのは、同会議の人事のことではない。折角の産業界出身の委員から「100%成功させてほしい」と、産学官のチームリーダであるプログラムディレクター(PD)に要請していることである。最初から100%成功するものであれば、何も産学官である必要はないという訳である。さらに、そのようなテーマが果たしてイノベーションを期待できるのか。成功の正否が不確実であるテーマであれば反って産学官で取り組むべき戦略性が出てくる。そこに矛盾がないのか。どうも、矛盾をはらむ司令塔といった感が拭えない。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:フリーミアムの倫理」から

2015. 1.13  日経産業新聞の記事「眼光紙背:フリーミアムの倫理」から

のめり込ませるところに必要な高い倫理性

コラムの著者は、米国で確立されたビジネスモデルのようだが、実は日本でも昔からあるフリーミアムについて触れている。

○スマートフォンのオンラインゲームのビジネスモデル

ゲーム自体を始めるときは無料で開始。しかし、やり始めてのめり込み始めると、有料のアイテムなどが登場し、お金を使わせる。最初はフリー、後にプレミアム(割り増し)となるこのビジネスモデルは、フリーミアムと呼ばれて米国ではビジネスモデルとして確立しつつある。だが、この商法は、日本には昔からあったようである。最初は無料で渡し、それを使うのが習慣化したところで、代金をとっていく商法である。

ただ、ユーザーがはまりこむことを過度に煽っていくといった行為は慎まなければ、その企業の倫理性が問われる高度なモデルでもあるという。逆に簡単に止められると、フリーミアムの本来の目的が達成できない。このバランスが問われるところでもあるという。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「シンガポールに起業家大集合」から

2015. 1.1 日経産業新聞の記事「シンガポールに起業家大集合」から

ICT系VBが日本から移住

記事の著者は、交易のハブであるシンガポールが、ICT企業の移住先になっている理由について語っている

○節税対策だけでない人種の多様性の魅力

有名なVBはビデオ会議サービスのブイキューブである。実際は遠隔会議でお互いの地勢的な距離はなくなるが、日本にはない魅力がシンガポールにはあるという。

1つは、同社も米国進出などで失敗した経験である、資金力とスピード感であるという。シンガポールは日本よりもVBへの投資も大きく、スピード感があるという。さらに、人種の多様性が国際市場をはじめから念頭においているICT系VBでは優位だという。日本の慣習よりも国際的なビジネスルールの方が重要だからだ。

一時のシンガポール政府の誘致政策や税制優遇はあるものの、それよりも英語を主軸にしたハブである強みは、VBにとって大きな魅力だという。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:成長戦略待ったなし」から

2015. 1.9 日経産業新聞の記事「眼光紙背:成長戦略待ったなし」から

アベノミクスの真骨頂は?

コラムの著者は、「この道しかない」のスローガンで信任を得たという安倍政権の経済政策に第3の矢である成長戦略がもたついている点を問題視している。

○成長戦略は他の政策に絡む

これまでアベノミクスは金融と財政にたより、第3の矢が放てないでいるという。女性の労働力を活用すれば、今度は結婚、出産の機会を奪うだけでなく、人口が減り、企業も国内投資に慎重になる。これについては女性の多い非正規雇用も社会保険などの企業負担を求めるべきだとコラムの著者は辛口だ。

非正規雇用も含め経済的な余裕がなければ、経済の成長性が損なわれる。企業負担が増えても市場の縮みの歯止めができれば「おつり」がくるのではないかという。

安倍政権になって、企業の内部留保は50兆円弱、GDPの10%にあたる。その活用を促す税制なども改革が望まれる第三の矢の実質的なうごきであろう。happy01