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2012.1.12  日経産業新聞集の記事「コスト削減『仕組み化のススメ⑥』」から

営業のどんぶり勘定からの脱却

コラムの著者 糸田哲氏(A・T・カーニー プリンシパル)が語るのは営業のコスト削減でである。糸田氏も認めるように、営業の世界は巧妙な駆け引き、あうんの呼吸と言った独特なものである。そのコストと成果を管理するのは、容易ではない。また、成長市場時の売り上げ至上主義もまだ根強い。しかし、市場の変化に伴って、意識改革が必要なことは誰でもうなづけるところ。

糸田氏の提案は、目に見えにくい営業のコストを顧客ごとに売上を考慮して勘案する「Activity Based Costing」つまりABCの手法だ。

【糸田氏のコラムにある顧客別の収益管理法(ABC)】

・コストを次の3つに分解:

①特定顧客向けサービスのコスト:共通費用に混在しないで、該当顧客に直接配賦。

②共通サービスのコスト:配賦基準を個別に設定(営業稼働時間、担当人数、サービスの利用件数、単価原価)

③直接原価(変動費):該当する顧客に直接配賦

・上記のABC手法で、顧客・サービスのレベルに応じた価格設定が可能となり、交渉の際に、最大どこまで譲歩してよいかが見える。それが営業での共通意識となり、結果、内部調整の労力も減るといったわけだ。

ただ、ABCを進めるには現場でのコストの配賦基準や営業評価に直接関わることであるので、合意形成で骨が折れすのも事実である。糸田氏は、コストの配賦基準等の更新ごとにルールの見直しを合意しながら精度を上げていく姿勢が重要だという。happy01

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