【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:レザーブレード商法」から
2013/04/21
2013.4.18 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:レザーブレード商法」から
レザーブレード(かみそりの替刃)商法の得失
コラムの著者 三浦俊彦教授(中央大学商学部)は、ネスレ日本の一杯抽出型コーヒーマシン「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ」が好調に入れている背景に、レザーブレード商法などの得失について語っている。
○戦前のかみそりメーカーに由来するレザーブレード商法
ジレットが、本体は安く売り、替刃需要で儲けることに由来して、レザーブレード商法と呼ばれる。本体を買ってもらえば、後は交換消耗品の長期的需要で儲けられるので「虜(とりこ)プライシング」ともいわれている。
ネスレ日本は、同社のインスタントコーヒーをバリスタにセットすると、高圧抽出して泡立たせた本格感のある「エスプレッソ」「カプチーノ」などが簡単に作れる。バリスタ本体の希望小売価格は9千円。そこでは利益は取れないが、インスタントコーヒーの入った自社独自のカートリッジの販売で稼ぐ。本体の価格を抑え、家電メーカーの追従を許さないという戦略である。
最初安いのは、その後の交換消耗品などを利用してもらう仕組みで儲けるからである。同様の商法は、インクカートリッジの定期交換が必要なプリンターやコピー機もそうである。「携帯0円」などの店頭表示がある携帯電話やスマートフォンも、初期費用は安く、その後の通話需要で稼ぐことから同様の商法である。
○かみそり業界でもレザーブレード商法に逆らう貝印
業界3位の貝印は、他社のレザーブレード商法に追従しないで、替刃を2005年大幅に値下げした。しかし、浸透は進まなかった。ここにきて、替刃の価格比較などを店頭表示して、消費者に訴求している。
消費者も、初期費用と運用費用の視点を持つことが広がってきていることから、貝印の訴求も前回とは変わった展開になると三浦教授はみている。
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