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2013. 9.2  日経産業新聞の記事「眼光紙背:アウラという魔術」から

複製商品も礼賛?

コラムの著者は、ドイツの文化評論家ヴァルター・ベンジャミンの打ち出した「アウラ」という概念を取り上げ、現代の製品に向けた「礼拝価値」について語っている。

○アウラという概念

 Wikipediaによると、アウラとは、

ベンヤミンは優れた芸術作品を前にして人が経験するであろう畏怖や崇敬の感覚を指して「アウラ」という語を用いた。従ってアウラは原始的・封建的・ブル ジョワ的な権力構造や、さらには魔術や(宗教的または世俗的な)儀式と芸術との伝統的な結び付きを示すものである。 「世界史において初めて、機械的な複製は芸術作品を儀式への寄生的な依存から解き放った」とベンヤミンは書いた。

という。

 コラムの著者が機械式自動巻き時計の歯車の動きなどにアウラを感じるという。デジタル時計にはない、独特の味わいがあるという。対比的に、絵画などは「いま、ここ」にしかないという、魔術にも通じる礼拝価値があるという。

 考えてみれば、機械式自動巻き時計も工業製品であり、オリジナルが1つしかない美術品ではない。にもかかわらず、それに感じる独特の魅力はアウラに似ているという。

○芸術品から大衆化時代へ

 その背景に、写真や映画などの複製技術による製品が、やがて芸術品に代わって複製品が歓迎され、工業化を切り開いた。さらに、今や複製品は世の中にあふれかえり、デジタル化はさらに加速を促している。

 過剰な複製技術時代に生きている現代人にとって、逆に複製品にアウラを見出すことが楽しみになっているののではないかという。米アップル社の商品にアウラを加えたのはスティーブ・ジョブスであり、正に魔術であったともいえる。今やその魔術も消えてきているのだろうか?watch

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