【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:コンテクストの可能性」から
2012/12/24
2012.12.20 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:コンテクストの可能性」から
コンテンツ(商品単体)からコンテクスト(物語や生活様式)へ
コラムの著者 三浦俊彦教授(中央大学商学部)は、「コンテンツデザイン戦略」共編者の原田保氏(多摩大学大学院客員教授)の主張する「コンテンツからコンテクストへ」単品のデザインから文脈へのデザインの以降について語っている。
【移行の事例】
- 米ゼロックス:複写機の不具合の内容ごとに詳細なマニュアルを作成したが、顧客は満足していなかった。そこで、複写機を修理する発想から「顧客と機械の相互関係」を修復することが重要と考えた。そこに、複写機(コンテンツ)だけでなく顧客と機械の関係(コンテクスト)の修理という視点に顧客が共感した。
- サントリーの緑茶「伊右衛門」:飲料単体では他社の製品と大きく変わらない。しかし、共同開発した京都の日本茶の老舗「福寿園」の伝統や竹筒を模したペットボトル、テレビCMなどの1つの物語を作り上げている。
- 明治の野菜にチョコレートをつけて食べる「チョコベジ」:骨子は「翻訳」。みんなでワイワイ楽しみながら自分で作って食べるフォンデュのコンテクストを翻訳した商品。
- AKB:骨子は「過程」。曲ごとにメンバーも確定せず多くの葛藤や悩みをファンと共有する。ファンはCDを買って握手会や「選抜総選挙」に参加し成長する。この過程が物語(コンテクスト)となってファンのこころを掴む。
コンテンツである単品の競争は汎用化が避けられず、何れは値下げ競争に陥ってしまう。単品を組合せ、いかに顧客に支持されるコンテクスト(物語や生活様式)を創造できるかが問われている。
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