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2012.6.26   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:英の工学版ノーベル賞」から

スマート社会でどう具体化されるか

コラムの著者 志村幸雄氏(技術評論家)はこのたびイギリスの王立アカデミーが工学版のノーベル賞とも言うべき「クイーンエリザベス工学賞」を創設したことを称賛している。

○本家のノーベル賞との違い

この賞は、科学的発見や基礎研究の成果を受賞対象にしているノーベル賞とは異なり、あくまでも人類に顕著な利益をもたらした工学の分野の業績を対象にしている。

近年創設の他の国際賞としてフィンランドのミレニアム賞があるが、今回は直接英女王から授与される名誉と、賞金も100万ポンド(約1億2千万円)と世界最高水準である。

○クイーンエリザベス工学賞の意義

科学の世界では、古くから「科学純血主義」や「科学万能論」といった考えがあって、工学やそれに根ざした技術的成果は二次的なものにすぎないといった見方が多い。志村氏は、基礎研究の成果は実学的視点の応用研究や製品開発に結び付いてこそイノベーションとして完結し、社会の役に立つ。この点に本賞が脚光を当てることは称賛に値すると志村氏は言う。

今回の賞が、18世紀後半に産業革命を起こしたイギリスで創設された意義は大きいという。イギリスは産業革命後得た地位を「英国病」によって弱体化され、ドイツやフランスに譲ってしまう。この賞は、嘗ての地位の威信回復と見れないことはないとも言える。

日本人も含め工学者や研究開発者の業績に受賞の機会が生まれることは素晴らしい。happy01

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