【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:アトム通貨」から
2012/03/20
2012.3.15 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:アトム通貨」から
地域通貨も重層的に切磋琢磨
コラムの著者 法政大学経営学部教授 西川英彦氏が語るのは、2004年、東京の早稲田・高田馬場で生まれた地域通貨アトム通貨のマーケティングについての考察である。
アトム通貨は現在、「馬力」を単位として、10馬力、50馬力、100馬力の3種類の紙幣?を使って、のべ21万人が参加。925万馬力(1馬力=1円換算)が流通している。全国の9支部(地域、愛知県や沖縄県八重山なども含む)で商店街、商工会で利用されている。
《地域通貨の関係者の重層化》
- 当初より消費者が地域産業に貢献でき、売り手側の自店は販売促進になる。
○消費者の動き:エコ目的でマイバッグやマイはし、マイカップを持参して商店街でモノを購入する。それに応じて馬力が手に入る。イベントや商店の加入をアトム通貨の冊子やホームページ、店頭ステッカーで認知する。
○地域貢献者:無農薬野菜や古紙回収のイベントに参加して、その活動に対して馬力を得る。イベントや商店の加入をアトム通貨の冊子やホームページ、店頭ステッカーで認知する。
○商店やイベント主催者:アトム通貨を支部の事務局から現金で購入する。イベントでの販売促進を促す。アトム通貨での支払いを受け入れ、支部の事務局にアトム通貨を換金する。換金により継続的な利用になる。
○支部の事務局:換金されかなった分は、支部全体のアトム通貨の運営資金となる。
ここまでは、通常のエコシステムであるが、さらにアイデアとして、愛知県の支部では、支部の事務局だけでなく、アトム通貨に加入している地域の信用金庫の窓口で商店が加入者証を提示すると換金できることも行われている。八重山では、地域貢献の内容の鑑定後アトム通貨で手当を払う。
このようなアイデアの追加や重層化は、「一石二鳥」以上になるという。地域貢献活動の多くが、このような仕組みやアイデアの切磋琢磨が必要であると、西川教授は示唆している。
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