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2012.2.8  日経産業新聞の記事「体験的リーダー論、キヤノン電子・酒巻社長⑬」から

たかが挨拶、されど挨拶

コラムの著者 キヤノン電子社長 酒巻氏は、コミュニケーション(同社では『通心』と呼んでいる)が業績に影響を与えることを、通心の基本の『き』である挨拶が、損益を決定することまで説明し、その重要性を訴えている。

【ありがちな以心伝心型の通達不徹底】

・相手の考えと自分の考えが符合していると思いこむことは、業務では致命的なミスを起こすことがある。こう言ったコミュニケーションロスは、製造業では、部門間や部内内部での意思疎通が悪く、設計でミスをしたり、別のラインで問題が発生してもすぐに伝わらず、最終的には不良品を大量に生む結果となる。

【「言ったからやっているはず」は、確認を怠ると大きな事故に】

・言ったから、配布して説明したからだけでは、内容まで周知徹底されない。確認をせずにそのまま進めていくと、やがて大きな事故や不良品を作ることになる

・社員は面倒なものの中身まで理解しない。管理者が、コミュニケーションをとって確認しながら内容を理解させる。

【コミュニケーションの目的は『協働』(コラボレーション)

・組織の一人一人と心を通わせて初めて、全体として効率よく知恵を出し合い、目的や目標を達成できる。

・リーダはこの心の通う組織になるように努力するもの。

・挨拶の重要性は、心を通わす基本のきで、相手を仲間と認める意思表示である。

⇒酒巻社長は就任当初挨拶が出来ない社員が多くいたことを問題視して、「朝のあいさつ運動」を始めた。一声「おはよう」と言うだけで、こころの垣根が下がり、挨拶の輪が広がってコミュニケーションが良くなった。結果として不良が減り、未然にミスを防げるようになった。不良が減れば利益が増える。つまり、挨拶をすることで、利益が上がったわけである。「挨拶ごとき」というなかれ、である。

【心を通わすことと仲良くなることは別】

・和気あいあいの飲み会も良いが、しばしばすぎると慣れ合いが生じ、癒着を生む。業務中心であることを考えると仲が良いよりも心が通じていることを重視すべきと、酒巻社長は注意する。good

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