【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:ラクダが問う日本の家電」から
2012/04/11
2012.4.3 日経産業新聞の記事「眼光紙背:ラクダが問う日本の家電」から
ソリューションを提供できなかった日本の家電メーカー
コラムの筆者が語るのはアフリカでのニーズを考えたラクダの背中に載せて運ぶ冷蔵庫を事例に、日本の家電メーカーで弱点について触れている。
○ラクダ搭載の冷蔵庫は医薬品運送システム○
しくみはこうだ。ラクダの背中に木組みの鞍があって、そこに小型冷蔵庫を載せる。電源はソーラーで、暑さに弱いワクチンなどを冷蔵したまま、遠くの村まで運ぶというもの。ラクダ引く人には多少の医療技術があり、必要な人にワクチンを投与する。
貧困にあえぐ人たちに医療品や医薬品をどう運ぶかは大きな課題。それに対して、ラクダ搭載冷蔵庫は大きな投資も不要で、高度な専門家の手を借りることなく、既存のラクダと既存技術である冷蔵庫を組み合わせて見事に解決策(ソリューション)を提供した。スイスのビジネススクール、IMDのドミニク・テュルパン学長によると、このラクダ搭載冷蔵庫の発想こそ、大きな赤字で苦しむ日本の家電メーカーに欠けているものだという。
○ソリューションへの発想○
軽い冷蔵庫や発電効率の良い太陽光発電を作る技術は日本が世界に誇るレベルにあるが、その延長線上にあるラクダ搭載冷蔵庫のアイデアまでは出てこない。個々の要素技術は磨くが、世界のどこにニーズがあるのか、それを解決するために手持ち技術を総動員して、仕組みとしての解決策(ソリューション)をどう生み出すかには無関心であるという。この点に、赤字脱却の大きなヒントがある。
コメント