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2013.7.16   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:『富士山学』のススメ」から

自然科学の『富士山学』

コラムの著者 志村幸雄氏(技術評論家)の視点は、ユネスコの世界遺産委員会が日本の富士山を世界資産に登録することに関連して、学術界での逸話を紹介している。

○正式な登録名『信仰の対象と芸術の源泉』

志村氏は、登録名を科学技術の視点でみると、著名学者にも『富士山学』の逸話があるとのことである。

【江崎玲於奈氏】(トンネルダイオードの発明でノーベル物理学賞を受賞した)

自ら発案したダイオードの特性を葛飾北斎の『富嶽三十六景』神奈川沖浪裏に描かれている、多いなうねる曲線を重ねて

『200年の昔に画かれたこのすばらしい構図は、いみじくもダイオードの特性を喝破しているようで面白い。負性抵抗の部分は発振しているし、(波間は小さく見える)富嶽は過剰電流による突起である』

と喩えている。

【石井威望氏】(25年前に超電導社会の到来を予見し、『富士山麓にインテリジェント・シティーを』提案。東大工学部名誉教授)

石井教授の著作『超電導で「富士山」時代』で、日本製のリニアモーターカーを東京=大阪間の東海道新幹線に並行して走行させ、その間の両者の接続拠点を富士山周辺と想定している。走行速度の差異で両者の持ち味を生かし、利用者のニーズに柔軟に対応しようというもの。新幹線と内陸を走るリニアを接続する手段として、富士山を取り巻く環状線を走らせるという。そこに、インテリジェンスな高原都市ができ、富士山の景観も楽しめる。

実際の現在進行中の構想とは違うが、ユニークで先見氏のある視点である。

このような自然科学の富士山学と人文科学の富士山学の両方が相見えると、世界遺産も活用という点で面白くなる。happy01

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