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2012.7.5  日経産業新聞の記事「エマージング市場攻略法③:現地での意思決定」から

組織形態の正解はないが、ジレンマに対抗する

コラムの著者 作左部孝哉氏(アクセンチュア・人材・組織マネジメントグループ シニア・プリンシパル)は、現地のニーズに即した商品やサービスを個別に投入すると、全体としてのグローバル化が損なわれるというジレンマをどう解決するかを解説している。

【日本企業の弱点】

各国最適に陥らないように現地拠点の自律性を活かしつつ、本社がガバナンスをしていくかの組織体制で、日本企業は、本社の求心力が弱い。

○要因1:意思決定の判断材料である現地情報やノウハウが本社に蓄積されていない

○要因2:本社にグローバル経営を統率できる人材が絶対的に不足している

【現実的な組織モデルは】

1.マルチタワー型:グローバル経営の戦略・統制機能を現場のより近い地域統括組織と分担することで、本社のグローバル対応力と補完するモデル。

⇒最終的に、より現場に近い地域統括組織に地域事業戦略の立案やマーケティングといった戦略・企画機能を移管することで、意思決定の質と速さをあげることが不可欠。

2.ツインタワー型:国内事業はこれまで通り日本本社が管轄し、海外事業は別途、設置する海外事業本社機能が統轄する形態。国内外で共通化することが足かせにならないところが特徴。しかし、海外本社の持つノウハウを日本に還元することが意外と難しい。人材交流と情報の共有となる仕掛けが日本本社に必要だと、作佐部氏は指摘する

【意思決定の権限を現地委譲する例が増える】

作佐部氏は、今後新興国の成長に伴って益々意思決定力が重視され、現地への移譲が進むと予測する。すべからく日本本社で統括するという常識や義務感から一度離れ、組織のあるべき姿を考えるべきだとも指摘している。happy01

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