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2012.10.9   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:ナノマシン進化、自己形成・修復の解明カギ」から

マシンの脱皮に必要な自己形成・自己修復

コラムの著者 和田 昭允氏(東京大学名誉教授)は、生物に近いマシンへの手掛かりについて述べている。

○精巧なマシンである生物

和田教授によると、生物はDNA(設計図)から出る指令によって

  • 力学素子:筋肉
  • 化学反応、エネルギー素子:消化酵素
  • 情報処理装置:脳の諸分子

などを製造して、地球環境に生きる「柔らか機械」であるともいえるという。

例えば心臓は、1年で3153万回、人生80年とすれば25億回、几帳面に鼓動を起こす強靭な機械ともいえる。この心臓も元は、卵子と精子の結合で、自己形成・修復を行って存在している。

これらの背景にあるエンジニアリングは、和田教授によると、

①部品の最小単位がナノメートルサイズで小さい⇒無動力でブラウン運動などを利用して動くため

②部品群が自己形成と自己修復機能をもつ

ことである。しかも、①は②であるための必要条件であるという。確かに、人工的にナノマシンまで大きさを短縮することは近いうちにできる。しかし、生物が3次元的に成長できるには、②で示す自己形成・修復ができることから、人工的に外部から手を入れて形成することとは違い、圧倒的に集積度が異なる。

どうやら、ナノマシンの大きなステップアップは、この自己形成・修復をどう獲得するかにカギがあるようだ。happy01

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