【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:プラント制御の無線化」から
2014/08/29
2014.8.26 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:プラント制御の無線化」から
夢は遠隔監視・保守の安全なシステム
コ ラムの著者 山﨑弘郎氏(東京大学名誉教授)は、情報機器で無線化が最も遅れたプラント制御についてその背景と将来について語っている。
○無線化が遅れた理由
設備の標準化は早くから着手され、プラントの中に分散配置された大量のセンサーと流れを調節するバルブなどは、プラントの巨大化に伴って、センサーや調節器と制御室とを結ぶ配線が増加した。
- 初期は、配線の電気信号の標準化が行われた:24時間運転の信頼性と外部からの干渉を排除するために、信号伝送はすべて個別の専用経路を使った。→結果として、伝送距離の増大で配線コストが増加し、制御室周辺では配線が錯綜した。
- 上記を改善するために、フィールドバスでセンサーの信号系統を専用から共通の1本のバズに置き換え、デジタル伝送方式とした。→配線コストは目論見通り下がった。だが、共通バスの設置はプラントの規模や種類によって標準化が困難となった。
- そこで、無線方式を使い、2.4ギガヘルツ帯の周波数を使って、信号、機器の保守管理情報、診断データの伝送を行うようにした。→課題は有線伝送にはない、混信やノイズの侵入、外部からのかく乱などの対策が必要となった。他の産業での無線応用を集め、さらに情報セキュリティを確保した。→伝送距離が飛躍的に伸び、従来のプラントと制御室の距離が数十キロから数百キロ離れたテレコントロール(遠隔制御)ができるようになる。
夢は、経営に直結した多数のプラントを連携運転し、高効率な遠隔制御・保守ができ、しかも安全であるシステムとなることにある。夢はそう遠くない将来に実現することができそうだ。
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