【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:顧客の修理依頼に着目」から
2014/10/27
2014.10.23 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:顧客の修理依頼に着目」から
修理は大きな新商品へのヒント
コラムの著者 西川英彦氏(法政大学経営学部教授)は、カシオ計算機の電子辞書『エクスワード』を例に修理依頼の主原因を克服する事で、売上に貢献、業界のリードができたことを語っている。
○設計標準まで変えた高校生たち
同社は堅牢設計『TAFCOT(タフコット)』をもとにシェアを拡大、半数を超えた人気商品である。その由来は、設計変更を従来機から行った後にサービス部門から従来機に比べて高校生モデルの修理依頼が増えている原因調査から始まったという。
多くが「使おうと思ったら、液晶ディスプレイが割れていた」というもの。高校生だけの修理依頼に、大学生や社会人とは違った特殊な状況があると思われた。
そこで設計部門の責任者二人が通学スタイルやバッグの使い方を理解するために、修理依頼が多い駅周辺での高校生の行動を観察した。
結果、通学の自転車のかごに無造作に放り込み、駅ではバッグの上に腰をかけていることもわかった。どうも過酷な使われ方をしていることがわかり、品質規格を見直す必要が出てきた。
それが堅牢設計標準の誕生を促し、従来のサイズや重さをあまり変えずに標準規格を上回ることができ、返品率は2割減少、売上にも大きく貢献したという。
顧客や利用シーンなどで属性別の修理や返品率を見ればそこにビジネスチャンスがある。顧客データといえばビッグデータと思いがちだが、身近なデータの分析も重要だ。
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